国債管理を強化
7月25日付け日本経済新聞朝刊5面に「財務省、国債の需給管理強化――人気銘柄の追加発行倍増、買い入れ消却、全銘柄に」の記事。
記事は、財務省が日銀のゼロ金利政策の解除などで長期金利が急変動するのを防ぐため、国債管理政策を強化し、市場で人気の高い国債を追加発行する「流動性供給入札」を18年度に倍増する方向で検討すると報じる。国債の買い入れ消却の対象も12月から2銘柄増やし、全銘柄に拡大するとのこと。国債の需給調整を円滑にして金利上昇による国債の利払い費の増大を抑える狙いとか。流動性供給は財務省が発行した国債のうち、市場での人気が高い銘柄を過去の発行時と同じ条件で追加発行する仕組みで、今年4月に導入しており、今年度の当初計画では流動性供給は4―9月まで毎月1千億円の総額6千億円だったが、これを10月以降も継続して年度では1兆2千億円程度に増やす見込みとか。20年債のうち残存期間が12―15年の銘柄が現在は追加の対象になっているとのこと。投資家は保有する国債の種類を多様化でき、財務省も有利な条件で発行できる利点があるとか。財務省は市場関係者への調査を始めており、国債市場特別参加者会合などを開いて需要を確認したうえで、10月以降に毎月1千億円規模で追加発行する方針とか。年間の国債発行総額を維持するため、流動性供給が増えるのに伴い需要の少ない15年変動利付債などを減額する可能性もあるが、増加分については、来年度の予算向けとして前倒しで発行したり、増額分を買い入れ消却の原資にするなど減額せずに調整する方法もあるため、今後、検討するとのこと。財務省は昨年末に決めた発行計画を年度初めの4月に既に変えており、減額すれば異例の2度目の変更とか。国債の買い入れ消却の対象には15年債と物価連動債を12月から加え、これにより対象が全銘柄に拡大するとか。消却原資は財政投融資の準備金を含め約13兆円で、市場の流動性を高めて需給を調整し、金利上昇を抑えることが狙いとか。財務省が対象を追加するのは、毎月1兆2千億円の買い切りオペを実施している日銀に対象拡大を促す狙いもあり、これは、財務省の買い入れ消却と日銀のオペが共通にシステムを活用しているためで、財務省は、日銀が現在はオペの対象にしていない30年債、15年債、物価連動債を追加するように要請しているとか。日銀は今月14日に約5年ぶりにゼロ金利政策を解除し、追加の利上げについては急がない姿勢を示しているが、これまでに比べて長期金利が上昇する可能性が高まっており、金利が急に上昇すれば、新たに発行する国債の利率が上がって利払い費の増加につながるため、財務省は少しでも有利な条件での発行を増やしていく考えと記事は伝える。