第89回全国高校野球選手権大会最終日は22日、兵庫県西宮市の甲子園球場で決勝が行われ、佐賀北(佐賀)が8回に副島浩史内野手(3年)の満塁本塁打などで一挙5点を挙げて広陵(広島)に5―4と逆転勝ちし、全国4081校の頂点に立った。佐賀勢の優勝は94年の佐賀商以来、13年ぶり。決勝での満塁本塁打は同年以来、2本目だが「逆転満塁弾」となると史上初の快挙。大会中、さまざまな「奇跡」を起こしてきた地方の公立普通校。彼らこそが甲子園に最も愛されていた。 【佐賀北5―4広陵】母なる甲子園は佐賀北ナインの味方だった。8回。1点を返して、なおも1死満塁。手拍子がわき、観客席のあちこちから声援が飛ぶ。異様とも言える雰囲気の中、副島は広陵・野村の投じたスライダーを強く叩いた。打球は大歓声に後押しされるように高く飛ぶ。左翼席に届いた。甲子園では何だって起こる。逆転の満塁本塁打に銀傘が揺れた。
「球場全体が佐賀北を応援してくれているように感じた。言葉にならないくらいうれしい。信じられない。幸せです」
開幕の福井商戦で大会1号を放った副島が、夏の大会通算30本目のグランドスラムで締めくくった。13年前の94年。佐賀商は開幕試合を制し、決勝では西原主将の劇的な決勝満塁本塁打で全国の頂点に立った。「凄いつながりを感じる」と副島は言うが、決勝で逆転の満塁本塁打を放ったのは史上初めてのこと。延長15回引き分け再試合、王者・帝京からのサヨナラ勝ち…。誰もが経験できることではなかった。
副島は佐賀・城南中では今秋ドラフトで上位指名が確実視される高浜(横浜)を差し置いて4番を打った経験を持つ。しかし高校入学後は今年の佐賀大会まで公式戦の本塁打は1本もなかった。佐賀北ナインは全員が地元出身。そして全員が中学時代に軟式の経験しかない。全員が甲子園で大きく成長して優勝した。副島が眠っていた才能を呼び起こされたように、しゃく熱の甲子園が普通の高校生を日本一の球児に育て上げた。「野球の神様が味方をしてくれた。佐賀商のビデオを見ているようでした」。こう言った百崎監督は「信じられない」を連発した。
特待生問題で揺れた89回目の夏。高校野球の在り方が問われた年に、公立の普通校が深紅の大旗を手にしたのは象徴的でもある。副島は言った。「ウチはプロに行くような選手はいない。チームが1つになって勝ってきた。それが高校野球だと思う」。73イニング、16時間11分。全国の高校球児たちで最も長い夏が終わった。 本来の高校野球はこうあるべき、県立佐賀北高校に久しぶりにすがすがしさえおもえた。
地元のヒーローでしょうが,周りの大人はちやほや、しないでもらいたい。普通の高校生なのだから・・・