私小説~前田陽子 | 一期一会~感謝~

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挑む   2017

厳しく 明るく

それはとても偶然の出会いからはじまった。それとも必然であったのだろうか・・・                                 あ・陽子ちゃんどうしたの裸足で・・・あれ?この人私の名前知っている(どうして?)母親といつものように喧嘩して思わず家を飛び出したとき、男の人に思い切りぶつかってしまった。私は昨日のことのように記憶が鮮明である。ぶつかった拍子にこけて、デニムのミニだったから、パンツを思い切り見られたから?ではなく、抱きかかえて起こしてくれた手の暖かさは今も忘れないからです。小さいころから両親の仲が悪く、私が学校から帰ると、冷たい食事が小さい食卓の上においてあるだけで母親の姿はなかった。それも最初だけで母親はいつしか家に帰らない日も多く、12歳の春に出て行ってしまった。父親も仕事が忙しく、帰りはいつも遅く、私はいつもひとりぼっちだった。いつしか父親も寂しさをまぎらわすために酒を飲んで帰ることが多くなった。その父親も家をでていって、私一人が残された。1週間ぐらいたったのだろうか?意識が遠のく中でかすかに声が聞こえたような気がする「陽子大丈夫?」母親が偶然家に帰ってこなければ今の私はこの世に存在しなかっただろう。