自治体の不納欠損額計上の状況を総務省が初めて調査
10月17日付け日本経済新聞朝刊5面に「地方税回収不能26%増、2004年度2261億円、99年度比、市町村税は1.4倍」の記事。
記事は、地方税の滞納税額のうち地方自治体が「回収不能」と判断した不納欠損額が16年度に2261億円となり、5年前の11年度と比べ約26%増えたことが総務省の調査でわかったと報じる。自治体は税金を滞納した人には財産の差し押さえなど滞納処分を課すことができるが、(1)生活保護を受けるなど処分を課すことができない状態が3年間続く、(2)滞納者の死亡や廃業で未納が確定する、(3)法定納付期限から5年経過する、場合には回収不能とみなし、決算に損失として計上することができるが、一部自治体で不透明な決算処理が明らかになったことを受けて、総務省が初めて全国調査を実施したとのこと。16年度は都道府県が704億円、市町村が1557億円の不納欠損を計上しており、11年度と比べると、法人課税が多い都道府県分はほぼ横ばいだが、個人向けの課税が多い市町村分は1.4倍に増えたとか。回収不能と判断した理由では6年間の平均で死亡や廃業が最も多く全体の47%、時効が30%、生活保護などが23%で、市町村に限ると時効が全体の36%を占め、欠損額が膨らむ一因となっているとのこと。税収に占める回収不能額の割合は6年間の平均で0.61%と、国税の0.52%をやや上回っているとか。地方税の不納欠損を巡っては九州の一部自治体が市町村合併の前に一括計上する不透明な決算処理を行ったほか、千葉市では元県議の滞納額の不正免除が明らかになっていて、滞納者の支払い能力などの調査を十分せずに、時効前に免除を認めた例もあったとか。自治体は国税庁のような統一的な徴税組織を持たず、回収不能かどうかを判断する全国的な統一基準もないため、不納欠損額の確定は各自治体の運用に委ねられているのが実態で、国と地方の税財政改革(三位一体改革)で決まった国から地方への税源移譲が19年から本格的に始まり、自治体が徴収すべき地方税が増える状況で、総務省は課税の公平性を確保するため「徴税努力をしたうえで、回収不能かどうか決める必要がある」とみており、今後も継続的に調査を実施する方針と記事は伝える。