毎日が下水道事業について調査報道 | 公会計の動向

毎日が下水道事業について調査報道

 毎日jpが10月20日に掲出した「下水道事業:企業債残高31兆円 過剰投資が重荷に 」〔石原聖〕は、全国の市町村などの下水道事業で発行された企業債(地方債)の残高が、21年度末で旧国鉄の債務に匹敵する約31兆円に達していることが総務省のまとめで分かったと報じる。詳細なデータが公表されている20年度分を毎日新聞が集計すると、原則通りに経費を住民の使用料だけで賄えている市町村は1割しかなく、バブル経済崩壊後の景気対策として急速に整備を進めたものの、今後は計画時の予想より料金収入が伸び悩んだまま人口減社会へ向かうため、自治体財政のアキレスけんとなりそうと記事は評する。下水道事業は公立病院、市バスなどと同様の地方公営企業で、それぞれ特別会計が組まれており、総務省がまとめた地方公営企業決算概要によると、全国で3633事業あって、地方公営企業の中で最大の事業となっており、21年度の企業債発行額は1兆6724億円、新設・改修などの建設投資額が1兆8988億円と、いずれも全地方公営企業の半分を占めるとのこと。企業債残高も31兆2656億円で、全地方公営企業の残高総額54兆9824億円の57%に達しており、21年度の単年度収支は1176億円の黒字だが、料金収入1兆4635億円を超える1兆8623億円を一般会計から繰り入れることで黒字化しているとの由。さらに、20年度分のデータを基に、全市町村の7割にあたる1178市町村が都市部で実施する下水道事業について、経費(元利償還と維持管理費)のうち使用料で賄えている割合を見ると、100%超はわずか1割で、逆に2割は、元利償還を除いた日々の汚水処理費も賄えていなかったとか。国土交通省と総務省は市町村に対し、将来世代にツケを回さないための経営改善計画の策定を要請しており、人口減を踏まえた建設計画の縮小や、使用料の適正化などを促していて、各地で値上げが相次いでいるが、経営改善計画の策定率は65%にとどまっているとか。国交省は「下水道は処理場建設など初期投資が多額で、長期間かけて使用料で回収するが、相当期間経営しても経費回収率が低い自治体が多いのは事実」と説明しているとか。