鹿児島県は住宅供給公社の救済とその融資機関への義理立てを目指す | 公会計の動向

鹿児島県は住宅供給公社の救済とその融資機関への義理立てを目指す

 南日本新聞サイトは2月14日に「鹿児島県、住宅公社に115億円投入 新年度、無利子支援へ」を掲出。

 記事は、鹿児島県が13日、外郭団体の県住宅供給公社(鹿児島市新屋敷町)が、債務超過になっているとして、18年度に借入金の肩代わりとして115億円を無利子投入することを明らかにしたと報じる。18年度県一般会計当初予算案に貸付金として計上し、21日開会する3月定例県議会に諮るとのこと。地価下落や分譲住宅販売の不振を受け、全国で住宅供給公社の自主再建断念や廃止・解散方針決定が相次ぐ中、非常事態宣言中の鹿児島県が異例の公費投入で救済を図ることは論議を呼びそうと記事は評する。県などによると、公社は全国組織の会計基準の見直しに伴い、16年度に資産評価を購入時の原価から時価に変えた結果、評価額が下がって初めて5億円の債務超過に陥ったとのこと。借入金の金利負担4億円余が毎年度債務超過を膨らませるとして、公社は民間金融機関に金利引き下げ交渉をする一方、県へ支援を要請し、支援計画がまとまったとのこと。計画では、公社は18年度に県から115億円の無利子貸し付けを受けて、17年度末の借入金241億円(県17億円、住宅金融公庫87億円、民間金融機関137億円)のうち、県分すべてと住宅金融公庫44億円、民間金融機関54億円の計115億円を償還し、有利子借入金の減少と金利引き下げで毎年度の金利負担を1億8000万円程度に減らすとか。この結果、公社は21年度決算から黒字転換し、29年度には債務超過を解消するとのこと。県に対する115億円の返済は20年後の38年度までを見込んでいると記事は伝える。公費投入について、伊藤祐一郎知事は「つぎ込まないと公社が倒れる。宅地が売れれば県の財政出動は償還される。解散の選択肢もあるが、金融機関への損失補償額も大きい。金融機関との信頼関係もある」と説明しており、公社の大橋近義理事長は「1000区画に上る分譲宅地の販売促進と公社の人件費削減に全力で取り組む」と理解を求めているとのこと。九州の公社では、長崎県が130億円の債務超過となり長崎地裁に民間金融機関の債権放棄を求める特定調停を16年に申請し、県が50億円のうち26億円を債権放棄して、残額と、新たに57億円を無利子で貸し付け、民間金融機関も160億円のうち64億円を債権放棄したとか。北海道と千葉も特定調停が成立しており、また、17年の地方住宅供給公社法改正で自主解散が可能になって、岩手や青森、福島、香川などが廃止方針を打ち出していると記事は伝える。