関西での地方公社廃止状況 | 公会計の動向

関西での地方公社廃止状況

 日経電子版が5月23日に掲出した「役割終えた住宅公社見直し 滋賀・奈良県、解散準備 」は、近畿の自治体が住宅供給公社の事業の抜本的な見直しを急いでおり、神戸市住宅供給公社が22日に民事再生法を申請したが、滋賀県や奈良県も住宅供給公社の解散を準備していると報じる。和歌山県など他の自治体の公社も統合や事業縮小を検討中であり、自治体財政の改善を狙い住宅以外の公社の破綻処理も進めるところも目立っていると記事は伝える。滋賀県は住宅供給公社を24年度末に解散することにしており、県営住宅の管理委託は23年度末に民間に業務を移管していて、分譲事業は廃止し、賃貸管理は民間に移して業務を終えるとのこと。奈良県も昨年まとめた「新行政経営プログラム」で25年度末までに住宅供給公社を解散する方針を示しているとか。滋賀県、奈良県ともに「民間の住宅供給が充実し、事業継続の必要性が薄れた」(奈良県住宅課)ことが理由で、人口が増加傾向にある滋賀県では住宅供給が盛んで、住宅供給戸数は全地域で需要を上回るが、「住宅不足地域に良質な住宅を供給する公社の役割は終わった。今後は民間で十分対応できる」(嘉田由紀子知事)と判断したとの由。奈良県の住宅供給公社は開発済みの宅地分譲をほぼ終えており、現在は資産超過の状態とか。和歌山県も同県住宅供給公社の廃止を含めた組織のあり方の検討を始めており、22年度決算で3億6000万円弱の累積欠損金を計上していて、すでに新規の宅地整備・販売から撤退しているが、23年度末に16区画あった未売分を25年度末をメドにすべて売却するとのこと。京都府と京都市の住宅供給公社は業務効率化に向けそれぞれ他の公社との統合を進めており、京都府の公社は16年、府の土地開発公社と道路公社の総務部門を統合済みとか。京都市の公社も18年に市住宅サービス公社、21年に洛西ニュータウン管理公社を統合しており、分譲住宅事業は17年に休止しているとのこと。大阪府と大阪市は住宅供給公社の統合を検討しており、大阪府市統合本部で6月に方針をまとめるとか。府の公社は分譲事業から撤退して19年度から黒字転換しており、民間の土地所有者が建てた建物を公社が借り上げ入居者に貸す特定優良賃貸住宅(特優賃)は32年度に撤退するとのこと。大阪市の公社は23年度の経常損益が2億1000万円の赤字に転落する見込みであり、24年度から第3次経営改善プログラムを実行し、管理戸数は増やさず建て替えを進め、28年度に経常ベースで単年度黒字転換をめざすとのこと。堺市住宅供給公社も事業を大幅に縮小していて12年度末で住宅分譲事業を休止して、特優賃や駐車場管理事業に特化したとのこと。住宅供給公社は各都道府県と主な政令指定都市にあったが、住宅需要が減ったことなどから20年度以降に11公社が解散していて、近畿2府4県4政令市の公社のうち神戸の公社が初めて破綻したとのこと。住宅供給公社の解散や廃止に向け、自治体は21年度以降、第三セクター等改革推進債(三セク債)を発行し、債務を肩代わりできるようになっていて、関西の自治体でも住宅供給公社のほか土地開発公社や道路公社を処理するため発行例が相次いでいて、大阪府は23年度にりんくうタウンなどの宅地造成事業に充ててきた地域整備事業会計を廃止しており、大阪市は22年度に土地開発公社を解散しているとか。