小城市が市民病院を公営企業全部適用へ | 公会計の動向

小城市が市民病院を公営企業全部適用へ

 佐賀新聞サイトが1月8日に掲出した「小城市民病院 採用、機器購入など独自に 」は、経営改善に取り組んでいる小城市民病院(尾形徹院長)が4月から、地方公営企業法の一部適用から全部適用に移行すると報じる。病院経営に企業的手法を導入することで効率化を徹底し、できるだけ早期の黒字化を目指すと記事は伝える。同病院は、20年度に改革プランを作成し、21年度から3年計画で黒字化に取り組んできたが、赤字経営が続いており、赤字額は21年度9800万円、22年度9600万円、23年度5500万円で、さらなる経営改善を目指すため、全部適用を決めたとの由。一部適用では同法の財務規定しか適用されず、職員採用や1千万円を超える機器購入などの権限は江里口秀次市長が持っており、職員の給与体系も市職員に準じていたが、全部適用になると、院内に専任の病院事業管理者を設け、現場に人事権や予算執行権が移り、職員給与や待遇なども独自に決めることができると記事は説く。産婦人科をはじめとした医師の確保や医師同士の連携強化、高額医療機器の稼働件数の低迷、地域病院との連携など同病院が抱える課題は多いが、同病院は「全部適用になることで、病院事業管理者を中心に組織力を強化し、さまざまな事態に迅速に対応できる体制を確立できる」としているとか。小城市は病院管理事業者の人選を進めており、早期に選任したい考えで、江里口市長は「これまでは市が後ろ盾になっている状況だったが、4月からは一つの企業のようになる。職員の意識改革を行い、民間病院以上の経営努力をしてほしい」と期待したとのこと。全部適用になると、病院事業管理者に人事権や予算権が移るほか、プロパーの事務職が増え、専門性が高まるなどメリットがあり、経営が悪化した場合、人件費を独自に削減することも可能になるとか。佐賀県内では藤津郡太良町の町立太良病院、西松浦郡有田町の伊万里有田共立病院で導入されているとのこと。