自賠責特会でバス利用促進対策事業 | 公会計の動向

自賠責特会でバス利用促進対策事業

 読売は10月18日午前3時1分に「地方のバス利用促進に134億円…自賠責“横道”支出」を配信。
 記事は、「自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)」の“横道”支出問題で、国土交通省が10年度以降、同保険とは直接関係のない地方都市のバス利用促進対策にも、毎年約14~19億円ずつ計約134億円を使っていることが読売新聞の調べでわかったと報じる。同省は「バス利用が増えてマイカーが減れば、事故防止につながる」との理由で、同保険からの支出は「適正」としているが、識者らは「まるで『風が吹けば桶(おけ)屋が儲(もう)かる』式の言い分だ」と批判しているとのこと。問題のバス利用促進対策は、「オムニバスタウン整備総合対策」「交通システム対策」など計4事業で、10年度から始まり、自賠責保険の保険料などを財源とした「自動車損害賠償保障事業特別会計」から毎年度、費用の一部を捻出(ねんしゅつ)していて、予算額で見ると、最も少ない10年度は約14億100万円、最も多かった13年度は19億3400万円、今年度は約16億9000万円が計上されているとのこと。自動車損害賠償保障法では、交通事故防止に役立つ事業は、自賠責保険料を財源に行ってもよい事業の一つとされており、同省自動車交通局総務課は、「バスが利用しやすくなってマイカー利用者が減ると、交通渋滞が解消され、事故の減少につながる」と説明しているとか。これに対し、財務相の諮問機関である財政制度等審議会委員の一人は「そんな理屈が通るなら、あらゆる交通関連事業を自賠責保険料で行える」としたうえで、「雇用保険での箱モノ建設と同じで、だれのチェックも受けないまま、役人が独断で仕事の幅を広げてしまっているのが問題だ」と批判しており、特別会計に詳しい新潟青陵大の吉田堯躬(たかみ)講師も「剰余金があるのなら、まずは保険料率の引き下げに努めるべきだ。特別会計は各省庁が握っていてチェックしにくいので、一般会計でやるべき事業まで特会で行っている」と、問題点を指摘していると記事は伝える。