都市では10年連続で義務的経費が増加 | 公会計の動向

都市では10年連続で義務的経費が増加

 11月22日付け日本経済新聞朝刊5面の「都市財政悪化に、歯止めかからず、本社の昨年度全国調査」は、日本経済新聞社がNEEDS(日経の総合経済データバンクシステム)で全国777都市(3月末時点)の17年度の普通会計決算(速報値)を分析したところ、都市財政の悪化に歯止めが掛かっていないことがわかったと報じる。人件費や公債費など義務的経費比率が10年連続で上昇しており、大都市を中心に法人税収が伸びたものの、財政の硬直度を示す経常収支比率も2年連続で90%の大台を超えたとか。


 11月24日付け日本経済新聞朝刊17面の「特集――行政サービス余裕なく、自治体財政悪化止まらず(ニュースがわかる)」は、この日経の全国調査について、777市(3月末現在)の決算総額が、歳入で16年度比8.5%増の40兆3974億円、歳出で8.4%増の39兆4201億円と伝え、これは、旧合併特例法の17年3月末の期限切れに合わせ自治体合併が進み調査対象の市が増えたためと解説する。1市あたり歳入は2.3%増とか。対象市の数が異なるため単純比較はできないが、歳出で最も伸びたのは借金返済に充てる公債費の15.0%増で、1990年代の不況期に行った公共事業の返済負担が重くのしかかっていると評する。介護など社会保障関連の扶助費も8.1%増で伸び率は高水準となっており、人件費は7.5%増えたものの、歳出総額に占める割合はわずかずつだが5年連続で下がったとか。公債費、扶助費、人件費の義務的経費が歳出総額に占める割合は47.97%で16年度比で0.6ポイント上昇し、他の固定費と合わせ、毎年支払う経費の割合を示す「経常収支比率」は90.75%、公共事業向けの投資的経費の歳出に占める割合は15%以下(14.83%)に抑えたものの自治体財政の硬直化は着実に進んでいると記事は評する。歳入では地方税が7.3%増えており、景気拡大で法人住民税が伸び、地方税を押し上げたとか。国と地方の税財政改革(三位一体改革)の税源移譲に伴い、地方譲与税は46.4%の大幅増で、公共事業などにあてる地方債は1.5%減とのこと。総務省が今年度から導入した財政健全度をはかる新指標「実質公債費比率」(15―17年度平均)を初めて分析したところ、777市の平均は15.36%で、北海道歌志内市の40.6%が最も高く、新庄市(山形県)などが続いていて、最低は北名古屋市(愛知県)の3.9%とか。