財務相が外貨準備の運用方針を発表
4日付け日本経済新聞夕刊1面に「外貨準備の運用多様化、財務省指針ドル中心は変えず」の記事。
記事は、財務省が4日、8千4百億ドルに膨らんでいる外貨準備の運用指針をまとめたと報じる。(1)外貨準備の大半を占めるドル建て資産をユーロ建てなどに乗り換えない(2)ドル建て資産の中では運用の多様化を検討し、米国債以外にも投資対象を広げる――のが柱とか。日本の外貨準備は世界一多く、財務省は「ドル売り」を否定する一方で収益性も加味した運用方針を公表、日本の外貨準備運用が市場の動揺を招かないようにしたい考えと記事は伝える。昨年来のドル安局面では、アジア各国が保有する外貨準備をドルからユーロ建てなどに移す通貨分散の動きがじわりと進み、為替市場にも影響を与えており、その中で、巨額介入でドルを買い支えていた日本の外貨準備の運用動向に、注目が集まっていて、財務省としても運用の指針を明確にすることにしたと記事は伝える。
5日付け日経金融新聞3面の「日本の外貨準備、運用多様化――「ドル離れ」はできない事情(プリズム)」(O)は、運用の多様化とドルへの集中継続という一件矛盾するかのような運用指針を読み解く補助線は二つあると解説する。第一は、世界各国で相次ぐドルからユーロへの外準運用シフトである。ユーロへの通貨分散は双子の赤字を抱え込んだ米ドルの為替リスクを回避する格好の手段であるが、日本の経済成長が依然として米国を最終消費地とする輸出に頼っていることから、各国のようにユーロシフトを進めるわけにはいかず、外準のドル建て資産売却が市場のドル売りを誘い円高を招くシナリオは悪夢の選択といえる。もう一つの補助線は、実は日銀の金融政策とからんでいると記事は解説する。政府は90兆円規模の外準の資金調達を、短期証券(FB)の発行で賄っており、今ならゼロ金利政策のおかげで「寝ていても米国債の運用利回りとのサヤが稼げる」が、ゼロ金利政策が解除され、日米の金利差が縮小すると安穏ともしていられなくなるとの事情。