高速道路会社の子会社への再就職を疑問視する報道 | 公会計の動向

高速道路会社の子会社への再就職を疑問視する報道

 朝日が10月4日に掲出した「高速3社からの天下り125人 子会社役員の4割 」〔歌野清一郎〕は、2005年に旧日本道路公団を民営化して設立された東日本、中日本、西日本の高速道路3社が、退職者125人を子会社・関連会社の役員に「天下り」させていることが、朝日新聞の調べでわかったと報じる。天下りへの厳しい批判で05年度の旧公団出身のファミリー企業役員はいったん107人まで減ったが、民営化後、子会社・関連会社では増えていたとのこと。朝日新聞の調べでは、高速3社はこの5年間で子会社・関連会社に計339の役員ポストを用意しており、今年7月時点では、その4割近い125人を旧公団と高速3社の退職者が占め、3社からの現役出向は157人、役員総数の8割が旧公団と高速3社の出身者で、子会社・関連会社出身の役員は57人にとどまっているとか。旧公団は、道路管理などの業務をファミリー企業74社に随意契約で競争なしに受注させてきており、こうした中で旧公団からファミリー企業への天下りは頻繁に行われ、例えば01年度は324人を数えたとか。政府は旧公団にファミリー企業への天下り自粛を要請し、民営化の前後で減少しているが、一方、高速3社はこの5年でファミリー企業の統廃合を進めて新たに子会社・関連会社を計58社設立していて、05年度で107人まで減っていた旧公団退職者の役員は、再び増加に転じているとのこと。こうした状況について、高速3社は「民間のグループ経営では、親会社の退職者が子会社役員になるのは一般的なこと。個人の知識や経験などを考慮した上で、今後も登用していく」としているとか。記事は、高速3社の株は今も政府が100%保有し、「休日上限1千円」値下げや一部区間の無料化には多額の税金が投入されていて、本来は料金値下げに振り向けられるはずの高速料金収入が、今も退職者の天下りの給与に使われていることになるとしているが、高速道路3社が民営化を前提としていることを忘却した議論。記事は、旧公団をめぐっては、ファミリー企業がため込んだ約1千億円に及ぶ剰余金も問題視され、民営化当時の自公政権下で、退職金支払い分などを除いた約200億円を高速3社が回収して利用者に還元することになっているが、現時点の回収額は150億円で、利用者に還元された実績は34億円にとどまるとしている。高速3社などでつくる「高速道路関連社会貢献協議会」によると、一部のファミリー企業からの回収が滞っているとか。利用者への還元方法についても、トイレ整備などは高速3社の本来の事業と重なって難航しており、大学への研究助成やAED(自動体外式除細動器)設置なども手がけてはいるが、総額で毎年4億~16億円規模にとどまっているとか。


 「天下り」が問題なのは、「天下り」先を確保するために不要な委託を行わせているのではないか、との疑念を抱かせるためであり、その検証を抜きにして外見の類似性だけで記事にするというのは少し強引。