社保庁が報告義務を怠る | 公会計の動向

社保庁が報告義務を怠る

 毎日は9月12日に「<年金着服>検査院、社保庁調査へ 判明50件報告義務怠る」〔野倉恵〕を配信。

 記事は、社会保険庁職員による年金保険料などの着服・不正受給問題で、会計検査院が、社保庁が会計検査院法に基づく検査院への報告を怠っていた疑いが強く、国の損害の全容を解明する必要があるとして不正が判明している50件の調査を始めたと報じる。検査院が毎年公表している検査報告には、社保庁が不正を積極的に公表するようになった10年度までは着服や不正受給の記載はほとんどなく、検査院は、補てんされていない損害があれば社保庁に返還を求める方針と記事は伝える。会計検査院法は、会計にかかわる犯罪が発覚したり、現金や有価証券など財産がなくなったことが分かった場合、官庁の責任者に検査院への報告を義務づけており、実際、郵政職員は1960年代半ばからほぼ毎年、数十万~数百万円の横領が検査報告で指摘されているとのこと。社保庁職員の着服や不正受給については、昭和37年9月~39年8月に宮城県保険課駐在員が船員保険料339万円を着服したケースが報告書で指摘されているが、それ以前の2件の不正と、それ以降平成9年2~11月に札幌西社保事務所の業務次長が健康保険給付金約845万円を不正受給したケースまでの21件について検査報告での指摘はなかったとか。検査報告書で指摘されていない期間の計23件について、社保庁は懲戒免職18件、停職3件、依願退職2件の処分を行っており、このことは社保庁が当時から組織として不正の実態を把握していたことを裏付けるものと記事は伝える。各職員に対する懲戒処分を含めた人事記録は各省庁に永年保存が義務づけられており、現在も調査は可能で、検査院第2局は「報告漏れの可能性がある。重大行為として処分しながら検査院への報告をしないのは大変遺憾」と話しているとか。社保庁の調査では、年金保険料などの着服・不正受給は、社保庁が昭和37年に設置されて以降、50件1億6849万円に上り、44件で懲戒処分をしているとのこと。