19年度の国債発行額 | 公会計の動向

19年度の国債発行額

 10月1日付け日本経済新聞朝刊3面に「国債総発行額2年連続減、来年度、借換債が減少へ、新発30兆円枠の維持カギ」の記事。

 記事は、2007年度の国債総発行額が2年連続で前年度の水準を下回る公算が大きくなったと報じる。過去に発行した国債の償還財源とする借換債の減少が見込まれるうえ、安倍晋三首相が新規の国債発行額を今年度以下とする考えを表明したためとか。景気回復で税収増が期待できるのも要因で、借換債の縮小は数年間続く見通しで、新規発行を抑制できれば、バブル崩壊以降の国債発行の増加傾向の潮目が変わる可能性があると記事は伝える。国債には毎年度の歳入不足を補うための財源を調達する新規発行と、借換債財政投融資の資金を調達する財投債の3種類があり、18年度予算の新規発行額は前年度比13%減の29兆9千億円と5年ぶりに30兆円を下回り、借換債は108兆2千億円と4%増えたものの、財投債が13%減の27兆2千億円だったため、総額は2%減の165兆4千億円となり、当初予算ベースでは18年ぶりに前年度を下回ったとか。財務省のこれまでの試算では19年度は借換債の発行が103兆8千億円に抑えられ、新規発行については尾身幸次財務相も「30兆円以下に赤字を抑えるのは基本方針」としており、発行額を抑える方針で、財投債も増える可能性は低く、総発行額が2年連続で減少する公算が大きいとか。ただ、来年の参院選をにらみ、地方向けなどの歳出を増やすべきだとの声も自民党内では出てきており、尾身財務相も財源の大枠は維持しながらも、安倍首相が掲げる再チャレンジ支援について財政面からも柔軟に対応すると表明しており、歳出の増加圧力が強まるなかで、新規発行の抑制を実現できるかがカギとなると記事は評する。財務省は借換債の発行の縮小が21年度まで続くと試算しており、財投債も民営化を含めた政府系金融機関の改革などで規模が縮小傾向にあり、このため、景気後退や歳出の大幅な増加などがなければ総発行額の減少が基調となる可能性があるとのこと。国債の年間の発行額はバブルが崩壊した2年以降、増加傾向が鮮明になり、景気対策で90年代末からは大量発行に拍車がかかり、さらに、財投制度の変更で財投債の発行が始まり、総額は膨らんだが、小泉純一郎政権が進めた歳出の削減努力や、景気回復で税収が予想以上に伸びており、発行増加に歯止めがかかっているとのこと。ただ、新規発行を三十兆円の枠におさめても、発行を続ける限りは国債残高が積み上がる構図はかわらず、債務残高の圧縮に向けて、歳出削減や成長戦略に加え、中期的には増税も課題になるとの見方が多いとか。