皆さまこんばんは🌙

PS-Customizeの渡邊です。


本日は、M様ご依頼の機体についてです!

メル○リのとある出品者から7月頃に購入された機体とのことですが...残念なことにひと月でYLOD(3034)になってしまい、当店にてリファービッシュ基板への交換を承りました。


*本記事は、この機体をメンテナンスした方を叩いたりするつもりはなく、せっかく購入されたM様にも申し訳ない内容です。他所様を悪くいうことはしたくありませんが、正直に書かせていただきます。


それでは...


今までの機体に例外なく言えることですが、ここが切ったまま放置またはセロテープやマスキングテープ等で適当に固定されていたものは、中のメンテナンスも杜撰でした。

もちろん、全てが全てそうではないかもしれませんが、私はあまり良い印象を持っていません。



スイッチ基板のフラットケーブルは別のものに交換されていました。


チラッと見えていますが、コンデンサの追加実装とプロードライザにサーマルパッド貼られているのがわかります。


無線アンテナの固定はマスキングテープですね...


VRM裏のサーマルパッドは交換されていました。ここまではいいのですが、なぜか剥がした元のサーマルパッドがプロードライザに貼付されています。


惜しいことに、新しく貼付したサーマルパッドは2mm厚のようですね...本来使うべきは1.5mmです。

古いサーマルパッドはプロードライザに貼って流用、新しいものも厚みも違う...これなら交換しない方がマシです。


追加実装されたコンデンサも見ていきましょう。



コンデンサが欠けていますね...

発火等するか、物理的な力が加わらない限り、このようなことにはならないはずです。

なんでかな〜?と観察したところ....よく見ると、「470 6V」の刻印がうっすら残っていることに気が付きました。



そう、コイツです👆

中華タンタルコンデンサですね。


追加実装された4個のうち他の3個は、SP-Capっぽい詳細不明なタンタルコンデンサでした。

SP-Capと刻印が似ていますが別物で、中華タンタルコンデンサの類だと思います。


ではなぜ、中華コンデンサだけ刻印が削れているのか、ここからは私の想像ですが、

4個のうち3個はSP-Capもどき→1個だけ中華コンデンサだと印象が悪い→なら刻印を削って誤魔化しちゃえ!→削っている最中に欠けた

といったところでしょうか?

そうではないことを願いたいですが...


他のコンデンサも浮いていたり...


側面が溶けていたりと、実装の質は良いとは言えません。


そもそも、中華タンタルをはじめメーカーもわからないような怪しい部品は採用するべきではありません。

中華タンタルコンデンサはデータシートすらなく、周波数特性が不明で信頼性にも疑問があります。


個人の趣味の範疇で使用するならともかく、人様に売るものに使用するのは適当とは言えないと思います。


当店においても、過去に中華タンタルコンデンサを採用していましたが、当店で修理等させていただいた後にオーバーホールなどのアフターサービスを承ったものにおいては、無償または格安でSP-Cap等へ交換しております。一律に対応いたしますので、該当される方はお気軽にご連絡くださいませ。

対象:〜2024年7月末までにプロードライザの交換(タンタルコンデンサ)を依頼されたお客さま


少し脱線しましたので、話を戻します笑

どんどん見ていきましょう👇



電池ホルダーが熱で変形していました。

電池は収縮チューブで養生されていましたが、まさか取り付けた状態で加熱しているのでしょうか...?


収縮チューブを取り外すと...両端子はマスキングテープで固定されていました。


VRMのサーマルパッドは交換されていました。厚さは1.5mmでプリカットのものを使用しているようです。これはOKです。

ただ、残念なのが、交換した箇所に元々貼付されていたサーマルパッドをその上のチョークコイルに流用...


千切れていなかろうと、元のサーマルパッドは20年前のものというのを考慮すべきです。

交換しないなら剥がさずにそのままにしておき、一度剥がした場合は交換したほうが良いでしょう。


特記すべき点は以上で、最後に状態をまとめます。

この機体においては、分解清掃、タンタルコンデンサの追加実装(CELL/RSX 2個ずつ)、一部サーマルパッドの交換、CELL/RSXの殻割り、CELL/RSXのブレイサー追加が行われていました。リフロー痕はありませんでした。


忘れてはいけないのが、この機体は3034 YLODが発生しているということです。

購入してから1ヶ月ほどしか使用できていなかったことを考えると、殻割りやグリスの塗り替えだけでは、バンプゲートによるYLODの対策としては不十分だということがわかります。


しつこく言いますが、ほとんどの3034 YLODは「RSXのパッケージと基板間のはんだボール」ではなく、「RSXのダイとパッケージ間の極小なはんだ(バンプ)」が原因です。

当時の技術資料、故障統計等のデータを考慮しても、90nm RSXはNVIDIA バンプゲートの影響を受けていると判断して差し支えないと思います。


CECHA00等90nm RSXが採用されている機体の購入を検討されている方は、必ず「ファンテーブルのカスタム+低電圧化」を行っているものを選択してください。

(65/40nm RSXに交換されているリファービッシュ基板搭載機があれば、その方が良いです。)

また、今回の機体にも言えることですが、メンテナンスされた機体を購入する場合は、どのようなことが行われているのかが明記され、かつ写真が載っているかも重視してください。残念なことに、写真も載せていない、"メンテナンス済み"など抽象的な文言のみで具体的に何をしたかがわからない品の中には、杜撰な作業がされていたり、3034を炙って復旧させた粗悪品があります。


バンプゲート対策がされていると言われている90nm RSX CXD2971B1GBは、現時点で確証が取れていないため、これが載っていると明記されている機体は基本的には進んで選ばない方が良いでしょう。

現在、各種実験や採用されているアンダーフィルの特定、その他素材や構造等の変化があるかなどの調査を行っており、進展があれば記事にします。


余談が長くなってしまいましたが、以上になります!


M様、ご満足いただける機体に仕上げますので、もうしばらくお待ちくださいませ。


ご覧くださいまして、ありがとうございました✨



2026.9.5 作成