自民党憲法草案の財政部分
10月29日日本経済新聞朝刊4面に自民党の新憲法草案の全文が掲載された。このうち財政に関するところは次のとおり。目に付くのは財政の健全性に関する精神的規定の新設、予算の空白に対処する規定の新設、宗教的活動への支援制限の緩和、慈善・教育・博愛への支出の制限の趣旨の明確化、決算の国会承認の新設。
八三条 (財政の基本原則)
国の財政を処理する権限は、国会の議決に基づいて行使しなければならない。
2 財政の健全性の確保は、常に配慮されなければならない。
八四条 (租税法律主義)
租税を新たに課し、または変更するには、法律の定めるところによることを必要とする。
八五条 (国費の支出及び国の債務負担)
国費を支出し、または国が債務を負担するには、国会の議決に基づくことを必要とする。
八六条 (予算)
内閣は、毎会計年度の予算案を作成し、国会に提出して、その審議を受け、議決を経なければならない。
2 当該会計年度開始前に前項の議決がなかったときは、内閣は、法律の定めるところにより、同項の議決を経るまでの間、必要な支出をすることができる。
3 前項の規定による支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。
八七条 (予備費)
予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基づいて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。
2 すべて予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。
八八条 (皇室財産及び皇室の費用)
すべて皇室財産は、国に属する。すべて皇室の費用は、予算案に計上して国会の議決を経なければならない。
八九条 (公の財産の支出及び利用の制限)
公金その他の公の財産は、第二〇条三項の規定による制限を超えて、宗教的活動を行う組織または団体の使用、便益もしくは維持のため、支出し、またはその利用に供してはならない。
2 公金その他の公の財産は、国もしくは公共団体の監督が及ばない慈善、教育もしくは博愛の事業に対して支出し、またはその利用に供してはならない。
草案第20条(信教の自由)第3項 国及び公共団体は、社会的儀礼または習俗的行為の範囲を超える宗教教育その他の宗教的活動であって、宗教的意義を有し、特定の宗教に対する援助、助長もしくは促進または圧迫もしくは干渉となるようなものを行ってはならない。
現行憲法第八十九条 公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。
九〇条 (決算の承認)
内閣は、国の収入支出の決算について、すべて毎年会計検査院の検査を受け、法律の定めるところにより、次の年度にその検査報告とともに国会に提出し、その承認を受けなければならない。
現行憲法第90条第1項 国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。
2 会計検査院の組織及び権限は、法律で定める。
九一条 (財政状況の報告)
内閣は、国会及び国民に対し、定期に、少なくとも毎年一回、国の財政状況について報告しなければならない。