公社に対する年度越し短期貸付が未だ横行している | 公会計の動向

公社に対する年度越し短期貸付が未だ横行している

 日経が2月15日に掲出した「岡山県・北海道「赤字隠し」 貸付金処理で不適正会計 」は、岡山県と北海道が、住宅供給公社などに対する貸付金を適正に会計処理せず、19年度に赤字決算を免れていたことが日本経済新聞の調査でわかったと報じる。実際には年度内の返済がなかった短期貸付金を、返済があったように装っていたもので、類似の会計処理は財政破綻した北海道夕張市も繰り返していた経緯があり、総務省はこうした処理を問題視していて、改めるよう要請してきたものの、岡山県と北海道は従っていないと記事は伝える。岡山県は19年4月、年度内の返済が見込めないにもかかわらず、「おかやまの森整備公社」と「岡山県住宅供給公社」に計751億円の短期貸し付けを実施しており、翌年4月に20年度予算から新たな貸し付けをし、それで前年度分を返済させていたとの由。新たな貸し付けで返済を受けた分は、19年度の歳入として計上していたとか。


 公社は4月借り入れを前年度の出納整理期間中の歳入に上げて県への返済を現年度の歳出とし、県は4月の償還受け入れを前年度の出納整理期間中の歳入として計上して貸付を現年度の歳出としていたということか。


 そして、朝日サイト北海道ページに2月16日に掲出された「道貸付金に、総務省「処理不適切」 」は、道住宅供給公社に対する道の19年度の貸付金について、総務省が「会計処理が不適切で見直しが必要」と道に指摘したとして、道は同公社に毎年度当初に281億円を貸し出して1年後に返済を受ける「短期貸し付け」を繰り返しているが、これが実質的には貸し付けたままの「長期貸し付けに当たる」と解説する。長期貸し付けとなると、道は新たな財源を確保する必要があると記事は伝える。道財政課によると、貸し付けの枠組みは16年、公社の債務処理問題の際に裁判所の特定調停を経て定められたもので、これを受けて道は16年度に特別会計を設け、62年度までの計画で続けているとのこと。19年度も281億円を貸し出しており、20年度の4~5月に返済を受けると19年度の歳入となる会計制度〔出納整理期間のことだな〕を使い、19年度に返済を受けたことにしたとのこと。しかし、同課によると、短期貸し付けは19年度に施行された自治体財政健全化法の指標に反映されないため、自治体の財務の実態を把握できないこともあって指摘を受けた模様で、同課は「従来の枠組みでやっているだけだが、対応を考える」としているとか。