引き続き宜しくお願いいたします。

 

 

最近は鑑賞順に和洋ミックスしていますが、溜まりに溜まり数が多いため洋画・邦画を分けて書きます。

 

 

洋邦どちらを先に書くか悩みましたが、

やらしい話、日本映画を優先させた方が需要も多そう(°▽°)。

 

 

書きやすいのは間違いなく、そもそもの書きの原点である洋画ですけどね。

 

 

今回は、劇場再開から現在ロードショウされている日本映画の新作を7作品描かせて頂きます。

 

 

洋画の最新作を記事にするのは9月の終盤か10月中になってしまうと思います。好みの方がいらっしゃいましたらすみません。

 

 

 

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『八王子ゾンビーズ』

 

 

 

 

監督🎬【鈴木おさむ】

 

主演【三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE:山下健二郎】

【久保田悠来】【藤田玲】【丘山晴己】【劇団EXILE:小澤雄太】【E-girls:坂東希】

【RIKACO】【SOPHIA:松岡充】他

 

 

配給[東映ビデオ]

 

 

 

劇場再開後、6月・7月の2ヶ月間は、新作の公開がどの延期作品も様子見の状態でした。

 

 

通常ならば1週間に2・3作品は新作が入っていたシネコンも、1本、多くて2本ほどに。

もちろん私も対策と警戒を充分にした上で映画館に足を踏み入れていました。

 

 

TOHOシネコンでの新作を鑑賞し尽くしてしまったことで、他系列のシネコンを検索し、この作品に辿り着いたのです。

公開された劇場数は少なかったと思います。

 

 

7月17日、公開初日での鑑賞となりましたが、午後の鑑賞・観客は私を含め8人という状況。新興勢力LDH所属のタレントさんが多数出演なので、イケイケの若者が鑑賞者に多いのかなと予想しましたが、ふたを開けると空席が目立ち、安心して席を確保できたのです。

 

 

現在はサマームービー効果もあって映画館にも人が戻りつつありますが、6月7月はたとえ人気作でもシアターの中に入ればガラガラという状況だったんですよね。いつか思い出になるのかな。

 

 

『八王子ゾンビーズ』という演目名を私は初めて聞いたのですが、2018年の夏に上演された舞台ということです。上演された劇場はTBS局のお隣にあります赤坂ACTシアター。赤坂ACTシアターは東京を代表する商業演劇の聖地的なホールなので、集客が見込めるキャストが出演しているイメージが強いです。

 

 

観客動員数は2週間で2万2千人という記録。イケメン集団とダンスが売りの舞台ですから、何度も観に行かれた方も1人にカウントされているのでしょう。

 

 

主演はEXILEグループの筆頭株J SOUL BROTHERS所属【山下健二郎】さん[35]。

 

 

他の出演者様は誠に申し訳ありませんが、殆どが初見です。私と接点があるのはゾンビ役の藤田玲君。角ばった輪郭が特徴的です。

みなさま程よくイケメンですが、「お顔」と「役名」が一致しないので、まずは劇中にある自己紹介の歌を聞きながら、其れを覚える努力をしました。舞台を観に行くと初見の方は沢山いますが、近いようで畑違いとなる映画(映像)を観に行くと初見の方は少ないんですよね。

 

 

舞台発の映画版。舞台でヒットした作品の映像化ということで、「演劇」の意識を持って鑑賞できます。なのでこのコロナ渦で東京まで舞台を観に来られない方には、今作はもってこいの作品だと思います。

 

 

映画というよりは、まさに「舞台を観ているよう」でした。

 

 

俳優のセリフの声量は大きく、聞き取りやすい。まさに舞台の出し方そのままでした。小さい声だと客席のお客様に届きませんから舞台役者の声量は映像役者よりも張る傾向です。でもボソボソ喋るよりは気持ちがいいです(^ ^)大きな声で演じると滑舌もよく聞こえますし。

 

 

1人1人順番にセリフを言っていくのもまさしく舞台といった感じ。映画というよりは映像演劇

 

 

そして「舞台ならでは」なのが、「舞台といえば」多少の笑い(コミカル)。合間合間に必要です。

劇中にキャストがボケますし、天ドンする残念なゾンビもジワジワ面白くなるのですが、観客席は実に静かなものでした。

 

 

(観客8人のせいかもねΣ(・□・;))

 

 

だけれどこれが、生の舞台の場ならば、観客席に座るのはファンですから、笑い声を出してくれているはず。

例えば好きな俳優が適当なギャグを言って最後に「なーんちゃって」とハニ噛めば、観客席は誰かしら笑うし、連鎖的に笑います。

それが映画になると座席には俳優を知らない方も多くなるので、「映画」を観に来ているだけだと無反応になるのではないかなと、この映画を見ながら舞台と映画の違いも垣間見れた次第です。

 

 

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東京都八王子市。

 

 

ダンサーの夢を諦めた20代半ばくらいの青年が、自分探しのために八王子の山奥にある寺院で生活することになるのですが、そこには「八王子ゾンビーズ」というチーム名を掲げた死に人が地縛霊と化して成仏できないでいます。ゾンビの生前は八王子のヤンキーグループでした。

 

 

ゾンビはゾンビでも、このゾンビは人間を食わない襲わない。なので「屍人=幽霊」で分類して観ていました。

 

 

ゾンビ共はダンサーである彼にダンスの教えを請います。

何故ならば満月の夜にダンスを完璧に踊ることにより、成仏できるとされていたのです。

彼らは成仏したいのです。

 

 

ダンスを諦めてここに来た主人公なので、なかなか首を縦には振りません。

しかしゾンビ達の熱意により指導を開始。教えるからには成功(合格)を目指し熱血指導。

 

 

やんちゃな若者グループが集団でゾンビになったということは、大きな事件が起きて死んだという他考えられません。

 

 

映画はゾンビ共の死の真相が描かれ、主人公とリーダーゾンビ(生前ヤンキーのリーダー)の熱い友情も芽生えます。

 

 

ゾンビにダンスを教えるうちに、主人公のダンスに対する熱も再燃してくる。俺、やっぱりダンスが好きだ!

 

 

本番を翌日に控え大問題が発生。センターで踊る主人公が監禁されるΣ(・□・;)

黒幕は・・映画の前半から紹介されていますお寺の茶髪の住職。八王子なのに何故か関西人。果たしてゾンビは成仏できるのか!?

 

 

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サッと語るとこんな感じ。

 

 

感覚的には面白い作品で、玄人向きではないけれど、程よく気持ちのいい劇後の気分でした。

 

 

ゾンビーズのキャストも、「ゾンビメイク➕ヴィジュアルメイク」をされているので、最初は誰が誰なのか、その把握が難しかったけれど、後半は馴染んできました。

 

 

監督は鈴木おさむさんです。悪いようには書けません。

 

 

なので指摘点という意見でいくつか書きますね。

 

 

「集団劇」になりますが、主人公と主役ゾンビが演技している時に、後ろの方の後方ゾンビの集中力のなさが気になりました。

 

 

セリフのないシーンで役に入っていない方が数名いらっしゃいます。

学芸会ではないので、ここは徹底してほしいなと思いました。

 

 

八王子のチーマー達のダンススキルも知りたいところです。

生前にダンスチームだったのなら話は分かりますが、ただの八王子のヤンキーチームです。

 

 

ダンスが苦手なメンバーもいるはずですから、先生の指導によってダンスが踊れるようになって行く、仮にダンス音痴なゾンビが踊れるようになるまで、をドラマで描いたら、この映画はもっと面白くなると思うのです。青春要素があるので、スポ根要素も上手に描いて欲しかったです。

 

 

そして肝心のクライマックスのダンス。これが期待したほど(全体が)揃ってはおらず、個人的には韓国のグループくらいのレベルを想像(期待)していたので物足りなかったです。でも生で見る舞台だと想像するなら、視線は板の下から見上げる形になりますから、満足したんじゃないかな、と贔屓目でも視ておりました。

 

 

 

俳優陣からは、

 

主演の山下健二郎さんは今回初めて演技を視させてもらいましたが、バラエティ番組で拝見するキャラと同じ等身大という感じでした。背筋というよりは「首の姿勢」がいいダンサー体系。演技の伸びしろが分からないので今後の役柄を視て語りたいです。

 

 

住職役のSOPHIAの松岡充さんは、『今日から俺は!』の【磯村勇斗】君に似ているなと劇中何度も思って観ていました。私にとっては学生時代によく聞いていたバンドですし、元SMAPの香取慎吾さんと共演された月9『人にやさしく』は青春時代に大ヒットしたドラマです。ロックバンドのボーカルが俳優業をすることが当時は珍しかったので、今回は懐かしさの方が強かったです。

 

 

演技面はどうなのかなぁ・・全然お寺の住職に映っていないから、どういう基準で演技力を視ればいいのだろう。

悪役セリフの際に顎を上に上げ、見下す目線で演じるので、「わざとらしい」という見方が強いです。

ただ松岡さんはこの映画の主要キャストで唯一、映像(向き)の演技をされていました。

 

 

ゾンビ共を成仏させないよう共謀する街の権力者役の【RIKACO】さんも、声量が大きく表情の起伏も激しい演技プランなので、やはり舞台向きでしたし、他のキャストも観客に向けて感情表現の少ない声量の大きさ。まるで昔の遊園地のヒーローショーで見た演劇みたいだったな。

 

 

そうですね、自分で書いておいて勝手に納得していますが、ヒーローショーとか忍者ショーとか、演劇やミュージカルというよりは屋外ショーという印象で伝えた方がしっくり来ます。

 

 

集団の舞台は2パターンあると思います。

集団ですから、勿論、主役という花形がセンターですね。

 

 

個を目立たすか、個が目立つか、です。

 

前者がチームプレイ、後者が個人プレイ。

 

 

この映画は多少、後者の感じがありましたが、中盤以降は後ろの方の俳優にもスポットが当たり、バランスが良くなっていきます。

 

感動はしたし台詞の面白さはあった。ただ映画作品としては高得点を出しづらい。

 

 

満月のダンスシーンに辿り着くまでのドタバタ劇では、背景が安定しないので、自主映画のような安っぽさを感じたが、気持ちが入っているぶんしまいは良く感じる。故に劇後の気分はいいのです。

 

 

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公開初日。プチハプニングに遭遇しました。

 

 

上映終了後に主演とメインゾンビの俳優による映画紹介映像が流れました。

 

 

人気の舞台を観に行くと、上演後に出演者が日替わりで登壇するなんて光景に時々遭遇します。

 

撮影秘話を話したり、失敗談を話されたり、そのたびにファンが笑うという展開を、いつも客観的に観ています。

 

今回は映画館なので観客も少ないですし誰も笑いません。これが舞台だったら大笑いなんでしょうね。

 

 

一頻りトークを終える流れになったので、床に置いたリュックサックに手を伸ばし帰り支度を始めました。

 

 

普通ならば「映画を見てくださってありがとうございます」で明るくなりますよね。

 

 

しかし真逆。

 

 

「それでは映画をご覧ください」と主演の山下さん等が振って・・場内が明るくなったのです。

 

 

鑑賞した劇場(ユナイテッド)側のミスなのか、本来は本編が始まる前に流す映像を、エンドロール後に流した形になっていました(^◇^;)

 

こういうハプニングも珍しいから新鮮でした。

 

 

 

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最後に

 

 

舞台はナマモノで、俳優をナマで観れるのも観劇の大きな魅力。

しかし舞台を上演する劇場は東京都心だったり各県庁所在地となるので点Pに集結。今の時期の都心移動は躊躇う方が多いことでしょう。

 

 

舞台はナマモノですが、映画は完成版。

そういう意味で今回の映画は「可能性」という意味でも観れましたし、舞台を映画館で上映するという新しい取り組みもアリではないかなと思えた希望的な作品です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

脚本 13点

演技 13点

構成 13点

展開 13点

完成度14点

 

[66]点

 

 

 

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『今日から俺は!!劇場版』

 

 

 

 

 

監督🎬【福田雄一】

 

主演【賀来賢人】

【伊藤健太郎】【清野菜名】【鈴木伸之】【橋本環奈】【磯村勇斗】【仲野太賀】【矢本悠馬】【若月佑美】

【ムロツヨシ】【シソンヌ】【佐藤二朗】【吉田鋼太郎】他

 

 

【泉澤祐希】【山本舞香】【栄信】【柳楽優弥】

 

 

 

一時期までは苦手な監督でした。

 

 

監督の作品が注目されるようになった頃、映画のストーリーを無視してアドリブ(自由演技)をきかせたり変顔をするなんて、それまでの日本映画をずっと観てきぶん呆気にとられて、これを肯定すると何かが壊れてしまうのではないか?と不安になり抗うようにしました。日本映画はこうあるべき、という概念がそういう気持ちにさせたのでしょう。

 

 

しかしこれもまぁ、例えば「優しくされると好きになる」みたいな感じです。

私が大好きなジャンプ漫画の『斉木楠雄のΨ難』の実写版を見て心境が一転。

 

 

ほら、好きな原作の実写化なんて殆どの方が複雑じゃないですか。主演の山崎賢人さん始め、勿論燃堂役の方も、キャラクターの見た目に寄せた俳優とが合っていて、原作愛が再燃しました。苦手が好きに逆転したのです。それからは何の抵抗もなく福田作品を楽しんで見れるようになりました。

 

 

そんな数ある福田雄一作品の中でも、『今日から俺は!!』は最も好きなドラマだったので、公開は楽しみだったし、公開後数週間はシネコンの中で一番大きいスクリーンで上映されていたので、時間帯によってはガラガラになります。高齢者向きのドラマではないですからね、昼間は空いていました。

 

 

「ヤクザ役は無理でも、ヤンキー役ならば、男なら誰でも演技可能」これが私の持論。

 

 

今の時代、暴力団の家で寝泊まりして取材した家田荘子先生じゃあるまいし、ヤクザ役って役作りどうするの?となる感じなので、結局Vシネに頼るのでしょうけど、ヤンキー役なら学校に1人はいますし、見た目からでも入れますし、お手本が沢山ありますからね。

 

 

私だってタンクトップ姿で金ネックつけてセカンドバックを持てば、それらしくなりますから。

 

 

(普段はリュックサックですけどΣ(・□・;))

 

 

映画の内容については特に触れません。

福田作品って、本筋を軸にするだけで、あとはアドリブや調子のいいコメディとなりますが、映像のクオリティーが高いので、ドラマ版と劇場版のクオリティーに大差がないように思えます。

 

 

今回は、卒業したら暴力団入りする生徒がほとんどだという、木更津の札付きのヤンキー高校に

 

 

校舎を失った隣町のヤンキー高校が間借りしにきます。

 

 

 

 

というヤンキー漫画ならでは!!ですが、現実ではありえない設定。

 

 

(ロケ代より俳優の出演料(+人数分の食費)と衣装代の方に制作費がかかってそうだな)

 

 

 

【賀来賢人】君[31]演じる主人公・三橋が通う軟葉高校は原作だとヤンキー高ですが、ドラマだと多少のツッパリがいる程度の普通の平和な学校になっているので、『湘南純愛組』でいうところの鬼爆が転校した初期の辻堂高校みたいな感じがして良い。今日から俺は!は自分の学生時代の作品ではないので、純愛組に例えさせてもらいました。

 

 

学園物ドラマでヒットした作品は要チェックです。多くの人が視聴しますが、特にティーン層の記憶に残っていることで、俳優の知名度が上がるからです。朝ドラに出演すれば国民的知名度を得て、学園物だと若い世代を中心に知名度を得る。

 

 

ドラマ版から2年の歳月が流れたとはいえ【橋本環奈】さんの安定感はすごい。キャラというか演技パターンに磨きがかかり見事な「鼻の穴全開」。鼻の穴を魅せるって、女性はすごく恥ずかしいと思うのですが、福田雄一監督作品でコメディエンヌとしての才能が開花しましたね。

 

 

当時は透明感があったので落ち着いた高校生に見えましたが、人妻となられた【清野菜名】さんは女子高生役が厳しく見えてきます。このドラマが出世作品となりましたが、彼女には特技にアクションという武器があるのでグローバルに活躍してほしいです。

 

 

 

映画版:新キャスト4名のうち2名に注目します。

 

 

 

 

【山本舞香】さん[22]というお名前が私の頭に浮かんだのは映画の中盤でした。

それまでは二階堂ふみさんとばかり思って観ていて、「あれ、出てたってけ?」と「ひとりパニック」になりました。

特攻服に竹刀というスケバンですけど、だいたいこの映画の規模は同じ町内・市内の話だから、歩けば出会うんですよね(笑)

 

 

鈴木福君が大人になったらこんなお顔になるのかな?と思わせる。【泉澤祐希】さん[27]。

私がハマった2015年のテレビドラマ『表参道合唱部』で部長役を演じていました。そのドラマに出演されていた女優・男優さんは、放送から5年が経った今でも贔屓にしたいほど気になる方々でございます。個人的にイチオシしている男優さんなので、メインに近い役柄で嬉しいです。

 

 

採点は難しい。今作なんて特に好きな人が観に行くわけだし、いい意味で映画規模ではなく(公園での撮影など)安っぽい背景で、役者の演技や演出だけで勝負している感じだし、ドラマの延長線上の気持ちで鑑賞出来る。減点材料は無い!

 

 

あ💡佐藤二朗さんは今回もスベっていました!

 

 

 

 

 

 

 

脚本 14点

演技 14点

構成 14点

展開 14点

完成度14点

 

[70]点

 

 

 

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『事故物件 怖い間取り』

 

 

 

 

 

監督🎬【中田秀夫】

 

 

主演【亀梨和也】

【奈緒】【瀬戸康史】【江口のりこ】【木下ほうか】他

 

 

 

現在2週連続で映画興行ランキング一位という快挙です。

 

 

主演は3人組グループとなったKAT-TUN【亀梨和也】さん[35]

 

 

映画は映画、個人は個人の問題ですが、世間を騒がせた故、どうしてもスルー出来ない時事ネタを先に書きます。

 

 

映画公開直前というタイミングで、夏休み中の女子高生らとの飲酒報道が週刊誌で報じられました。

この作品は世界にも売られるでしょうし、映画公開直前という事情もあり、謹慎とはせず始末書で手を打った。という大人の事情が大方の見方です。

 

 

ジャニーズ主演の映画はドル箱。ファンとは純粋な者。好きな人の為ならなんだってするのでしょう。

 

 

亀梨さんとは間接的な接点しかありませんが、とても好壮年だと思いますし、悪い噂を聞きません。

 

 

今は裏では謝罪行脚、表では御礼行脚でしょうけど、誠意を持って頭を下げられるので、関係者は文句の一つも言えない状況だそうです。

 

 

子供に酒を提供した店が悪いとか、女子高生が悪いとか、仲介したタニマチが悪いなど言いますが、結局は本人達の危機管理能力の低さが悪いと思います。

 

 

しかし、この映画は面白かったし、いい出来栄えだったので、なんとなく見る前と観た後では「もういいんじゃないか」という心境の変化に私はなってしまったんですよね。人の噂も七十五日。テレビでのニュース報道は今後(でき)ないでしょう。

 

 

とにかく興行収入10億円という大方の予想以上のヒットを記録しています。

映画は1人では作れません。この映画がもし主演の不祥事により飛んでしまっていたら?大変なことだったでしょうし、それを考えるだけで映画よりゾッとします。かしこ。

 

 

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松竹映画ということで松竹芸能所属のお笑い芸人さんが多数出演されています。

 

 

【中田秀夫】監督[59]

1998年『リング』の大成功で世界的ホラー監督に。18・20年『スマホを落としただけなのに』シリーズが大ヒットしたことも記憶に新しいミステリー・ホラー界を代表する日本人監督です。(個人的に好きなのは15年『劇場霊』)

 

 

売れない関西芸人の主人公が、売り込みをかけて訪れたテレビ局(地方局)で知り合いのプロデューサーから、事故物件に住んで怪奇現象をカメラに収めてこいと使命を受ける。もちろんヤラセはなしが条件。芸人の仕事がない主人公は躍起になる。そして霊現象を収めたことにより、テレビで注目され、その後は事故物件を転々としながら、怪談師として有名になっていく。

 

 

 

 

主な主要登場人物は4名。テロップ調で書きます。

 

 

【奈緒】さん[25]演じるヒロイン(劇中の呼び名は「梓ちゃん」)。

 

 

もともと主人公が組んでいたコンビのファン。コンビ解散後、テレビ局のメイクアシスタントとなった梓は、主人公ヤマメと局内で再会する。非常に霊感が強く、(おそらく死者を)呼びやすい体質。両想いなのは明らかだが、言葉にはせずに互いを気にかける。

 

 

ヤマメに頼まれ事故物件での撮影(出演)を受け、そこで過去に殺害された亡霊(悪霊)と遭遇。ヤマメが事故物件を転々としていくたび、彼女も新居を訪問する流れがパターン化。ヤマメに憑く死神を逝く先々で目撃する。

 

 

奈緒さんという女優は監督の前作『囚われの殺人鬼』が初見。今回はヒロインとして拝見して、実に魅力的な演技スタイルだなと思いました。池脇千鶴さんのような柔らかさの中に芯があるタイプの女優さんになっていくのではないかな。

 

 

何かを目撃して驚く表情の際にいくつか特徴が見えます。首から下は姿勢良く(胸を張る感じ)、首から上は軽く仰け反り、次の瞬間に顎をガクガク震わせる。

 

 

ホラー映画だからと言ってしまえばそうなのですが、恐怖の瞬間に目はあえて瞑りません。怖い時は目を瞑るのが現実的ですよね。

この映画の演出でも、女優はカッと目を見開いて、バケモノの方を見ています。

 

 

(目を閉じて、開いた瞬間、目の前にバケモノがいた方が怖いと思うのですが・・)

 

 

この映画で奈緒さんは、怖がる際、目の動きで目蓋を真上に上げています。目を丸くではなく、真上に上げるタイプは珍しい。

この目をひん剥く演技をなさるのは、同郷で活躍中の今田美桜さんと同じ。今後が楽しみな女優さん(^ ^)

 

 

 

【瀬戸康史】さん[32]演じる主人公の元相方・中井くん。

コンビに限界を感じ解散を申し入れ、放送作家として再出発。コンビ仲は良く同志の絆も強い。解散後もヤマメのことを気にかける。作家の仕事が上手くいかずに、好調なヤマメにあやかり事故物件に同居。すると最初の家で交通事故に遭い、続いて田舎の両親にも災難が被る。彼は事故物件に棲んだことが原因だと確信している。

 

 

中井君は「コンビ愛」という言葉が良く似合う好青年。人間的にも真面目でトコトンいいヤツです。同性が選ぶ男友達ランキングならNO.1ですね。

 

 

もっとギスギスしていてもいいと思うのですが、コンビ解散後は常にヤマメを気にかけているし、仕事がない時はお互い様で元相方に頭を下げるし、相方の恋路をさりげなくサポートしていたり「大親友」なんだなと見ていて思いました。そして後半は大活躍します。

 

 

 

上の2名がメインキャスト。

 

下の2名はバイプレーヤー。

 

 

 

【木下ほうか】さん[56]演じるマツオ。

 

 

地方局によく見かけるタイプの制作会社のプロデューサーだと思います。とにかく数字、己の功績を大事にするPですが、これも地方局の人情なんでしょうね。売れない芸人であるヤマメや作家に転向した中井を気にかけるので、そこに愛があることを教えてくれる。映画的に見ていると、このプロデューサーにも何かしらの霊障があってもいいと思うのですが、描いてはいません。電話越しにバケモノの声を聞いているのだから、逆算(オチ)があってもいいと思います。

 

 

 

【江口のりこ】さん[40]演じる不動産屋の横水さん。

 

 

おふざけが過ぎると思う態度(シーン)もありますが、大阪のイメージらしい町の不動産屋のお局様。主人公が来店し「事故物件ありますか?」で呼ばれる担当者が横水さん。社内の「事故物件担当」として以後ヤマメの引っ越し先を紹介します。横水さんで印象に残っているのは、お客であるヤマメに「お得意様」と伝えるセリフです。普通、お客に面と向かって「お得意様」とは失礼になるので言いませんよね。

 

 

不動産屋には事故物件を記載する義務がありますが、次の住民が住むことで、その記載は取れ情報告知をしなくてもいい。なので私たち不動産屋にとって(それを承知で棲んでくれる)あなた様のような方はお得意様と言えるのです。アマテラスのオフダが印象的でした。

 

 

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怖くて観に行けない方がいると聞きましたので、よろしければ頼ってください空手柔道有段者です。なんちゃって(笑)

 

 

この映画は面白いと思います。

怖がらしのタイミングも絶妙で、特に主人公が東京進出して移り住む千葉県千葉市稲毛区の木造アパートの部屋の内装は、理想的なジャパニーズホラー。

 

 

向かいの戸建て宅の人感センサーが反応したり、木造の扉がギーと音を立てて開く様子などホラー要素が詰まっていて完璧です。

 

 

東京進出後の住居探し。しかし東京は事故物件といえども家賃が高い。そんな主人公の事情を察して例の不動産屋が紹介したのが千葉県の事故物件。

 

 

都内ではなく千葉というのもいいですね。それも稲毛。昔よく夜の海で遊びましたよ悪友と(笑)

 

映画には移動の様子はないですが、総武線は黄色い電車。黄色の色は危険信号。。。と勝手に連想ゲームして、この映画の脚本を深いものにしております٩( ᐛ )و

 

 

では指摘点を書きます。

 

 

第一に冒頭のテロップで実話と書かないでほしい。劇中では生者も犠牲になるし、どこからどこまでが体験談なのか混乱します。

 

 

(もし実話だったら相方の活躍、ゴーストバスターズとして映画化できるぞ。)

 

 

心霊体験談は、分類すれば「夢」と同じで、本人しか語れないから、説得力がないんですよね。

 

 

第二に

 

 

一軒一軒のホラーはワクワクしたし、曰くに合わせた事故物件のリンクさにホラーを感じることが出来ました。

ですが、この映画は一軒一軒の終わり方が消化不良で、バケモノたちに失礼だなと私は激おこぷんぷん丸です。

 

 

事故物件に住み、そこで体験したことを文章に起こし、怪談師として壇上で発表する。

そして次のシーンでは次の物件にお引越し。

 

 

私が知りたいのは契約期間もそうですし、「どうやってアパートを引き払ったの?」という「その後」の展開です。

 

 

特に首吊りの家は、本編尺も短いですし、結局、事故物件にどのくらいの期間棲んでいたの?という疑問が一切描かれていないです。

 

 

事故物件なので家賃は安い。それが一番の魅力です。おそらく敷金礼金も安いか、もしくは省かれるのでしょう。

キャリーバッグと自転車で大阪府内の事故物件を転々としていく。

 

 

事故物件にも色々種類はありますが、どうしても心霊映像が撮りたい主人公が選ぶのは、自殺や殺人が起きた部屋。

そこで起きた霊障やイメージで見た追体験をテレビや舞台上で話す。

 

 

もはや「事故物件=話の種」という映画の描き方ですが、前の住人の死の真相や無念さを描いておいて、棲みつくバケモノに食わせてもらっておいて、供養もしないで次に行くという展開は失礼すぎませんかね。真面目過ぎる見方でしょうか?

 

 

幽霊に対して失礼な主人公だなと思いました。そりゃあ、こんな顔にもなるよ。

 

 

 

仏の顔ならぬ、死神の顔も3度まで!!

 

 

 

それと主人公の周りの濃厚関係者に危害の矛先が向きますが、相方に行くならば、梓ちゃんや彼女の身内にも危険が迫ってもよさそうですし、何より、私が描ききれていないと思った人物は主人公の両親です。

 

 

ヤマメの両親は無事なのか?一緒に棲んでいた相方の両親は悲惨な目にあったのに。ここが何1つ触れていません。

 

 

調子に乗るのは分かります。芸歴10年目にしてようやく売れ始めた芸の道。幽霊様様です。

しかし相方の両親が自分のせいで不幸に遭ってしまったのに、どうして主人公は平然としているのだろう?

そう思うと薄情に思いますし、事故物件ず・ハイになりすぎているので、何かあったら次に移り住むではなくて、せめて一軒に長く住んで幽霊と盃でも交わしてほしいな。

 

 

これは芸人の仕事なのか?と自問自答はしているのだろうけど、とにかく関西地方での知名度は上がっていき話題の人気芸人となり、東京のテレビにも呼ばれるようになったそうです。

 

 

主人公のように、周囲が気にかけてくれたり、ピンチの時に駆けつけてくれる友人がいるなど、周りの人に恵まれているのは、実際に考えれば至極幸せな環境だと思うんですよね。

 

 

 

最後に。

 

 

劇後にスマホのメモに残したコメントを載せます。

 

 

ドラマとしては面白いしホラー感も優れているが、

まるで『アベンジャーズ』のキャラクター・ビジョンを連想させるような死神のメタル感と、昭和のキョンシーみたいな悪霊退散部分は、違う映画を見ているようで少し白けてしまいました。

 

 

それと上京したばかりの主人公が歩く上野駅のシーン。(昭和通り上の歩道橋。路上生活者が寝ているので、早朝ロケだったのでしょう)神主兼霊媒師に声をかけられるけれど、このシーンは明らかに「じゅん散歩」でロケ中の高田純次さんにしか観えなかったです(笑)

 

 

と、色々とゲスト出演者は出てきますが、ワンシーンのみなのでゲスト感がより消化不良感を誘う。この映画におけるキーパーソンが欲しかった。

 

 

1作品の中で引越しの繰り返しなので、余裕を持って紹介する尺が少ない事情はお察ししますが、サブタイトル・怖い間取りの「間取り」をもう少し具現的に表現できれば良かったと思います。

 

 

エンディングシーンに歩く自転車置き場。

24時間100円という大阪料金に羨ましくなったのは私だけかな。

 

 

面白くて2回鑑賞してしまいました。自分には珍しいことです。

 

 

 

 

 

脚本 13点

演技 14点

構成 13点

展開 12点

完成度14点

 

ジャパニーズホラー加点2

 

 

[68]点

 

 

 

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邦画7作品を1記事に書く予定で書き始めましたが、あまりに1作品ごとが長くなったことで、前後2記事に分けます。

初期から鑑賞順に書くスタイルを貫いています。

 

 

続きは来週中には載せられたらと思っております。私なりになるべく早く書きたいし載せたいです。

なぜなら絶賛したい日本映画があるからです。後編に語る邦画作品を下に記しておきますね。

 

 

 

後編紹介作品

『ぐらんぶる』A

『糸』B+

『青くて痛くて脆い』B+

『宇宙でいちばんあかるい屋根』S

 

 

 

※25日付追記。

 

 

前編後編に分け今週中にも記事を載せようと心掛けましたが、途中まで書いていた後編の文章が自分的に納得できず、一度白紙に戻しました。リセットからの気力回復に時間がかかる故、タイトルを7作品ではなく『3作品』に修正いたしました。

 

 

上記に挙げた日本映画は来月に入ってから改めて書こうと思いますm(_ _)m

 

 

 

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【mAb】