まだ埋蔵金幻想がはびこっている | 公会計の動向

まだ埋蔵金幻想がはびこっている

 日経電子版が4月25日に掲出した「財務相、外為特会の財源転用も否定 「粉飾的と批判受ける」 」は、野田佳彦財務相が25日午前の参院決算委員会で、東日本大震災の復興財源に、為替相場の安定を目的に設置されている外国為替資金特別会計の積立金を転用すべきだとの主張に対し、「内外から『一般会計の赤字国債隠し』『粉飾的会計操作』との批判を招きかねない」と否定的な見解を示したと報じる。理由として、足元の円高を勘案すると外為特会は実質15兆円の債務超過と説明し、「積立金を取り崩せばさらに債務超過額が膨らむ」と述べ、あわせて、(1)積立金は財政投融資特会に預託されており、その取り崩しは財投債の発行と同じこと、(2)政府短期証券という『資金繰り証券』で調達した資金を一般会計の財源に使うことは財政制度の根幹に抵触しかねない、と指摘したと記事は伝える。


 まったくそのとおり。


 日経電子版が4月23日に掲出した「みんなの党、15兆円の「埋蔵金」活用提言 補正財源」は、みんなの党が政府の第1次補正予算案の財源として、国債の発行や償還などを管理する特別会計の剰余金や雇用保険の積立金で合計15兆円を捻出できるとする提言をまとめたと報じる。東日本大震災の被災地の復興に必要な財源の大半を「埋蔵金」で賄えると説明しており、国債整理基金特別会計には約10兆円が残っており、補正の財源に転用すべきだと指摘したとか。失業手当などの原資となる労働保険特別会計には「埋蔵金が6兆5000億円あり、そのうちの5兆円を震災復興に回すべきだ」と主張しているとも。これに関連して日経電子版が4月25日に掲出した「財務相、復興財源への国債特会の資金転用に否定的 参院決算委」は、野田佳彦財務相が25日午前の参院決算委員会で、みんなの党が国債整理基金特別会計の資金を東日本大震災の復興財源に転用すべきだと主張していることについて「国債償還のためのお金だ。安易に使ってしまうと将来の世代へのつけ回しになる。財政規律を守っている国と見られるか。マーケットはどう反応するか」などと述べ、否定的な見解を示したと報じる。みんなの党が転用を主張する労働保険特別会計の積立金についても、失業保険の給付や労災の遺族の年金給付のための資金と指摘し、そのうえで「特会を見直すべきだという姿勢は分かるが、慎重な検討が必要だ」とくぎを刺したとも。


 がんばれ、財務省。