公金納付にクレジットカード | 公会計の動向

公金納付にクレジットカード

 29日付け日本経済新聞朝刊3面に「公共料金・税金・社会保険料、カード払い解禁広がる――水道やガス、来年度にも」の記事。

 記事は、現在は行政機関や銀行窓口での支払が主流となっている公共料金や税金、社会保険料など「公金」の支払が、クレジットカードやインターネット、携帯電話の利用も認めようと官民が動き出したと報じる。税金の分割払いが可能になるなど国民の利便性が高まり、納付率の向上も期待されるが、制度やインフラ面の課題もまだ多いと記事は伝える。総務省は来年度から地方自治体に納める公共料金の支払いにクレジットカードの利用を認める方針で、具体的には、自治体が運営する公営ガス・水道の料金、公立病院の診察料、公営の地下鉄やバスの定期代、スポーツ施設使用料にカード払いを認める方向で、同省は来年の通常国会に地方自治法の改正案を提出する考えとのこと。現行の地方自治法は公共料金の支払い手段に関する規定があいまいで、東京都は「法律では禁止されていない」との解釈で4月から都や関連団体が運営する病院や駐車場などでカードでの支払いを認めているが、多くの自治体は支払い手段を現金や口座振替、小切手などに限定しているとの由。また、財務省が今月、開いた税財政タウンミーティングでは会場からカードを使った国庫金納付を認めてほしいとの意見があがり、谷垣禎一財務相は「どういう問題点があるか研究しながら進めたい」と応じたとのこと。クレジットカード業界は昨年末、税金などのカード払いを認めるよう規制緩和を要望しており、財務省は今年に入り「法的な問題はない」と回答したとか。地方税のカード払いについても、総務省が「現行法で可能」との見解を出しており、これを受けて大阪府がクレジットカード会社との間で実現に向けて交渉中とか。

 記事は「クレジット業界に期待感、インフラ・手数料に課題」として、公金の中でも特に税金などは誰が、いつ支払ったかを正確に把握し、行政機関に伝えることが不可欠で、国とクレジットカード会社との間には、そのための情報ネットワークやシステムがないため、クレジット業界は銀行と一部官庁を接続しているインフラに目をつけ、ここに加えてもらえるよう交渉を始めたと伝える。このインフラは「マルチペイメントネットワーク(通称ペイジー)」と呼ばれ、公共料金をATMなどから支払えるようにするため開発されたもので、昨年ペイジーは財務省や厚労省のシステムとも接続し、一部の税金や国民年金保険料などの支払いが可能となっているとか。カード会社がここに接続すれば、利用者のすそ野は大きく広がるというのが業界や政府内の推進論者の主張だが、銀行側は今のところ、ライバルであるカード会社への開放には慎重な姿勢を示しているとか。もう一つの課題は、行政機関がカード会社に“加盟店”手数料を支払えるかどうかで、財務省は「カードを使わない納税者との公正を保つため、国が手数料を負担するのは不適当」と主張しているとか。これには政府内からも「行政側の事務経費が減る利点もあり大局的に判断をすべきだ」との声があがっており、また、クレジットカード業界にとっては「税金も支払えるカード」は顧客獲得へのうたい文句にもなるため、「手数料ゼロ」は織り込み済みとの見方は多いとか。


 「行政側の事務経費が減る利点」というのはあるのだろうか。とても疑問。