皆さまこんばんは🌙

PS-Customizeの渡邊です。


まともに投稿するのは1週間ぶりくらいになるでしょうか...?


早速ですが、記事を連投していきます笑

まずはこのネタから...!👇


当店では、プロードライザの代替コンデンサに高品質&高信頼なPanasonic製のSP-CapまたはPOSCAPを採用しております。

左下から順番に

・Panasonic SP-Cap EEF-KX0E471RB

2.5V、470μF、3mΩ、125°C 5500時間

・Panasonic SP-Cap EEF-GX0E471R

2.5V、470μF、3mΩ、105°C 2000時間

・Panasonic SP-Cap EEF-UE0E471ER

2.5V、470μF、12mΩ、105°C 1000時間

・Panasonic POSCAP 2R5TPE330M9

2.5V、330μF、9mΩ、105°C 2000時間


RSX側に使用する代替コンデンサは、修理依頼品においてはKXGXシリーズを...メンテ品の製作ではGXUEシリーズをそれぞれ使用しています。

UEシリーズについての説明は割愛し、記事の最後の方で少し触れます。)


KXシリーズについては、単価が高く一度に大量入荷はできない(一注文で50〜100個程度)ため、ご依頼の時期や在庫状況により、お応えできないまたはお時間を頂戴する場合があります。


なお、KXGXシリーズの違いは寿命のみとなり、基本的に性能や特性は同じです。

GXは105°C 2000時間であるのに対し、KXは125°C 5500時間となります。


アレニウスの法則に基づき「常時65°Cの環境で24時間使用」したと仮定して推定寿命を計算すると、

GXシリーズでは...

温度の差から指数を算出:(105-65)÷10=4

寿命(時間)を算出:2000×2^4=32000

時間を年に直す:32000÷24÷365=3.652...

ということで、約3.6年


KXシリーズでは...

(125-65)÷10=6

5500×2^6=352000

352000÷24÷365=40.18...

ということで、約40.1年


温度は少し高めに見積もっていますが、KXシリーズではこのような条件下でも40年持つ計算になります笑


寿命の話はさておき...


CELL側はA0901001(いわゆるシャットダウンRLOD)が出ている場合にのみ交換し、基本的にPOSCAPを使用しています。


KXシリーズより上の製品(TXシリーズ 135°C品)もあるのですが、残念ながら「2.5V 470μF 3mΩ」の要件を満たす製品はありません...

TXシリーズでプロードライザを代替できるコンデンサを挙げるとすれば、EEF-TX0E391RB(2.5V、390μF、3mΩ、135°C 5500時間)が最良だと思います。


390x4=1,560μFですから、0E128等のプロードライザ(1,200μF)を置き換えるには問題なさそうですね!


470μFでも支障はないかと思いますが、静電容量が低いほどESLが下がる傾向にあるので、敢えて330〜390μFを採用するのはアリかもしれません。

(SP-Capクラスになると、そもそも低ESLなので、気にする必要は皆無だと思います笑)


余談ですが...

はんだにもこだわっており、gootのSD-64を使用しています。

Sn(60)+Pb(37.5)+Ag(2.5)の構成で、少量の銀を含有しています。

銀を含んでいるので、ぬれ性や拡散性、温度サイクル耐性、クラック耐性にも優れています。

接合部の信頼性が高くなるので、余計な抵抗やノイズが発生しにくくなり、長寿命化が期待できます。


最後に実装例を載せて終わりにします👇


・SP-Cap EEF-GX0E471R

各種マザーボードに実装されているSP-Capといえばこの製品です。PS3にも採用されています。

見た目が同じような中華のパチモノも出回っています...


・SP-Cap EEF-KX0E471RB

高級感があって一番カッコいいです✨

サーバーなどの常時稼働システムや信頼性が求められる環境で採用されるコンデンサです。一般向けの製品でこれが採用されている例はないかと思います...


・SP-Cap EEF-UE0E471ER

SP-Capの中でも初期の製品で、既に生産が終了しているコンデンサです。

現行製品と比べると劣る点は多いですが、一般タンタルコンデンサよりは信頼性が高く、安定した性能を持っています。

厚さが4mmですので、写真のようにCELLやRSXが実装されている側に取り付ける必要があります。


・POSCAP 2R5TPE330M9

グラフィックボードで見ることが多いコンデンサで、PS3のFBVDDQライン等にも採用されています。

タンタルコンデンサの一種ですが、ポリマー自己修復機能等により安全性を確保しています。


ということで、このネタは以上!

ご覧くださいまして、ありがとうございました✨



2025.5.21 作成