公知の裏金を隠蔽したことで懲戒免職は駄目と地裁
朝日が2月24日に掲出した「岐阜県裏金訴訟 地裁、元局長の懲戒免職取り消し 」〔田嶋慶彦、逸見那由子〕は、岐阜県の裏金問題で懲戒免職処分を受けた元県岐阜振興局長(63)が、処分の取り消しと受け取れなかった退職金など計約9110万円の支払いを求めた訴訟の判決が24日i岐阜地裁であり、裁判長が「県が懲戒免職の理由とした『裏金の隠蔽』を積極的に意図していたとは認められず、処分は社会通念上、著しく妥当性を欠く」と述べ、処分を取り消し、約5880万円の支払いを県に命じたと報じる。元局長は11年に知事公室次長としてほかの上司らとともに、県の裏金を職員組合の口座に集めるよう伝達し、17年度までに約2億7千万円が集まっていて、18年9月、「こうした行為が隠蔽工作にあたる」として、懲戒免職になったとか。裁判では、元局長が裏金の存在を知っていて隠蔽しようとしたかが争われ、判決は、同県の裏金づくりが相当昔から行われ、その存在は公知の事実だったと指摘し、元局長が裏金の存在を知らなかったとは考えられないとした上で、県が裏金を公表して是正すべきだったのに、梶原拓前知事らが過去を含めて裏金は存在しないという方針をとったと指摘し、宙に浮いた裏金の処理に困り、元局長が上司に命じられ、裏金を職員組合に集約するよう各課に伝達したことについて、「前知事の方針に反する行動をとることは著しく困難だった。機械的、従属的で、やむを得ない選択だった」としたとのこと。さらに、裏金が各課ですでに隠されていた状態にあり、長屋さんの行為について、「隠蔽の効果は限定的だった。裏金を保管する者の精神的負担を軽くし、私的な消費など不当に使うことを防ぐ目的があった」と判示し、裏金を隠す確たる意図はなかったとし、また、県庁の裏金問題そのものについても言及し、「梶原前知事らが現存していた裏金まで否定したことは実に遺憾。他県でも問題となった95年ごろに公表する必要があったというべきで、06年まで尾を引き、その間に不当な消費を生じさせた原因は前知事らの方針にあったと考えざるを得ない」と述べたとの由。元局長は処分を受けた後、ほかの処分者7人とともに、県人事委員会に不服申し立てをしたが、人事委は21年11月、うち6人の減給処分などを取り消す裁決をしたものの、元局長ら懲戒免職の2人の申し立ては退けたため、元局長が同年12月に提訴したとのこと。