地方自治体は既に増税モード
11月14日付け日本経済新聞朝刊3面に「地方税、独自増税広がる――個人住民税上乗せ、来年度は計19県」の記事。
記事は、地方自治体が地方税を独自に増税する動きがじわりと広がっており、目立つのは個人住民税の増税で、今年度は岩手、兵庫など8県が同税を引き上げており、来年度には富山、神奈川、和歌山の3県も追随し、15年度以降で計19県になると報じる。国から地方に配分する地方交付税の削減を受け、安定した財源を確保する狙いがあり、歳出削減が不十分なまま、今後も増税が広がる恐れもあると記事は伝える。都道府県や市町村など地方自治体には課税自主権があり、地方税法で定められた標準よりも税率や税額を独自に引き上げることができるが、個人住民税の引き上げは、高知県が15年度に主に森林保全にあてる目的で税額を上積みしたのを皮切りに、18年度までに16県が実施しており、このうち18年度の導入は8県で、前年度までの倍に増えたとか。住民が所得額に関係なく払う個人住民税の均等割(都道府県は年1000円)を300―1000円引き上げている自治体が多いが、来年度から増税する神奈川県は均等割を300円上乗せすると同時に、所得に応じて払う所得割の税率も0.025%引き上げるとのこと。高額所得者ほど税負担が重くなる所得割の引き上げは15年度以降で初めてで、納税者一人当たりの平均負担増は950円で、増税による増収額は年38億円の見込みとか。石川、福岡、山形、広島、栃木、茨城、長崎などの各県も個人向け増税を検討中とのこと。個人住民税の増税は使途を限らなくてもできるが、各自治体はいずれも使途を森林整備など環境目的に限定しており、これは「環境目的なら住民に理解が得られやすい」との思惑があるようだと記事は伝える。18年度までに個人住民税を引き上げた16県は、法人住民税も均等割額の3―10%程度を増税しており、19年度には富山、和歌山両県が同税を引き上げる予定で、法人事業税や固定資産税を増税する自治体もあるとか。自治体は地方税法で定められていない独自の新税(法定外税)を創設する権限も持っており、こうした法定外税の導入も増えていて、愛知県や沖縄県は18年度から産業廃棄物の搬入に課税する産廃税を始めているとのこと。法定外税の税収は16年度決算では全自治体の合計で516億円だったが、今後も伸びる見通しと記事は伝える。
同面の「地方税、独自増税広がる――厳しさ増す自治体財政、歳出削減が不可欠」は、地方自治体が独自の増税に動くのは財政状況が厳しさを増しているためで、今年6月、北海道夕張市が行政主導による観光産業育成などの失敗により財政破綻したが、瀬戸際の財政運営を迫られる地方自治体は少なくない状況で、これは、国税の一部を配分する地方交付税の削減という事情に加え、一般財源の4割弱を占める人件費が大きな重しになっているためと解説する。総務省が策定を指示した行財政計画「集中改革プラン」では、都道府県は22年4月までに4.3%の職員削減目標を掲げるが、来年度から森林保全の名目で個人住民税を引き上げる和歌山県は、22年4月までに行政職員を1割以上削減し、一般財源を514億円程度抑制する計画だが、これに対し増税による税収増は年約2億6千万円にとどまるとか。水源の環境保全を目的とした税を創設する神奈川県は、財務省の調査によると、17年度の職員給与が全都道府県で最も高く、新たな負担に対する住民の理解を得るには、こうした部分に改革のメスを入れる必要もありそうと記事は評する。12年4月に施行された地方分権一括法で、地方自治体の課税自主権が拡大され、地方自治体側は住民理解を得られやすい環境分野から手を着けることで、増税議論が深まることを期待するが、地域の問題を住民らが負担して解決するという新税の導入は、分権や地方の自立という観点からは評価できるものの、その大前提は徹底した歳出削減となると記事は釘を刺している。
記事は、地方自治体が地方税を独自に増税する動きがじわりと広がっており、目立つのは個人住民税の増税で、今年度は岩手、兵庫など8県が同税を引き上げており、来年度には富山、神奈川、和歌山の3県も追随し、15年度以降で計19県になると報じる。国から地方に配分する地方交付税の削減を受け、安定した財源を確保する狙いがあり、歳出削減が不十分なまま、今後も増税が広がる恐れもあると記事は伝える。都道府県や市町村など地方自治体には課税自主権があり、地方税法で定められた標準よりも税率や税額を独自に引き上げることができるが、個人住民税の引き上げは、高知県が15年度に主に森林保全にあてる目的で税額を上積みしたのを皮切りに、18年度までに16県が実施しており、このうち18年度の導入は8県で、前年度までの倍に増えたとか。住民が所得額に関係なく払う個人住民税の均等割(都道府県は年1000円)を300―1000円引き上げている自治体が多いが、来年度から増税する神奈川県は均等割を300円上乗せすると同時に、所得に応じて払う所得割の税率も0.025%引き上げるとのこと。高額所得者ほど税負担が重くなる所得割の引き上げは15年度以降で初めてで、納税者一人当たりの平均負担増は950円で、増税による増収額は年38億円の見込みとか。石川、福岡、山形、広島、栃木、茨城、長崎などの各県も個人向け増税を検討中とのこと。個人住民税の増税は使途を限らなくてもできるが、各自治体はいずれも使途を森林整備など環境目的に限定しており、これは「環境目的なら住民に理解が得られやすい」との思惑があるようだと記事は伝える。18年度までに個人住民税を引き上げた16県は、法人住民税も均等割額の3―10%程度を増税しており、19年度には富山、和歌山両県が同税を引き上げる予定で、法人事業税や固定資産税を増税する自治体もあるとか。自治体は地方税法で定められていない独自の新税(法定外税)を創設する権限も持っており、こうした法定外税の導入も増えていて、愛知県や沖縄県は18年度から産業廃棄物の搬入に課税する産廃税を始めているとのこと。法定外税の税収は16年度決算では全自治体の合計で516億円だったが、今後も伸びる見通しと記事は伝える。
同面の「地方税、独自増税広がる――厳しさ増す自治体財政、歳出削減が不可欠」は、地方自治体が独自の増税に動くのは財政状況が厳しさを増しているためで、今年6月、北海道夕張市が行政主導による観光産業育成などの失敗により財政破綻したが、瀬戸際の財政運営を迫られる地方自治体は少なくない状況で、これは、国税の一部を配分する地方交付税の削減という事情に加え、一般財源の4割弱を占める人件費が大きな重しになっているためと解説する。総務省が策定を指示した行財政計画「集中改革プラン」では、都道府県は22年4月までに4.3%の職員削減目標を掲げるが、来年度から森林保全の名目で個人住民税を引き上げる和歌山県は、22年4月までに行政職員を1割以上削減し、一般財源を514億円程度抑制する計画だが、これに対し増税による税収増は年約2億6千万円にとどまるとか。水源の環境保全を目的とした税を創設する神奈川県は、財務省の調査によると、17年度の職員給与が全都道府県で最も高く、新たな負担に対する住民の理解を得るには、こうした部分に改革のメスを入れる必要もありそうと記事は評する。12年4月に施行された地方分権一括法で、地方自治体の課税自主権が拡大され、地方自治体側は住民理解を得られやすい環境分野から手を着けることで、増税議論が深まることを期待するが、地域の問題を住民らが負担して解決するという新税の導入は、分権や地方の自立という観点からは評価できるものの、その大前提は徹底した歳出削減となると記事は釘を刺している。