川辺川農業水利事業の行方
毎日は7月15日に「<川辺川利水協議>熊本県、非ダム取水案で一本化裁定」〔山田宏太郎〕を配信。
記事は、川辺川ダム(予定地・熊本県相良村)に絡む新たな利水計画づくりのための協議が14日から15日未明まで熊本県庁であり、調整役の熊本県が、農水省が新たに示した非ダム取水案で一本化すると裁定したと報じる。これで、同ダムの建設目的から農業用水が切り離されることはほぼ確実となり、国土交通省は基本計画変更の準備に入るとのこと。ダム建設の是非を巡る議論は、治水上必要かどうかに絞られることになるが、川辺川を水源とする利水を含む地元の土地改良事業は、農業用水の最大受益地である相良村の矢上雅義村長が「事業費負担が過大すぎる。軽減策は決まっておらず、今後は事業に協力できない」と県の裁定に強く反発していて、事業離脱の可能性を示しており、事業の行方も不透明となったと記事は伝える。土地改良事業は流域6市町村の1299ヘクタールの農地が対象で、相良村は約36%にあたる470ヘクタールを抱えていて、事業費負担も6市町村の中で最大の13億円を超え、事業から離脱した場合、事業計画案決定に必要な知事と市町村長の協議ができず、事業自体が頓挫するとのこと。一方、利水訴訟原告弁護団も、新案ではダム完成時に取水口が水没するため「実現性に疑いがあり、ダム案になる恐れがある」と現時点での裁定に反対したとか。農水省は来年度の事業実施のためには今年末の予算編成から逆算して14日を計画案一本化の期限としており、九州農政局は「絞り込みができなければ来年度予算の概算要求を断念せざるを得ない」と改めて裁定を要請し、県はダム取水案、堰(せき)取水案、チッソの川辺川第2発電所(相良村)の発電用水を利水に転用する農水新案の3案のうち、農水新案での一本化に踏み切ったとの由。