三セク鉄道の窮状を伝える朝日
朝日は1月15日に「国鉄継承の三セク鉄道28社、半数が開業以来赤字」を掲出。
記事は、昭和62年の分割民営化を挟む国鉄末期からJR初期にかけて、旧国鉄ローカル線を引き継いだ第三セクター鉄道のうち、現在も運行中の全国28社について、朝日新聞社が経営状況を調べたところ、半数近い13社が開業以来、経常損益で赤字を計上し続け、うち2社は赤字を補うはずの基金がゼロになっていると報じる。一方、平成18~21年度中に基金が底をつく見込みの三セクも他に5社を数え、基金枯渇が深刻なケースなど4社の路線をめぐっては存廃議論が起きているとか。各三セクの基金は、発足当時の国の「転換交付金」(路線1キロあたり3000万円)と、沿線自治体の出資が主な原資で、多くの三セクは、運用益を赤字の穴埋めなどに活用する経営安定策をとったが、利用客の減少が加速し、超低金利も続く中で17年以降、すでに3社は廃線・運行休止しているとのこと。20年前の国鉄改革で切り離された路線の多くが、苦境にあえぐ実情が浮かび上がったと記事は伝える。アンケートなどを通じて調査を実施し、全28社から回答を得たもので、開業後ずっと赤字経営と答えた13社のうち、17年度に約5000万円の経常赤字だった明知鉄道(岐阜県)は、計3億円余りにのぼった二つの基金が15年度に底をついたとか。17年度の経常赤字が約6300万円の三木鉄道(兵庫県)も、ピーク時の基金約1億2000万円が9年度でゼロになっているとのこと。両社は現在、沿線自治体からの補助や借入金でしのいでいるとか。基金が枯渇しかけている5社中、真岡(もおか)鉄道(茨城、栃木県)は17年度末残高が約5500万円、北条鉄道(兵庫県)も同810万円しかなく、ともに18年度中には残高が尽きるとしているとか。三陸鉄道(岩手県)も19年度、天竜浜名湖鉄道(静岡県)が20年度、若桜(わかさ)鉄道(鳥取県)は21年度に基金が底をつく見込みとのこと。地元で廃線が検討・議論されていると回答したのは、樽見(岐阜県)、三木、若桜の3鉄道で、いずれも利用者減などによる経営難が深刻で、若桜鉄道は「基金の枯渇問題が存廃議論の契機となった」とか。ほかに、いすみ鉄道(千葉県)は「存続、廃止など、今後のあり方について議論されている」と答えたとのこと。すでに、17年には高千穂鉄道(宮崎県)が経営を断念しており、北海道ちほく高原鉄道や、神岡鉄道(岐阜、富山県)も18年に廃止されている。三セク転換に伴い、国からは当時、各鉄道への財源支援措置があったが、バブル経済崩壊後、超低金利で自前の基金は運用益が生まれず、道路整備の進展などに伴うマイカー利用の増加、少子化による高校生ら通学客の減少なども追い打ちをかけているとのこと。各三セクは人員削減のほか、増収策にも取り組んでいるが、抜本的な対策にはなっていないのが実情と記事は伝えるが、存続に成功している例は伝えていない。