ピークに比べて半減した公共事業費 | 公会計の動向

ピークに比べて半減した公共事業費

 8日付け日本経済新聞朝刊5面に「公共事業削減、曲がり角――政府目標の達成間近…、継続か増額か、議論迷走」の記事。
 記事は、公共事業の予算額をバブル崩壊以前の水準に戻す政府目標の達成が間近になってきたとして、小泉純一郎首相が進めてきた公共事業の削減路線が曲がり角に差しかかっていると評している。削減路線を打ち切るのか、膨らむ社会保障費などをにらみ絞り込みを加速するのか、ということで議論が起こっていると報じる。財務省では1月下旬に、「すき間はあと一千億円」「今年は天王山かもしれないな」という会話が交わされたとか。「すき間」とは政府が掲げてきた公共事業の削減目標と実際の予算額の隔たりのことで、政府は「景気対策で大幅追加が行われていた以前の水準」を目安にすると閣議決定し、14年度から4年連続で前年度当初比3―10%減額してきたが、17年度予算案の公共投資関係費は8兆3260億円で、景気対策を始める前の2年度(8兆2175億円)にあと1千億円強に迫り、補正予算後ベースではピーク時の10年度比でほぼ半減した状況となり、目標達成後に公共事業をどう位置づけるかで、政府・与党内は増額派と追加削減派に分かれつつあると記事は伝える。増額派の急先ぽうは国土交通省で、「18年度予算編成が勝負」として、「災害予防の必要性を訴えれば理解を得やすい」などの話が出ているとのこと。だが人口減少時代を控え増額には異論が多い。として、記事は、毎年、国際競争力ランキングを発表するスイスのビジネススクールIMDによると、人口2千万人以上の国で1キロ平方メートルあたりの道路距離は日本が世界一と紹介し、川本裕子・早大大学院教授の「社会保障財源を少しでも確保し、増税規模を圧縮するためにも削減幅を拡大すべきだ」との指摘も紹介する。また、内閣府内の試算として、現在、国と地方の公共投資額(公的固定資本形成)のうち維持更新コストは全体の10%未満で残りは新規投資だが、高度成長期から始まった公共インフラの維持更新コストが今後右肩上がりで増加し、2050年ごろには現在の投資総額にほぼ匹敵する規模に膨らむとの予想があり、「新規投資を削り、将来の維持更新に備えるべきだ」との内閣府関係者の主張を紹介する。