公益法人が退職者の年金開始年齢までヤミ給与 | 公会計の動向

公益法人が退職者の年金開始年齢までヤミ給与

 朝日は6月2日に「貨物検数協会、退職者にヤミ給与 1億円所得隠しと指摘」を掲出。

 記事は、輸出入の際に貨物の数量などをチェックしている国土交通省所管の公益法人「日本貨物検数協会」(東京都中央区)が東京国税局の税務調査を受け、06年3月期までの5年間で約1億1千万円の所得隠しを指摘されていたと報じる。このうち約9000万円は、協力会社への業務委託に見せかけて退職した職員に利益提供していたことから、実質的な「ヤミ給与」だったとみられるとのこと。経理ミスも含めた申告漏れ総額は約3億数千万円で、追徴税額は重加算税を含めて約8000万円とみられ、協会側はすでに修正申告しているとか。関係者によると、協会は東京、神戸、名古屋など複数の協力会社に対して、「社内報の編集」などの名目で業務を委託していたが、国税局の調べでは、業務実態がなかったことが判明し、さらに協力会社は協会OBを再雇用した形を取って月10万~20万円程度を給与として支払っていたが、勤務実態はなかったとのこと。このため国税局は、協会が協力会社への経費支払いを装い、OBに利益提供していたと判断し、税法上、見返りのない資金提供にあたる「寄付金」と認定したとみられると記事は伝える。協会関係者によると、5年間に「ヤミ給与」を受け取っていたOBは36人で、雇用延長される役員になれずに60歳で退職したOBに対し、年金が支給されるまで数年間の生活を支援するために払われていたとの由。当初は幹部まで務めあげた慰労の意味もあり、こうした慣習は少なくとも20年ほど前から続いていたとか。国税局はこのほか、マレーシアとシンガポールの関連法人に支払ったコンサルタント料計約2000万円にも実態がなかったと指摘しており、協会が貸し付けた資金の返済が滞っていたことから、同様に寄付金と認定した模様とのこと。同協会は1942年に設立されていて、従業員数は06年4月現在で約1660人、同年3月期の事業収入は約195億円とか。