読売が予算積上げの精査の省略を叩いている | 公会計の動向

読売が予算積上げの精査の省略を叩いている

 読売は27日午前3時3分〔スクープ配信時間〕に「財務省が“架空研究会”…計1億円を予算計上」わ配信。

 記事は、財務省が14~17年度までの4年間にわたり、実際には存在しない研究会の開催費や委員の謝金などの名目で、計約1億円を「財政融資資金特別会計」の予算に計上していたと報じる。実態を伴わない予算計上は、経済産業省資源エネルギー庁の電源開発促進対策特別会計や、社会保険庁の厚生保険、国民年金の両特別会計で判明しており、経産相らが国会で「不適切」と認めたのと同様のずさんな予算付けが、各省庁の予算をチェックする立場の財務省でも行われていたことになると記事は伝える。財務省は14年度、「財政投融資問題研究会」の委員謝金や旅費、速記料、資料作成費などとして、「財政投融資問題調査研究経費」計約3000万円を計上し、15~17年度も、同様の名目で、毎年度2600~2700万円の予算計上が繰り返されたが、実際にはこのような名称の研究会は組織されていなかったとのこと。財務省によると、こうして計上された予算は財政投融資の研究に関する別の目的に使われており、支出の詳細な内訳は不明だが、確認できたものだけで、14年度は外国の制度を調査した際の通訳費用に約28万円、15年度には財政融資資金の地方公共団体の財務内容に関して民間会社に委託した調査費用に約800万円が、架空の研究会名目で捻出(ねんしゅつ)された予算から支出されていて、16年度は、予算書とは異なる検討会の開催費として約120万円、欧米の制度の動向に関して民間会社に委託した調査費用に約800万円が支出されたとか。財務省は読売新聞の取材に対し、「財政投融資の研究目的で使われているので問題ない」としていると記事は伝える。この問題は、27日の参院決算委員会で民主党の尾立源幸議員が追及する方針と記事は締め括っている。


 記事はスクープ扱いだが、実害は何なのだろう。何も実害はないのではないか。仮に、見込んだ所要額に合わせて税金を徴収しているということであれば、税金を必要以上に取り過ぎたという不適切な事態という評価になるが、赤字国債に依存している現下の財政状況では、該当しない。現行の予算制度は「見込んだ所要額に合わせて税金を徴収する」ことを前提としており、その前提が崩れたために必要がなくなっている精査作業を省略しているということではないのかな。そのために生じている事態のように思える。予算の積み上げの中身の精査よりも執行した中身の精査の方が大事、ということだろう。ちなみに、記事が指摘している事態の最初の14年度は主計局による予算執行調査 が4月から始まっている。