国民年金保険料の収納力アップのために市町村へ委託する構想 | 公会計の動向

国民年金保険料の収納力アップのために市町村へ委託する構想

 共同は9月27日に「市町村に保険料徴収を委託 社保庁が業務と人事改革案」を配信。

 記事は、社会保険庁が、サービス向上や国民年金保険料の納付率アップなどのために取り組んでいる業務改革プログラムと新人事制度の最終案をまとめたと報じる。業務改革は市町村に他の公金収納業務と併せて年金保険料の徴収を委託することなどが柱とのこと。年金保険料納付率の向上策としては、市町村が口座振り替えを促進する制度の検討も行い、また、年金事務処理の効率化を図るため、これまで地域によって異なっていた各種の届け出書類の書式や添付書類の統一を来年度までに実現することも明確化したとか。さらに、18年度から、クレジットカード払いを含む口座振り替え率を19年度までに50%に引き上げることなどを明記したとのこと。


 市町村事務だったのを国の事務にして再び自治体へ委託するということか。


<参考>「国民年金事業の実施状況について 」〔平成15年度決算検査報告〕要旨

 国民年金事業については、平成12年度以降、従来市区町村が行っていた事務を国が直接執行するなど、その体制が大きく変更されている。そこで、市区町村等から国民年金事務の移管が適切に行われているか、事業運営が適切に実施されているか、その結果としての国民年金制度の現状はどのようになっているかなどに着眼して検査した。その結果、被保険者の適用に関する事務については、第2号被保険者資格喪失者で第1号被保険者の資格取得届等の届出が行われていない者(未届者)に対する被保険者資格の職権適用は一部の社会保険事務所等でしか行っておらず、基礎年金番号による管理が行われていない被保険者(未加入者)については社会保険事務所等で住民基本台帳等と国民年金原簿との突合ができず、届出をすべき事由が発生した者が把握できないため、届出の勧奨すらできない状況となっていて、相当数の未届者及び未加入者が存在していると考えられる。また、保険料に関する事務については、電話番号情報の不明者が多く電話納付督励の実施率が低いなど納付督励が未納者全員に速やかに行えなかったり、他の納付督励と連携がとれなかったりなどしていて効率的とはいえない状況となっている。そして、未納者数は年々増加している状況となっており、また、受給資格の状況については、現在被保険者である60歳未満の者について、未納期間により老齢基礎年金の受給資格がないと認定される件数が相当数存在していると推測される状況である。さらに、国民年金事業の収支状況については、被保険者数は増加しているが、未納者が増加したことなどから、保険料収入は増加しておらず(15年度の保険料債権5兆1029億円、うち収納済額1兆9626億円、時効による不納欠損額8475億円、未納保険料2兆2926億円。保険料収納額割合38%)、14年度から国民年金勘定積立金から補足せざるを得ない状況となっている。このように、未届、未加入及び未納が増加すると、公的年金の受給権を得られない者等が増加し、また、基礎年金の給付に要する費用の負担は、保険料納付者だけではなく他の被用者年金の保険者の負担の増大をも招く結果となる。
 したがって、厚生労働省及び社会保険庁において、多数の無年金者が生ずることのないようにするとともに、保険料収納額等の増大を図るため、被保険者資格の職権適用を行うようにすること、状況に応じた納付督励を行える体制を整備し、保険料の徴収を効率化することについて検討するなどして適切な事業運営を図ることが望まれる。