一部事務組合で経営改善した公営病院もある
朝日新聞サイト北海道ページが11月10日に掲出した「紋別病院が収益向上 」〔小林直子〕は、赤字体質を理由に昨年度、地元5市町村でつくる一部事務組合が道から経営を引き継いだ広域紋別病院(紋別市)の収益が増えていると報じる。道立だった22年度に比べ、23年度の患者数が入院、外来ともに5千人ずつ増加し、診療科の新設や医師の確保の効果が出たかたちとなったと記事は伝える。8日の道議会決算特別委員会で、高橋亨氏(民主)の質問に道側が答えたもので、道立だった紋別病院は昨年4月、道の支援を条件に、紋別市や興部町など5市町村でつくる一部事務組合「広域紋別病院企業団」に経営を移管し、経営改善策として、医師の報酬を前年度の5割増しにして人材を集めやすくしたほか、風邪や腹痛の患者も気軽にかかれる「総合診療科」を新設したとのこと。今年10月現在、医師の数は経営移管前より3人増の14人、看護師は8人増の70人となり、診療態勢が充実し、23年度決算でみると、入院患者は1万9748人と5551人増え、外来患者も6万9670人と5189人の増加となっていて、入院・外来患者による収益は12億9500万円となり、前年度より3億2200万円増えたとの由。病院担当者は、総合診療科の新設やスタッフの充実の効果により、「結果として病院が住民にとってかかりやすく身近な存在になったことが、収益アップにつながった」と分析しているとか。一方、病院の23年度の赤字額は前年度より約2億円減ったものの、8億4900万円で、22~26年度までは、道が分割で支払う補助金収入(総額98億円)が入るため、23年度の赤字はこの補助金で穴埋めするかたちとなっており、27年度以降の対策として、病院は補助金の一部を基金として積み立てながら、赤字対策の検討を進めているとのこと。道内全域でみると、道立病院事業の昨年度決算の単年度赤字額は26億円で、一般会計からの繰入金を除くと赤字額は86億円、累積赤字は計710億円までふくれあがっているとか。道立7病院については、一部事務組合への移管や独立行政法人化など経営形態の見直しを検討中だが、赤字体質の病院を引き受ける地元自治体の理解も必要であり、紋別病院の経営移管の際、道は同病院の累積赤字100億円を引き受けるかたちをとったため、他の7道立病院の累積赤字まで引き受けることは難しい状況とか。道の道立病院室の担当者は、紋別病院の取り組みについて「様々な努力で赤字額が減っている成功事例」と評価しながらも、「他の病院での適用は簡単ではない。ただ、経営難で医師が減れば患者も来なくなり、収益も減る悪循環となる」と話しているとか。