商工中金の法人税率について日経が旗幟を鮮明にした記事
10月12日付け日本経済新聞朝刊5面に「商工中金の法人税率、30%に上げ浮上、民営化にらむ――政府内、慎重論も」の記事。
記事は、政府内で商工組合中央金庫に適用する法人税率を引き上げる案が浮上してきたと報じる。20年10月に株式会社に転換する際に現在は22%の税率を民間企業と同じ水準である30%に上げる案で、民営化をにらんで民間金融機関との競争条件を公平にする狙いがあるとか。ただ、経営が不安定になるとして経済産業省などに慎重論が残っているとも記事は伝える。商工中金の貸出残高は9兆4千億円と地銀最大手の横浜銀行を上回る規模で、政府は6月に20年10月に株式会社化したうえで、5―7年かけて保有株を民間に売却することを決めたが、税制をどのように見直すかは詰まっていなかったとのこと。中央省庁の協議では、「株式会社になった時点で民間並み課税にするのが自然」との見方が強まっており、具体的には法人税の課税強化に踏み切る案が有力で、来年の通常国会に提出する政府系金融機関の改革法案と同時に法人税法などを改正する方向とか。公的機関を民営化した例では、成田国際空港会社なども30%の法人税率がかかっているが、民間でも協同組織金融機関の信用金庫や農業協同組合などには22%の軽減税率が適用されているため、商工中金を所管する経産省の一部には「少なくとも政府出資が残る期間は法人税の軽減が必要」との声があるとか。記事は、「ただ、公的色彩の濃い商工中金を優遇する税制を残せば民業圧迫との批判を免れず、改革の趣旨にも反することになる。」と締め括り、日経記事には珍しく旗幟を鮮明にしている。