自治体に財務諸表を求める方向
6月22日付け日本経済新聞朝刊5面に「民間並み財務諸表、自治体、3年内に作成――総務省有識者会議、市町村も連結会計」の記事。
記事は、総務省が地方自治体に民間企業並みの財務諸表の作成を求める方針と報じる。貸借対照表など4種類の財務諸表で、公務員の退職金など将来発生する費用をあらかじめ見込んでおく方式の採用や、公社をはじめ関連団体を含めた連結ベースの資産・負債の開示も求めるとのこと。地方債を購入する投資家や住民に財政状況をより正確に伝えるよう促すとともに、自治体の財政規律を高めるのが狙いと記事は伝える。同省が設置した有識者会議が自治体向け公会計の基準をまとめたもので、自治体に作成を求めるのは、貸借対照表(バランスシート)と行政コスト計算書(損益計算書に相当)に加え、キャッシュフローを把握するための資金収支計算書、純資産変動計算書の4表で、20年度決算までに都道府県や人口3万人以上の市町村が導入することを目指すとか。自治体の会計は単年度の収支を重視する傾向が強く、ストック面での財務分析が不十分との指摘があり、このため、後年度の負担が把握しやすい純資産変動計算書を新たに導入するとのこと。公営企業や地方三公社(土地開発・住宅供給、地方道路)、第三セクターなども含めた連結バランスシートの作成も求め、都道府県や政令市は今春から公表しているが、市町村ではあまり普及しておらず、三セク破綻では自治体に財政負担が生じる可能性があり、地方債発行の完全自由化や自治体の破綻法制導入に向けて、投資家が債務の全体像を把握しやすくする狙いがあるとか。