キリンからメルシャン軽井沢美術館を地元の町が取得 | 公会計の動向

キリンからメルシャン軽井沢美術館を地元の町が取得

 信濃毎日新聞サイトが3月29日に掲出した「閉館のメルシャン美術館跡地 御代田町土地開発公社が取得 」は、北佐久郡御代田町は28日、23年11月に閉館したメルシャン軽井沢美術館などがあった同町馬瀬口の土地2万8677平方メートルを、町土地開発公社(理事長・茂木祐司町長)がメルシャン(東京)から1億820万円で取得したと発表したと報じる。町役場で会見した内堀豊彦副町長は「明確な使い道は決まっていないが、軽井沢町に続く幹線道路沿いでもあり、活用価値が高い(と判断した)」と説明したとのこと。美術館はウイスキー蒸留所の敷地に、たる貯蔵庫群を改修して7年に開館され、ピーク時は年間延べ約10万人が訪れたが、収益環境が厳しいとして閉館したとの由。メルシャンの親会社キリン(東京)の広報によると、同蒸留所ではウイスキー「軽井沢」を2000年まで蒸留しており、その後も貯蔵酒を出荷していたが、蒸留所は昨年3月で閉じたとのこと。敷地内の美術館や蒸留所だった建物など18棟(計延べ約5900平方メートル)はそのままで土地を取得し、建物の所有権を公社に移したとのこと。敷地は、町道を挟んで町立博物館「浅間縄文ミュージアム」の北東側にあり、町役場にも近く、内堀副町長は、活用の可能性として、工業用地、築40年以上で建て替えを検討中の役場新庁舎用地、地場産品直売所を挙げたが、検討の手法も含め未定とか。町によると、美術館の継承先をメルシャンに探してもらっていたが、見つからず、同社から昨年11月、町側に取得希望の打診があり、町議会にも相談して取得を決めたとのこと。町企画財政課によると、建物を取り壊す場合の費用は概算で1億円で、取得費と合わせても「更地で購入した場合の相場より大幅に安い」としているとか。