東京都が両国シティコアの信託期間を延長
iJAMPが2月27日に掲出した「失敗した土地信託で異例の契約延長=東京都」は、東京都が、土地の運用を信託銀行に委託して配当を得る土地信託事業として実施している「両国シティコア」(墨田区)の土地信託について、契約を5年間延長することで受託者の住友信託銀行など3行と合意したと報じる。両国シティコアは、テナント収入で返済する予定だったビル建設時の借入金が30億円残っているが、契約延長により受託者側に借入金の返済を続けてもらうことで、これを13億円まで圧縮するとのこと。借入金が残る「失敗」土地信託で契約が延長されるのは異例と記事は伝える。多額の負債が残った公有地信託をめぐっては、兵庫県が受託者の住友信託銀行などと責任の所在を争った「兵庫県土地信託」訴訟で、23年11月に県側全面敗訴の判決が最高裁で確定しており、このため、都の場合も単純に契約を解消すると、負債の全額負担を強いられる懸念があったが、最悪の事態は何とか回避した形と記事は評する。両国シティコアは、JR両国駅近くの都有地に建つ地上18階、地下2階のオフィスや賃貸住宅などが入る複合ビルで、元年に都と土地信託契約を結んだ住友信託銀行などが147億円の借金をして建て、テナントを運営しているとの由。計画ではテナント収入により建設費用を賄い、信託配当を都に支払う予定だったが、バブル崩壊でテナント収入が大きく落ち込んだことなどから借入金返済が進まず、7月下旬の契約満了時に、土地・建物とともに30億円の債務も都に引き継がれる見通しとなったとか。そこで都は、22年春ごろから1年以上かけて受託者側と債務圧縮について交渉し、その結果、オフィス部分の土地信託を5年間延長し、テナント収入から17億円を返済することで受託者側との交渉がまとまったとのこと。住宅部分と残りの借入金13億円は、いったん一般会計で引き継ぐが、住宅部分の時価評価の13億5000万円で、都営住宅等事業会計に売却し借入金を返済するとのこと。都財務局の担当者は「胸を張れる結果ではないが、これしかないという解決法を練った」と説明しており、一方、筆頭受託者として、兵庫県土地信託訴訟で県側と対決したのとは大きく異なる対応を取る住友信託銀行は、今回の契約延長について、「個別の取引に関することは答えられない」(広報室)としているとか。