少額随契を情報公開対象ではないとする報道あり
23年8月24日にiJAMPが配信した「少額随意契約額、最大559億円=府省庁別の10年度実績を推計―政府」によると、政府は、情報公開対象とならない少額随意契約について、22年度の全府省庁(内閣官房、内閣法制局、人事院、公正取引委員会、会計検査院含む)の推計額を民主党行政刷新プロジェクトチーム(座長・長妻昭前厚生労働相)に報告したという。まあ、「情報公開対象とならない」というのは誤りだとして、それによると、最も少額随意契約額が多かったのは国土交通省の559億199万円で、契約件数は44万4685件、最も少なかったのは防衛省の3566万円で、契約件数は196件だったとのこと。政府は、各府省庁別に契約行為に伴う全ての支出情報データを会計システム「ADAMS2」で管理しており、現在、情報開示の対象となるのは、物品購入は160万円、製造・工事は250万円、物件の借り入れは80万円、役務の提供は100万円をそれぞれ超える契約に限定されていて、年間の支出情報合計約2841万件(22年度実績)に対し、公開件数はわずか約17万件(09年度実績)にすぎないとか。このため、調達契約の透明化を掲げる同チームは、公開対象にならない少額契約情報のうち、特に競争原理が働きにくい随意契約の規模を明らかにするよう政府に要請してきたが、各府省庁はADAMS2に入力されている22年度のデータの中から、物品購入なら「160万円以下」と条件設定して検索し、機械的にデータを抽出し、抽出された契約情報から競争入札などの案件を外すことで、おおよその少額随意契約額を推計したという。国交省に次いで契約額が多かったのは、財務省の216億円(契約件数22件)、以下、厚労省156億3409万円(同12万5138件)、法務省145億3921万円(同61万4026件)の順で、財務省の場合、同省所管の全契約支出額に占める少額随意契約額の割合は12.6%になるとのこと。金額帯別に見ると、100億円超は、国交省、財務省、厚労省、法務省の4省であり、10億円超100億円未満は、内閣府、総務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、環境省の6府省で、1億円超10億円未満は、内閣官房、人事院、宮内庁、公正取引委員会、警察庁、金融庁、消費者庁、外務省の8省庁・機関、1億円未満は、内閣法制局、防衛省、会計検査院の3省・機関という。同チームは今回の推計結果を参考にしながら、ADAMS2に入力されている支出情報について、個人名や個人情報を除く全データの原則公開を目指し、政府へ働き掛ける方針と記事は伝えるが、前提が間違っているから、その評価は困難だ。この他、政府は同チームに対し、23年度から試行することが決まっている、取引先が最安値を競い合う「競り下げ方式」の入札実施状況を報告しており、それによると、文科省が「事務用機器一式」契約で行った競り下げ入札には3者が参加し、入札開始価格57万5000円に対し、最終落札価格は57万円となり、開始価格からの削減率は0.87%にとどまったとか。一方、国交省の「年末年始の輸送等に関する安全総点検に係る啓発ポスターの作成および梱包(こんぽう)発送」契約での競り下げ入札には13者が参加し、入札開始価格36万3000円に対し、最終落札価格は半額以下の15万5000円で、削減率は57.3%となったという。
契約の競争による利益は1割から2割程度。競争の手間とのバランスから随意契約を認めるのが少額随契。集計手間ももったいないから集計していないだけ。抽出推計することに何の意味があるのかは疑問。