国が管理している空港の損益
朝日は7月31日に「羽田・那覇…国管理22空港が赤字 黒字は4空港のみ 」〔山本精作〕を掲出。
記事は、国が管理する全国26空港について、税金投入を除いた営業損益では約8割の22空港が赤字に陥っていることが国土交通省の調べで分かったと報じる。同省がすべての空港別の収支を集計したのは初めてとか。ほとんどの空港が独立採算ではやっていけない実態が浮き彫りになったと記事は評する。国が管理する空港の収支は社会資本整備事業特別会計で一括管理していて、空港ごとの実質の収支が不透明との指摘があり、このため政府は「骨太の方針08」で透明性の高い空港別収支をつくる方針を示していたとの由。国交省は、企業会計に近い手法で収支を試算し、一般財源や航空機燃料税、自治体の負担金を投入する前の営業損益ベース(18年度)で22空港が赤字となったとか。営業赤字が大きいのは福岡の67億円、那覇の54億円、新潟の23億円、羽田の20億円で、福岡と那覇は空港用地の賃借料が響いており、新潟は2本ある滑走路など資産の減価償却費がかさんで、着陸料等収入の4倍の営業赤字となったとのこと。羽田は滑走路拡張工事に伴う整備費負担などがのしかかっており、新千歳を除く北海道の空港や、福岡に近い北九州空港も赤字額が目立ったと記事は評する。営業黒字は大阪(伊丹)の43億円、新千歳の16億円、鹿児島の2億円、熊本の2億円弱だけで、税財源を収入に含む経常損益だと営業赤字22空港のうち10空港が黒字に転じるとのこと。株式会社が管理する成田、関西、中部の3空港は今回の試算の対象外で、国交省は、自治体が管理する69空港についても同様の手法で収支を試算し、開示するよう自治体に要請するとのこと。国管理より人口の少ない地域に多く、赤字空港はさらに増えそうと記事は伝える。地方空港は増え続けているが、国内線利用客数は伸び悩んでおり、航空会社が不採算路線から撤退する動きも相次いでいてるが、これまでは空港の必要性を議論するための前提となる収支すら明らかになっておらず、今回、空港ごとの税金への依存度が判明したことで、「野放図」との指摘もある空港整備のあり方をめぐる議論が深まりそうと記事は伝える。
記事は、調査結果を31日に公表するとしているが、31日に開催される第2回交通政策審議会航空分科会空港別収支部会 で議事とされている「空港別収支の試算結果について」なのだろう。ちなみに、空港整備特別会計の19年度財務書類がここ にある。