金融庁が公的資金返還の方法を明示する方向 | 公会計の動向

金融庁が公的資金返還の方法を明示する方向

 毎日は8月6日に「<公的資金>各行に多様な返済法認める方針 金融庁」〔斉藤信宏〕を配信。

 記事は、金融庁が9月にも、銀行に投入した公的資金の返済方法の考え方をまとめ、公表すると報じる。みずほフィナンシャルグループ(FG)が1兆4664億円の公的資金のうち最大8700億円を月内に返済する方針を明らかにするなど、不良債権処理にめどをつけた大手行が公的資金を返済する動きが加速しているためとのこと。国民負担を回避するなどの原則に照らして問題がなければ、さまざまな方法による返済を積極的に認めることを盛り込み、各行に公的資金の早期返済を促すとか。公的資金は、10年から早期健全化法、金融安定化法、預金保険法の三つの法律に基づき、23行に12兆3809億円が投入され、うち10兆7882億円が大手行7グループを対象にしたもので、国は、普通株や議決権がない代わりに配当の高い「優先株」、一般債権者より債務弁済の順位が低い「劣後債」を引き受ける形で資本を投入し、これまでに、このうち3兆4730億円が返済されたとのこと。銀行が剰余金を積み上げて国から優先株を買い戻したり劣後債を返済する方法のほか、国が優先株を普通株に転換した上で株式市場で売却する方法、銀行が海外の金融市場で資金調達して優先株を買い戻す方法など、返済手法は多様化しているとか。剰余金を積み上げて返済資金を作る方法は、確実性が高いが時間がかかり、株式市場への売却は、一度に多額の返済もできるが、市場に出回る株式数が増えて株価下落を招く恐れがあり、また、資金調達による返済も市場への影響を注視する必要があるなど判断は難しいと記事は伝える。金融庁はこれまで「収益を積み上げて剰余金で返済するのが基本」との立場だったが、昨年、策定した金融改革プログラムの中で、公的資金の返済条件について、(1)銀行の財務の健全性維持、(2)市場への悪影響の回避、(3)国民負担の回避、を3原則として明示したとか。秋までにまとめる「考え方」の中では、この3原則に沿っていれば、多様化する返済方法を認める方針と記事は伝える。