雇用・能力開発機構の解体が進んでいない | 公会計の動向

雇用・能力開発機構の解体が進んでいない

 神戸新聞ニュースが7月22日に掲出した「地方への移管実績ゼロ 雇用・能力開発機構の訓練施設 」〔小川 晶〕は、国の改革で昨年10月に廃止された独立行政法人「雇用・能力開発機構」の施設で、都道府県への業務引き継ぎの道筋が示された全国86カ所の職業訓練施設の移管が全く進んでいないと報じる。同機構は「無駄遣い」の象徴としてやり玉に挙がり、歴代内閣が「地方や民間への移管を」と主張したが、現状は別の独立行政法人による運営という“看板”の付け替えにとどまり、今後の見通しも極めて不透明と記事は説く。兵庫県内の移管対象施設は3カ所で、離職者への技術指導などをする「職業能力開発促進センター」(ポリテクセンター)が尼崎市と加古川市、専門知識や高度な技術を学ぶ「職業能力開発短期大学校」(ポリテクカレッジ)が神戸市中央区にあるが、尼崎市のポリテクセンター兵庫では、嘱託を含む約85人の職員や施設、設備は、同機構からほぼそのまま、現在運営する独立行政法人「高齢・障害・求職者雇用支援機構」に移されており、カリキュラムも変わっておらず、年約3千人に上る訓練生への影響も出ていないとか。職員らは「何の変化もなく職員の不安だけが大きくなった」と漏らしているとのこと。雇用・能力開発機構に関しては、「聖域なき構造改革」を掲げた小泉内閣の16年に独立行政法人へ移行し、20年の麻生内閣では同機構の廃止を閣議決定しており、民主党中心の政権に交代してからも、鳩山内閣は事業仕分けの俎上に載せ、地方や民間への移管をさらに進めることを求め、菅内閣は同機構の廃止法案を可決させたとか。ただ、こうした政府方針に対し、同機構や業務を引き継いだ「高齢‐機構」を所管する厚生労働省は反対し、国による運営を主張し続けており、同省は昨年6月、ようやく移管に向けた具体的な条件を提示し、受け入れに前向きな自治体もあったものの、移管に伴う国からの補助の上限が2年との内容に、「恒久的な国の補助を」との都道府県側のニーズと大きな隔たりが生じていて、移管が進まないのが現状とか。兵庫県の担当者も「新たな財政負担を負う余裕はなく、受け入れられない」との姿勢で、一方、同省職業能力開発局は「移管条件については、予算上の問題もあり、当面は緩和する方針はない」としているとか。