シャドウ・イン・クラウド

 

 

 

 

監督🎬

【ロザンヌ・リャン】

 

 

モード・ギャレット

【クロエ・グレース・モレッツ】

 

 

クエイド

【テイラー・ジョン・スミス】他

 

 

 

配給[カルチュア・パブリッシャーズ]

 

 

本編[1時間23分]

 

 

 

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2010年代。彼女がティーンだった当時。

アイドル的人気を博していた【クロエ・グレース・モレッツ】の出演作品をかなりの数、記事にしました。

 

 

(ダコタ&エル・ファニング姉妹。マッケンジー・フォイ。クロエ・モレッツのビッグファン。現在進行系であるが、クロエに関しては少々過去形です。)

 

 

当時は私も毎日のように映画を観て、毎日のようにアメブロを開き、毎日のように・・は言いすぎだけれど記事を書いていましたので、語る機会も多く。

 

ザッと調べたところ、クロエのティーン期のロードショウ映画を約6年間で12作品書いていました。

 

 

中でも作品にハマり、熱く書いた記憶があるのは『モールス』『HICK』『ヒューゴ』『ダーク・シャドウ』『キャリー』かな。

 

 

2011年の夏にミニシアター系で上映された『HICK』は、後にオスカー主演男優賞を受賞し、ハリポタシリーズの主演となる【エディ・レッドメイン】が性異常者役で出演していたのを覚えています。

 

 

10代で活躍していた人気女優を、20代になると観なくなることはよくあることです。

 

 

この数年間。クロエを劇場で観ることが少なくなり心配していました。

インスタグラムもフォローして拝見しているのですが、写真だと頬がコケて見え、口角を上げた時に福々と広がるホッペタが印象的だったから、ちょっと心配になっていました。今回数年ぶりに新作映画で拝見したのですが、やはり彼女は動画のほうがいいですね。犬みたいで(U^ェ^U)

 

 

ウィキペディア先生で調べると、ペース的には変わらずに主演作が公開されているようですが、日本のシネコンの取り上げ方が冷めた印象で、熱しやすく冷めやすい日本の国民性とでも言うのかな。単純な話、上映する映画館が少なくなったってこと。

 

 

それらはミニシアターや他系列のシネコンで上映されていた模様。それは(当時)TOHOフリークだった自分には不利でした。TOHOのシネコンで上映していれば観に行っていた筈ですからね。

 

 

 

 

 

そんなクロエも1997年生まれの25歳。すっかり大人の女性を演じ、今作なんて「肝ったま母さん」の役柄に挑戦していました。

 

 

全米では1年半前に公開されている2020年度扱いの映画で、撮影時期は2019年。年齢は22歳あたりでしょうか。

 

 

では始めます。

 

 

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TOHOシネマズ一筋15年。

 

最近は、TOHO、MOVIX、ユナイテッド・シネマの3つのシネコンに足を運ぶようになりました。

 

今作品は4月の第一週に松竹系シネコンのMOVIXで上映が開始されていたので、迷わずに鑑賞しました。

 

私が今もTOHO一筋で鑑賞していれば、もしかすれば上映を知らずに終了していたのかも知れません。

 

 

結果論ですが、良かったなぁ(^o^)

「映画館で観れた」と言うことだけで、何だか満足してしまいました。

 

 

本編は83分。感覚的には1時間ほどで終わってしまうので、短いのはいいのだけれど、逆に短すぎて話を纏められるの?と疑問を感じる上映時間です。

 

 

1時間ちょいの作品だと、「書いていい内容」も限られますから、いつもの半分くらいの文字数を心掛けようと思います。

 

 

オープニングとエンディング前は陸でのシーンですが、殆どが軍事飛行機内での出来事になります。

 

 

 

 

 

 

尚、アメリカでの公開が昨年の1月ということで、1年と3ヶ月を経ての日本公開。時々見かけますが、あらすじが最初から最後まで事細かく書かれていました。ウィキペディア先生を読まれる方はご注意をお願いいたします。

 

 

1943年8月

第二次世界大戦時

 

 

ニュージーランドのオークランドからアメリカ領サモアへ向かう軍用飛行機に乗り込んできた1人の白人女性。

 

 

サモアは、「サモア独立国」と「アメリカ領サモア」の2つの国がありますが、今作品の目的地となるのはアメリカ領サモアになるのかな。

 

 

18世紀に発見され、西洋人に侵略された後、アメリカ領土となり、戦争中はアメリカ海軍の基地があり、アメリカ軍はサモア人を訓練し、戦地に送ったそうです。

 

 

(発見したら、普通に暮らしていた原住民を追い出し、侵略するんだよね。歴史って。)

 

 

 

 

 

 

大型爆撃機B-17。今回の映画で主人公らが搭乗する戦機です。

1943年頃まで活躍していたそうなので、映画の時代的にもドンピシャリ。

 

 

 

 

第二次世界大戦・太平洋戦争は、英米を筆頭とする連合国にとって、日本は彼らの敵。

 

 

クロエ・モレッツ演じる【モード・ギャレット】士官が、大きな革鞄を持って搭乗。

極秘任務でサモアまでこの鞄を届けると伝え、B−17に乗り込む場面から映画は始まります。

 

 

 

 

所属は「婦人補助空軍」。階級は下級士官。

婦人補助空軍は実在する組織。Women's Auxiliary Air Force。通称「WAAF」ダブリューエーエーエフ。

 

 

第二次世界大戦中にイギリス空軍内において編成された女性軍事組織。

最大で18万人もの女性兵がいて、パイロットなどの戦闘任務というよりは主に裏方業。今作品のように軍の機密を運ぶ役割や、空軍の迎撃管制、軍事工場に所属するなど任されたそうです。表向きではね。

 

 

乗組員はみな男。彼らは突然「公務」だと言い乗り込んできたモード・ギャレットという女性士官に対し、困惑する。

「余所者」ということ、「女性」ということで、彼女を狭いボールターレットに閉じ込める。

 

 

ボールターレットはアメリカ製爆撃機に搭載された経緯台式架台式銃塔のこと。

 

 

(ウィキペディアより)

 

 

こうして実際の写真を観ると、かなり狭いですよね。トイレ事情はその場で垂れ流すのかしら。

 

 

銀幕の画角的なサイズではもう若干、広く感じますが、多分それは中に入るのが女性だからそう感じただけで、

 

実際に鍛え抜かれた男性兵が入ると想像すれば、動作1つでも変えづらい程の窮屈な空間なんでしょうね。

 

 

(クロエの公式の身長は163cm)

 

 

また、ご覧のようにガラス張りなので真下が丸見え。高所恐怖症の方は間違いなく気絶するでしょう。

 

 

狭いボールターレットの中に荷物は持ち込めない。

 

機密文書が入っているという鞄を【クエイド軍曹】に預け、文句を言わずにポールターレットに入るモード。

 

 

(モードと書くと、私の文章的にややこしくなるので、ギャレットと表記します。ロマンチック浮かれモード。)

 

 

飛行中。機内の男たちの会話がボールターレット内のスピーカーに丸聞こえ。彼女をおかずにしたエロい妄想話を、男たちが話している。

 

 

こういう戦時中の兵隊同士の下ネタトークは、アメリカ映画では非常にありふれていますね。日本だと放送禁止用語だから、まず聞かないな。

 

 

ギャレットは英国婦人空軍に所属しているので、職場には女性もいるでしょうけど、戦地に出向けば男世界。

 

 

こういう・・今で言うセクハラは慣れっこ。ラジオを聞くように彼らの会話を聞いた後、マイクをオンにし、「聞こえているわよ、お坊っちゃん達」みたいな呆れた応対をします。

 

 

その後は、コックピットとの通話だけの会話が続きますが、この時間帯は、まさに狭い個室で女性が1人ラジオを聞いているという絵みたいでした。

 

 

機内の様子は音声のみ。映像は主人公だけで、しばらくのあいだ進行します。

 

 

どうやらクロエの1人演技になる流れ。そう分かると、あまり期待はしないように心掛けました。

 

 

なぜならクロエは、良い意味でも悪い意味でも「顔で演技をするタイプの女優」だと思っているので、トーク力と言うよりは、リアクションが大きいのが特徴(持ち味)だからです。表情は豊かだけど、表現は少ないと言えばいいかな。

 

 

 

 

この映画で何らかのアクションが起きるまでは1人演技になるので、その時間帯は絵を中心に楽しもうと切り替えて観ていきました。好きな女優だからこそ、盲目になるのではなく、客観的に視るのがポリシーです。

 

 

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それを知ってか知らずか、子供のようなあどけないお顔立ちを鑑賞しながら、やはり尺的にもあまり「間を開けない」展開になる。

 

 

彼女の居るボールターレット内は、後方部を除き見通しが良く、外の様子を常に監視できるような作りになっています。

 

 

警戒を怠らないギャレット女官は、常に外の様子を伺っていますので、些細な変化も見逃しません。

一方で、機内にいる空軍の乗組員達は実戦経験も少なく、この飛行も運搬目的で緊張感はありません。

 

 

そんなギャレットの目に2つの違和感が現れます。

 

 

1つは日本軍の爆撃機。雲の中に隠れた日本の爆撃機を確認します。

 

 

(個人的には私は日本人ですから、日本人を撃ち落とそうとする描写って、少しだけ嫌な気持ちになります(^_^;))

 

 

2つ目は、巨大な生物です。羽のないコウモリみたいな気持ち悪いやつです。

 

 

1つ目の設定がリアルなのに、2つ目で急に映画的になりましたね(;´∀`)

 

 

(日本軍と怪物、、なんか合わない組み合せ。だったら怪物よりも馴染み深い妖怪のほうがいいかな。天狗とか鬼とかでも(笑))

 

 

この違和感、勿論すぐにコックピットに報告をしますが、どちらの存在も信じてもらえません。

 

 

「グレムリン」と名付けられた怪物は、まずギャレットを見つけ、襲いかかります。

 

 

 

 

この時、隠し持っていた拳銃をグレムリンに向け発砲。驚いたグレムリンは機内の中へと入っていきます。

 

 

 

 

(体幹が凄くいい)

 

 

ちなみにグレムリンと聞けばスピルバーグ監督のギズモを思い浮かべる方が多いと思いますが、元々はイギリスに伝わる妖精で、第一次・第二次世界大戦の時に出現の噂が流行したバケモノです。

 

 

初見では非現実的な登場人物だなと思って観ていましたが、この後付の知識で少しだけ理解力が増したのも事実です。闇雲に映画的に描いているわけじゃないんだね。

 

 

話を戻します。

 

 

驚くことに、この気持ち悪いバケモノ(おそらくメス)は、ちょっとのことでは死なず、銃で撃たれるなどダメージを受けても何度となく彼女たちの前に現れる厄介さな存在です。

 

 

ギャレットは直ぐに機内に報告し「グレムリンが出たわ!」と注意を呼びかけますが、銃声を聞いた彼らにとって最も危険なのは「ギャレット」ということになりました。

 

 

「銃は持っていないって言わなかったか?」「持っていないわ」「じゃあ、さっきの銃声はなんだ?」「さぁ?銃声なんて聞こえなかったわ」「それとな、さっき問い合わせたんだけど、婦人補助空軍にモード・ギャレットという士官は存在せず、同乗者名簿にも載っていない。どういうことだ?」「・・・それは・・それよりもカバンは無事?」。

 

 

などとやり取りをしているうちに。グレムリンは機内の中に入り込み、クルーの1人が機内で目撃。「なんか居た!」

 

 

しかし他の乗組員たちは信用しない。なーにを馬鹿なこと言ってやがるんでい!ってな感じ。

 

 

(どうして江戸弁で書いたの?Σ(゚Д゚)特に意味はない)

 

 

まぁ・・第二次世界大戦中の南太平洋で連合軍機の乗組員が、日本軍機を見たと伝えて、信じてもらえないのも、少し平和に思ってしまうのだけれど。。

 

 

この無線でのやり取り・音声だけのやり取りが、暫く続きます。前半部分はクロエとバケモノだけが登場。

 

 

 

 

 

予想したとおり、クロエは顔芸で「熱演」しがち。ウォーやギャーなど、リアクションのパターンは少ないけれど、熱演という見方が出来る女優。このシーンは挟まった指が歪な角度に曲がってしまい、自力で指を真っ直ぐに治すという痛々しいシーンなどです。

 

 

さらに日本軍の機体が計3機、姿を現し、B-17を攻撃してきます。

ここでようやく、彼女の言葉を信じ、機内の兵隊たちも戦闘モードになります。

 

 

ホントに日本軍がいたぞ! うわぁ・・何だこのバケモノは!? 機内は一転パニックに。

 

 

彼女にしても、観客にしても、「さっきから言ってるじゃないかーいΣ(゚Д゚)」と突っ込みたくなります(^_^;)

 

 

同時進行する2つの攻撃物。

 

 

銃塔で日本軍機を1機、迎撃し墜落させることに成功したギャレット。

 

 

びっくり仰天だったのは、ハッチの開閉棒が壊れ、中から機内への移動が出来なくなったことにより、一旦、外に出てから機内の中に戻るという・・・トム・クルーズでも断りそうなアクロバットなアクションを披露。

 

 

 

 

ニュージーランド→サモア間の約3000kmの飛行だとしても・・

上空の気圧だったり、アイアンマンじゃあるまいし・・生身の人間がどこまで耐えられるのか?などは少し教えてほしいところです。

 

 

化け物と戦うアクション映画だとしても、「第二次世界大戦」「日本軍」「英国婦人補助空軍」など、描いている機関の存在が結構リアルだったりするので、ここらへんは説明不足に感じました。

 

 

・・個人的にはバケモノを登場させたことで、リアリティがなくなるわけで、最初からバケモノなしで紅一点の女性士官が活躍する軍用機アクションにすれば良かったのになぁ・・なんて台無しにする指摘を考えてしまいます(;´∀`)

 

 

 

日本軍の攻撃。グレムリンという得体の知れないバケモノ1匹が機内に潜入。戦闘経験の少ない軍用機の乗組員たちはパニック。

 

 

そうして、冒頭から彼女がしきりに確認する「カバンの中身」。映画の中盤、しびれを切らした乗組員の手によって、いよいよ開ける時が来ます。

 

 

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物語の紹介はここまでに致します。

 

 

現在、4000文字。前回、前々回の記事が1万文字を越しましたので、今回はあと1000文字だけ書いて終わりたいと思います。

 

 

この映画は「カバンの中身」に重きを置いているので、その部分を抜かして見せ場を紹介しますと、

 

 

例のグレムリンと、ギャレット演じるクロエとの、戦いが後半に用意されています。

 

 

最初の方は相手はバケモノですから銃や武器を使用しますが、最後の方は素手で異種格闘技戦のような戦い方をしています。

 

 

 

 

グレムリン「こいつは頂くぜ」

 

 

 

 

ギャレット女官「返せ、この野郎!」

 

 

見方によってはB級映画になるし、なんだかこのバケモノが、上空にいた時はコウモリに思えたので、なんだかウイルスを運んできそうで気持ち悪いなと思ったものです。

 

 

ちなみに、このバケモノは生物学的にはメスだと思うので、後半は女同士の闘いみたいな構図にもなります。

 

 

軍用機だったり、バケモノだったり、細部をこだわっているのが伝わり、予告を入れても1時間半くらいで終わる映画。

 

 

エンドクレジットには、第二次世界大戦当時のイギリス婦人補助空軍で活躍した婦人兵隊の活動の様子が、写真で紹介されます。

 

 

実際の婦人兵隊の方々が、この映画のように素手でファイトクラブをするようなアクションをしていたとは思えませんけど・・映画鑑賞後に、「グレムリン」や「婦人補助空軍」というワードを検索して、あながち空想だけのフィクションではないという妙な説得力がある脚本に感じました。

 

 

戦地で戦う男達は、女性から生まれる。

 

 

それは人間にとって当然のことではありますが、女性という母の生命力の強さに圧倒される男達、という後半の構図がとてもよかったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

脚本 14点

演技 13点

構成 13点

展開 14点

完成度13点

 

 

[67]点

 

 

 

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