農地集約を急ぐ農水省 | 公会計の動向

農地集約を急ぐ農水省

 3月22日付け日本経済新聞朝刊1面に「農地集約に公的資金、利用権、「再生機構」が売買―政府検討、08年度」の記事。
 記事は、政府が農業の生産性を高めるため、公的資金を使い農地を集約する制度を創設する検討に入ったと報じる。全国の市町村に設置する公的機関「農業再生機構」(仮称)が耕作放棄地(遊休農地)などの利用権を買い取り、株式会社など新たな農業の担い手にまとめて売却する仕組みをつくるもので、20年度から一部地域で導入する方針とか。農林水産省が夏までに制度設計し、20年度予算の概算要求に盛り込むこととし、財務省も経費の計上に前向きで、初年度はまず数億円規模で利用権を取得する公算が大きいとか。新制度は農村を中心とした全国の市町村に、国と自治体が共同出資する「農業再生機構」を設置し、地域の事情に精通した農業関係者らの専門家を機構に入れ、売買の仲介役とするとのこと。機構は国の資金を元手に、複数の農家が持つ遊休農地、耕作地などの利用権をまとめて買い取り、利用権は要望に応じて別の農家や農業法人などに一括して売却し、営農の大規模化を進めるとのこと。長期利用を促すため「最低10年以上の農地活用」を売却の条件とし、所有権を手放すことに抵抗感がある農家も多いため、利用権を売買して農地を有効活用するとか。農水省によると、北海道を除く地域の平均農業経営面積は1.3ヘクタールと米国の百分の一以下で、大規模農家でも飛び地が多いのが実情で、効率が悪く、企業が農業に参入する場合でも、大規模耕作に適した場所を探し出すのは難しいとされるとのこと。現在、農地を集約する仕組みとしては、市町村や農業協同組合が主体となってつくる「農地保有合理化法人」(全国に約560法人)などがあるが、規模が小さく媒介役としては力不足で、効果を上げておらず、このため国の支援を明確にして、新しい機関に衣替えするとのこと。政府は4月から農家に一律助成するばらまき型の農業補助金を改め、一定規模以上の農家に重点配分する制度を始めることにしており、新制度で土地の流動性を高め、新型補助金を定着させる狙いもあると記事は伝える。