『イニシェリン島の精霊』

 

 

 

 

 

監督🎬

【マーティン・マクドナー】

 

 

パードリック

【コリン・ファレル】

 

コルム

【ブレンダン・グリーソン】

 

 

シボーン

【ケリー・コンドン】

 

ドミニク

【バリー・コーガン】

 

 

配給[ウォルト・ディズニー・ジャパン]

 

上映時間[1時間49分]

 

 

_______

 

 

 

鑑賞した理由は2つ。①「シネコンで洋画の新作が公開されない時期だから」と②「アカデミー賞の時期だから」です。

 

 

① 毎年1月は最新映画の閑散期ですが、今年は2月になっても洋画の公開が少なく、1週間で洋邦合わせて2作品ほどの公開です(アニメやドキュメンタリーを除く)。ハリウッドのエンタメ映画が好きな私にとっては、映画館に通う頻度も激減しています。

 

 

洋画の公開が世界一遅い国とされている我が日本。

②アカデミー賞最有力候補の洋画を日本では1月末〜3月に公開する傾向です。

 

 

私はブログ名にも付けているように本家の「アカデミー賞」に相当強く惹かれていて、やはりこの時期になりますと、待ち望んでいたぶん、その気持ちを強調した文章内容になります。

 

 

今作品では「アカデミー賞の前哨戦」と言われるゴールデングローブ賞で、作品賞・脚本賞・主演男優賞の3部門を受賞し、日本で公開される事になりました。順当に行けば、アカデミー賞でも複数部門がノミネートされるものだと思います。

 

 

1月27日の公開で、公開2週目での鑑賞となりました。

観客の入りはどのシネコンも程々で混んではいません。公開2週目ともなれば、200席ほどある座席のうち1割も観客は入っていませんでした。

 

 

個人的に上映時間が予告を含めて2時間は丁度いいです。

 

 

ウィキペディア先生の評価欄で、批評家が「観客を嫌な気持ちにさせる」と書いているのですが、まさにその通り!で、こういう陰気な作風は日本では玄人好みで大衆受けはしないかなぁ?なんてネ。

 

 

3月までシネコンで上映されているか?は微妙なライン。アカデミー賞をもし獲った場合は再上映されて、興行的にはそれなりにヒットするのだと予想します。

 

 

____

 

 

 

では mAbの語り口調で、この映画の物語を紹介していきます。

知識や理解を要する作品なので、いつにも増してトンチンカンな文章になるかも知れないです(^_^;)

 

 

時代は1923年。

全米は2022年の公開ですが、日本的には丁度100年前ということになりますね。

 

 

舞台はアイルランドの孤島イニシェリン島。言語は英語。

 

 

アイルランドはイギリス諸島の西にある島国。

 

 

アメリカのハリウッド映画では、よくアイルランド移民のルーツを揶揄される印象があります(リーアム・ニーソンなど)

 

 

 

 

アイルランドは面積こそ違えど日本の三重県みたいな形(下の部分)をしているなと、パッと見で思います。

 

 

地図右がイギリス諸島ですが、アイルランドとイギリスの関係も、近くて遠い国なんですよね。

 

 

1920年代のアイルランドというだけでは頭の中に背景が浮かびません。

さらにアイルランドの本土から離れた聞き馴染みのない小さな島イニシェリンが舞台になりますので、謎が謎を増します(^_^;)

 

 

ここはどこ、歴史はなーに?です。

 

 

日本映画だと、こういう馴染みのない土地を描く場合、ナレーションや俳優を通して語り部役を必ず用意するものですが、アカデミー賞を意識した洋画だと、そういう俯瞰的に島を語る役柄は用意しません。(強いて言えば妹シボーンがその役を担っていた。愛想も悪いし、陰気な島だ、などの紹介。)

 

 

英国映画で何回か書く機会がありました。2世紀に渡り「アイルランド問題」という内戦をしています。今作品はアイルランド側で、さらに内戦に参加しない島人の俯瞰な視点と、更に謎が増します(^_^;)

 

 

 

 

(学生時代の世界史の授業で習ったを覚えていますが、学校の授業なので大まかな内容しか解説されず、卒業してから映画や本で知識を増やしていった感じです。)

 

 

本土では内戦が繰り広げられ、島にも轟音が響いている状況ですが、数十キロ離れたイニシェリン島は戦争とは無縁です。

無関係というわけではないのでしょうけど・・独立派だとか宗教的対立だとか、そういう二分割の争いは島や島人にはないです。

 

国民性、人種性は分かりませんが、誰も楽しそうではないように私には視えます。

 

と言いますか・・つまらない雰囲気を、この映画の出演者が作り出しているのです。

 

平和だけれど、何だかつまらなそうで、陽気な性格の人がいない←この映画に出てこない。

 

 

島には娯楽がないので、一部の島民は刺激を求めます。

 

 

女性は噂話。商店(コンビニ)の女店主が「面白い話(痛い話)を聞かせて」と商品を渡す交換条件を付けるのが印象的です。

 

 

男性はパブで飲酒。盛り上がる日はマレで、そういう人は日々(人生)に抑揚(アクセント)がありますが、大概の島民は静かに飲んでいます。

 

 

主人公の【パードリック】は優しさが取り柄の中年男性です。目尻が下がっていて、ハの字のゲジゲジ眉毛。

パードリックは妹の【シボーン】と2人で暮らしています。年齢設定が分かりませんが、観た感じ中年の兄妹

 

 

パードリックは「普通の男」です。特に特徴がなく、良いところを探せば「優しい」くらいの目立たぬ人。

正直、映画の主人公には不向きな性格です。だからこそ好演すれば評価を受けるのでしょう。

 

 

演じる【コリン・ファレル】[46]と言えば、20年前はアクション映画で大活躍していたハリウッドスターですから、こうして静かなドラマを演じていると、自分的には年齢による落ち着きを感じます。

 

 

パードリックだけではなく、イニシェリン島の島民の1日はワンパターンに視えます。

 

 

起きて、自分の仕事(役割)して、パブで酒飲んで、家帰って寝る。それだけ。

 

 

パブで飲む友人も座る席もだいたい毎回同じで、パードリックで言うと、バーカウンターか窓際の席で親友の【コルム】と話すのがお決まりになっています。

 

 

他愛のない話。

テンションが低いです。男同士下ネタで盛り上がるとか、酔っ払って歌を歌う、みたいではなく、2人はずっと他愛のない話をしています。(何が面白いんだろう?)

 

 

彼にとっては、ルーティンと化したそんな普通の毎日。そんな普通の毎日に、ある日突然、大きな変化が起こります。

 

 

いつもの午後コルムの家に行き、「パブの時間だよー!」と窓越しに声を掛けます。

 

 

おそらく、いつもは「おー!」と返事が帰って来るのでしょうけど、この日は反応がなく、窓を覗き込むパードリック。

 

 

 

 

コルムは家の中にいました。

 

毎日同じ繰り返しなので、些細な変化も違和感に感じます。

 

 

その日、家の中のコルムは、パードリックの声掛けに返事をせず、背中を向けて椅子に座り、ゆっくりタバコを吸っています。

 

 

中の様子を窓から見ているパードリックは、首を傾げながら、「さ、先に行ってるからね(あとで合流しよう)!」とパブへ。

 

 

 

作品チラシにはパードリックを「この島の誰からも愛される素朴な男」と書かれているのですが、誰からもというのは違うかなと思いました。

 

 

妹シボーンにこの話をします。「返事がなく、ゆっくりタバコを吸っているだけだった」←劇中で強調しています。

 

「喧嘩でもしたんじゃない?」「えっ、身に覚えがないけど・・」「きっとそうよ。」「きっとそうだよ(パブの店主)」。

 

 

パブにやってきたコルム。パードリックを視界に入れず居ないように接します。

 

 

 

パードリックにとって親友と呼べる唯一の存在コルム。彼と仕事終わりにパブで酒を呑むことを日課にしています。

 

 

勿論パードリックは問い詰めます。「なんで無視するの?俺、なんかした?」。映画で視ていて当然の疑問です。観客も戸惑うはず(^_^;)

 

 

 

 

そんなパードリックにコルムは「お前とは友達をやめる。もう話しかけるな。」と怖い形相で睨みつけ、冷たく絶交宣言をするのです。

 

 

____

 

 

 

主演のコリン・ファレルが46歳。

親友役の【ブレンダン・グリーソン】が御年67歳です。

 

 

この2人の年齢設定が全く分かりませんが(;´∀`)もし俳優の実年齢通りのだとしたら、親子ほど年の離れた同じ島民の男同士と言うことになりますね。


そんな歳の離れた2人の男性が、いつ意気投合したのか?と言うのも気にはなります。年齢差のある友人、この映画を紐解く鍵。

 

 

そんな長年、毎日のように友の盃を交わしていたコルムに、突然「お前は友達じゃない」と一方的にエンガチョされる。

 

 

パードリックじゃなくても・・私だって嫌ですよ。同性の親友に前触れもなく絶交されるなんて・・リアルに嫌です(^_^;)

 

 

理由も説明も原因も言わず「これ以上、話しかけるな」と強く言うコルム。

 

 

そう言われてもね。社交的な性格でないパードリックは、新しい友達を作れるタイプではなく、コルムしかいない。

 

 

明日になれば気が変わる、そうか昨日はエイプリルフールズじゃないか!?など希望を持ちます。

 

しかし明日になっても明後日になっても、親友の気は変わらない。

 

 

とにかく理由を教えてくれ!

 

(駄目なところがあったら直すから・・少し目女々しい。)

 

 

そして教えられる絶交の理由。

(劇中の序盤に説明されます)

 

 

「お前は退屈だ。シラフの時は特に」。

 

 

友達を辞める理由が・・退屈だから?

 

 

コルムはバイオリン弾きの音楽家で、本土からも彼を慕って音楽家が訪ねてくる人格者。

 

 

 

 

シカトをされ続けて・・胃がキュンとなって、寂しそうな表情のパードリック。



まるで不機嫌なドラえもんみたいなコルム。

 

 

(なに、その比喩Σ(゚Д゚))

 

 

 

 

それでも納得できないパードリックが近づくと、

 

コルムは信じられない忠告をします。

 

 

「これ以上、俺に関わったら、指を切ってお前の家に投げつけるからな」。

 

 

発言後、バーにいた皆がシーン。

 

 

「あいつは本気だ」。「パードリック!悪いこと言わない、彼に話しかけるな!」喧嘩の仲違い期間だと思っていた島民も、この発言以降は仲直りを勧めなくなります。

 

 

指を切断する瞬間のシーンはありませんが、指を投げつけたり、指の失くなった手はあまりにリアルで、どうやって撮影したんだろうとその技術にも注目できます。

 

 

_____

 

 

 

「着眼点が凄い」と書けば高評価になるのだろうけど・・まず、不思議な観点から作品を作ったなぁと驚きます。

 

 

内戦で荒れている当時のアイルランドは、整理をしても何が何だか分からない情勢です。

その時期に内戦に参加していていないイニシェリン島の住人たちは、アイルランド人なのか?島人なのか?立場はよく分からないが、とにかく一線を引いているのは分かる。本土は今日も(戦争)やってるねーという他人事に温度差がある。

 

 

同じ国内でも、島と本土。俯瞰的に「その時の国内の歴史」を紹介しようとするなら映画はもってこい。

 

 

コルムが自分の思いの丈を哲学的に話すシーンが印象的でした。

 

 

俺もお前も誰もがいずれ死ぬ。その時に何が残る?何も残らないだろう。

だが芸術は違う。音楽は作者が死んでも作品は残る。

 

 

そうしてコルムは、絶交宣言以降、映画のタイトルにもなる『The Banshees of Inisherin」(イニシェリン島の精霊)の作曲を日課にします。

 

 

コルムの言っていること・・分からなくもないけど、割と描かれてきた人間描写のセリフ(自分が生きた証を遺したい的)が、深いようで浅いと言いますか・・

 

例えば昭和の頃に映画館で3本立てで上映していたロシア映画やフランス映画のように、描いている内容に面白さを見つけなければ退屈なだけかも知れません。

 

 

終始、こういう表情で、口角が上がることはありません。

 

 

 

 

(コリン・ファレルも老けたなぁ・・しみじみ)

 

 

その退屈で凪な人間模様の中で、気色が悪い老婆(精霊だと思う)が行く先々で現れるスピリチュアルさや、「俺に関わったら指を切断してお前の家に投げつける」という狂気さ・本気度があるので、飽きが来そうで飽きが来ない出来に仕上がっていました。

 


______


 

この映画を語る上で、主観点を探します。

 

主要登場人物は少ないけれど、それぞれに「生き様」が表されています。

 

 

主人公のパードリック親友コルム。この2人が主人公で、他に4名+αが脇を固めます。

 

 

パードリックの妹シボーンは、「私には読書しかない」と読み書きが出来て、それ以外の魅力はないことを自覚している。頭がいいので、イニシェリン島の島民を俯瞰で観ているのも印象的。

 

 

演じる【ケリー・コンドン】[40]はハリウッドで大活躍するアイルランド出身の女優。

自分としては『アベンジャーズ』のフライデー役の印象が強くありますが、ドラマ演技として視た場合は可もなく不可もなしですね。最初は島の集落から離れた土地で静かに暮らしている印象でしたが、結構男っぽくて気の強い画を出す中盤辺りからが見どころだと思います。

 

 

 

島の警官は差別的で暴力的。映画を見た観客は警官のことを大嫌いになるでしょう。演じる俳優は【ゲイリー・ライドン】[58]。

 

 

警官の息子ドミニクは精神面が弱い青年。今風で言うと発達障害でしょうか。空気が読めず、自分の世界があって、情緒が激しい。

この映画の1番のキーパーソンです。

 

 

ドミニクは島人から相手にされませんし放って置かれていますが、おそらく彼のようなタイプの人間はイニシェリン島だから生きられるのであって、本土だとイジメの対象になるのでしょう。

 

 

ドミニクにとって、自分を相手にしてくれるパードリックとシボーン兄妹は気宇壮大な存在。

コルムに拒否されて以降パードリックに懐き、話し相手のいなくなったパードリックは彼と一緒にいることが多くなります。

 

 

 

印象的なのは冒頭の登場シーンで、パードリックに自分を気に入ってもらうために、自宅にある酒を拝借しにドミニクの自宅へ。

そこにいたのは全裸で椅子に座り眠る警官で、ドミニクは卓上の酒瓶をくすめます。

 

 

ドミニクにとっては父親ですから怯まない。パードリックにとっては怖い存在。

 

 

ヨーロッパの映画なので下半身にモザイクは特にかかっていませんが、パードリックと同じ言葉を私も頭の中で呟きましたよ・・うぇっ、見たくないものを見たって(^_^;)

 

 

ドミニク役を演じた【バリー・コーガン】[30]はアイルランド出身で、『エターナルズ』『ザ・バッドマン』などハリウッド映画の大作にも出演が続く俳優です。

 

 

俳優の人生が壮絶で、ウィキペディア先生によると、5才の時に母親がヘロインに手を出し家庭が崩壊。兄弟で里親宅で過ごす。その後、ヘロイン中毒で母親が死亡してからは祖母に育てられたという・・なんとも子供に罪はないのになぁ・・と思ってしまう人生です。そういう環境の子供が俳優になってハリウッド映画で大活躍する人生。応援したい気持ちになる(^^)

 

 

そして、巫女のような精霊のような老婆が不気味で、この映画を更に陰気な雰囲気にしています。

 

演じる女優は【シェイラ・フリットン】。

 

 

正直、私には解釈不明のキャラクターでもあるのですが、神出鬼没で行く先々に登場しています。

 

 

序盤は「気の優しいお婆ちゃん」という感じでしたが、中盤からは「明日、島の人間が2人死ぬよぉ」と予言したり、主人公も姿を見て物陰に隠れるなど、「不気味な老婆」と化しています。

 

 

 

 

川向うから手招きしているシーンも、御老体でどういう移動をしているのだろう?この世の者ではないのかな?など、謎多き不気味で神聖な存在でした。

 

 

___

 

 

最後に。

 

 

忘れてはいけない主要登場人物が動物です。

 

2人の中年(独身)男性は共に相棒となるペット(家族)を飼っています。

 

コルムは犬。

 

 

 

主人が指を切断する気配を汲み取り、刃物を咥えて何かを訴えいる犬の表情も愛しい気持ちになりました。

 

 

そして主人公のパードリックはロバ。

最初は家畜?と思いましたが、こういう場面を見ているとペットという認識になり、孤独の隙間を埋めるように傍に居る。

 

 

 

 

農夫として、どのような収入源で生計を立てるのか分かりませんが、そもそもイニシェリン島の島民は出世欲や野望みたいな様子が視えないため、毎日何となく生きていて、お酒を飲んで友と語り合うのを楽しみにしていて、野心がある人は島を出ていくだけのこと。

 

 

このロバや犬が可愛くて、映画では外で飼うような動物を室内に居れるほど、なるがままに暮らしています。

妹のシボーンはロバを家に入れると怒ります。排泄するから(^_^;)

 

 

最初から2人の主人とも悪い人間には映りませんが、動物の目を通して見ることで、彼らが悪い人間ではないことが明確になります。

 

 

監督の前作『スリー・ビルボード』も記事にしました。

 

 

 

 

あの映画は自分が好む作風ではなかったけれど・・(女性の言葉遣いが悪いと気持ちが引いてしまう)・・76点という私の採点の中でかなりの高得点を付けました。

 

 

1つの作品で一躍、次回作=アカデミー賞を確実視できる監督になったわけだから、今作品も期待しました。

アイルランド国籍を持つマーティン・マクドナー監督が、自国民の精神を描いた力作だそうです。

 

 

(自国民の精神・・日本で言うなら大和魂ですね。)

 

 

個人的な予想では、今作品がアカデミー賞にノミネートした場合、受賞して欲しいのは助演の【ブレンダン・グリーソン】だけかな。コリン・ファレルも「誰?」と思ったほど素朴な男を演じていたけれど、演技派か?と考えれば首を傾げる。

 

 

中盤以降の妹シボーンの行動やドミニクの存在など、ミステリー要素を加えるのは作品に変化があって良かったけれど、前中盤と後半の速度と展開が合っておらず、後半部分も前半と同じく、じっくり説明的に描いても良かったのではないか?と物足りなさを感じました。

 

 

1920年代のアイルランド。同じ種族同士が殺し合う内戦で、本土から離れたイニシェリン島で平和に暮らしている人々の・・物語。

 

 

 

 

 

脚本 14点

演技 15点

構成 14点

展開 13点

完成度14点

 

 

[70]点

 

 

____

 

 

 

もうしばらくお付き合いください。

 

 

1月24日にアカデミー賞のノミネート作品の発表がありました!

 

 

記事を書き終わってからノミネート発表済みに気付きました(^_^;)なので上の映画評論は、ノミネート前の段階で予想して書いていますm(_ _)m

 

 

 

 

ここまで書いてきた『イニシェリン島の精霊』は、主要7部門(作品賞・監督賞・脚本賞・主演男優賞・主演女優賞・助演男優賞・助演女優賞)のうち対象者がいない主演女優賞を除き・・・なんと全てでノミネートされましたΣ(゚Д゚)

 

 

アメリカでの配給会社がアカデミー賞で常連のサーチライト社というのも大きいですね。日本はウォルト・ディズニー・ジャパン社が配給です。

 

 

ノミネートの顔ぶれを見る限り、2or3部門は受賞するのではないか?と予想します。

助演のブレンダン・グリーソンは鉄板。それと脚本賞もあるのではないか。

 

 

主演男優賞が有力視されている今作主演のコリン・ファレルも・・主演男優賞の顔ぶれが今年は弱いので、今回受賞できなければ獲る機会はないのではないか?と考えますので、大賞をなるのではなる予感を感じます。


ですが・・コリン・ファレルがオスカー俳優って私的にはピンと来ないんですよね。

 

 

俳優部門で、信じられない・・と疑問に感じているのが、

 

W主演の形であるコリン・ファレル、ブレンダン・グリーソンは納得できるのですが、

 

 

助演男優賞候補に同作品からもう一人、ダニエル役を演じた【バリー・コーガン】。

 

助演女優賞候補にシボーン役を演じた【ケリー・コンドン】のお2人もノミネートしていること。

 

 

正直、2名とも「えっ?なんで?」と思いました。

これって私が思うに・・海外の批評家に『イニシェリン島の精霊』が高評価を付けられていて、その相乗や便乗効果で、上の2人もノミネートしたのではないかな(^_^;) 演技そのものは優秀で上手だと思いましたが、天下のアカデミー賞のオスカー候補者と考えると、意外中の意外です。

 

 

今回の記事を読んで頂いた読者の方には、私がこの映画で感触をよく伝えている部分が俳優ではないことが分かると思います(^_^;)

 

 

1月は閑散期。

日本の映画館でアカデミー賞が盛り上がるのは毎年1月後半から3月。

 

 

本年度のアカデミー賞で最有力候補とされているのは「3作品」で、3作品のもとにオスカー像は手渡されること確実。

 

 

その3作品の中には今作『イニシェリン島の精霊』が入っています。

今年のアカデミー賞でアイリッシュ旋風が吹き荒れるか!?注目したいです。

 

 

他に『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』と『フェイブルマンズ』。共に3月3日のひな祭り公開なので盛り上がりそうです。

 

 

これから日本で公開される作品で、未鑑賞なので想像でしか書けませんが、

 

 

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』は中国系監督のダニエル兄弟の評価が極めて高く、主演女優賞候補にミシェル・ヨーが最有力とも呼び声が高い。

 

 

ミシェル・ヨーを銀幕で見るたびに、宝塚の真矢みきさんを私は連想します。演技派ではないと思いますが、アジア人初の同賞受賞の期待と、ここ数年でアジア人がアメリカのアカデミー賞を受賞することに慣れてきた感があるので、今回も数部門でアジア系が受賞するのでしょうね。

 

 

個人的に、一番期待しているのが『フェイブルマンズ』。監督は生きる伝説【スティーブン・スピルバーグ】。

 

 

スピルバーグ大好き人間のmAbですから、スピルバーグが「自身の半生を映画化した映画」と聞いて、それだけで何だか感動しますし、功労的にもアカデミー賞会員の票を集めるだろうと予感しています。

 

 

『イニシェリン島の精霊』の記事を書いてきて、最後にこんなことを書くのも場違いですけど、個人的にはフェイブルマンズに、作品賞・監督賞・脚本賞の三部門を受賞してほしいです。

 

 

本番が3月13日で、上記2作品の公開が3月3日。

アカデミー賞本番までに、超最有力候補の2記事を書けるように意識を高めておきたいです。

 

 

 

フォローしてね

 

 

 

【mAb】