国立大学の授業料に横並びは問題と財務省 | 公会計の動向

国立大学の授業料に横並びは問題と財務省

 産経Webは5月26日に「国立大の学費、理系を高く文系安く 財務省が格差検討」を掲出。

 記事は、全国の国立大学で一律になっている授業料や入学金について、財務省が、大学や学部の独自の教育内容や経費に応じて、格差を付けられるようにする方向で検討に入ったと報じる。現行制度では「標準額」から最大20%増を上限に各大学が設定する仕組みだが、横並び意識が強く大半は標準額と同額に設定しているとか。設備にコストがかかる医歯系や理系の学部は、これまでより高くする一方、文系を安くするなど学費設定に経営判断と競争原理が働くようにし、従来の体系を抜本的に見直すと記事は伝える。政府が取り組む大学・大学院改革の一環で、授業料の値上げによる学生の負担増を緩和するため、奨学金制度の拡充を併せて検討するとのこと。財政制度等審議会(財務相の諮問機関)が6月上旬にまとめる建議に、授業料見直しの提案が盛り込まれる見込みで、国立大学法人の現行の中期計画が終わる平成21年度に向け、具体的に議論される見込みとか。ただ授業料に格差を付けることには、教育界から「高等教育の機会均等」を損なうなどとして、反発が出そうと記事は評し、経営基盤が弱い地方の国立大学は、受験生確保のための授業料引き下げか、財務体質強化のための値上げかという難しい判断を迫られることも予想され、文部科学省や大学側との調整は難航必至とか。国立大の授業料や入学金は、設定の目安となる「標準額」を文部科学省と財務省が折衝して決めており、財務省は大学が持つ「教育」と「研究」の機能を区別し、授業料は教育機能を賄う財源として位置付けを明確にするとのこと。各大学に教育費用に見合った授業料の設定を求めることで、コスト意識を高める狙いがあるとか。現行の授業料は、全国87の国立大学のうち標準額(年額53万5800円)より低くしているのは北海道教育大、北見工業大、千葉大、東大、三重大の各大学院と、佐賀大(学部と大学院)だけで、東北大と東京農工大は一部の大学院研究科に限って高くしているとか。