中国での旧日本軍遺棄化学兵器処理事業
産経は1月3日に「遺棄兵器処理 中国、予定外の要求 大型変電所ヘリポート 軍事転用狙う?」を配信。
記事は、中国での旧日本軍遺棄化学兵器処理事業をめぐり、中国側が当初の予定になかった大規模変電所やヘリポートの建設を要求していると報じる。処理施設建設予定地の吉林省ハルバ嶺は、ロシアや北朝鮮国境に近い地政学上の要衝で、与党からは事業終了後に中国側が施設解体に応じず、人民解放軍の弾薬保管やミサイル格納などに転用する可能性を指摘する声が出ており、今春、現地調査に乗り出す方針とのこと。与党関係者らによると、中国側は新たにヘリポート建設を要求してきたほか、5万-7万キロワットの処理能力を持つ変電所の建設を非公式に打診しており、30万-40万発の化学兵器処理に必要な変電所は数千キロワット規模とみられていて、中国側の要求は大幅に上回っているとのこと。また、ハルバ嶺を訪れたことがある関係者らの調査で、処理施設建設予定地の周辺道路や施設内の道路は、すでに数十トン級の戦車や装甲車が通行できるほど頑丈に舗装されていることが判明したとか。これに対し、日本政府は「処理施設の基本設計が完成する今年度いっぱいまで、所要電力量は分からない」(内閣府遺棄化学兵器処理担当室)と説明するだけで、舗装道路についても、「軍用車両が通行できるかもしれないが、あくまで化学弾を運搬する車両のためのもので、軍用車両の通行は想定していない」としているとか。施設建設を含む処理事業は日本側の負担で、少なくとも2千億円程度に上るとされる。内閣府の高松明遺棄化学兵器処理担当室長は産経新聞に対し、「化学兵器処理の終了後は施設を解体する」と説明しているが、現時点では「中国側の同意を得たわけではない」(遺棄化学兵器処理担当室)といい、事業終了後の施設解体をめぐる中国側との協議は妥結していないと記事は伝える。19999年7月に締結した遺棄化学兵器に関する日中覚書は、日本が処理費用をすべて負担するだけでなく、処理の過程で起きる事故も日本がすべて補償する内容。このため、日本側が事業終了後に施設の引き渡しと解体を求めても、中国側が新たな遺棄化学兵器の発見などを理由に応じない可能性があるが、昨年11月に自民、公明、民主の議員団による現地調査が中止されていて、処理事業の実態は不透明なままとなっており、与党はこうした状況を問題視して、自民党の閣僚経験者らが中心となって今月中に有志議員による調査団を募り、雪解け後の現地入りを目指すと記事は伝える。