皆さまこんにちは☀️
PS-Customizeの渡邊です。
GW中とその前後の週は大変忙しく...
空いたわずかな時間で依頼品の2台の修理をしていました!GWの週終わりには、PS4のリボール、PS3のRSX取り外しを...
というわけで、本日からほぼ毎日更新して行きますので、よろしくお願いいたします🙇
まずは、この2週間くらいを振り返ります↓
①依頼品1台目
-12基板、90nm RSX '07製DGB、1002 YLOD
RSX側プロードライザの劣化によるYLODを修理しました!
安定のPanasonic製SP-Capを使用✨
やはり'07製のCXD2971DGBはアンダーフィルが改良されたのではないか...と日々考えています笑
②依頼品2台目
-22基板、40nm RSX '11製A1GB、ゲーム中にA0802120
起動中に発生するA0802120は、RSXのバンプゲートやHDMIコントローラーの異常、その他電源系回路の異常が疑われますが、検査しても一切異常なし...
リファービッシュの1002は、基本的にA0002120を先頭にしてA0302203,A0231002と続く複合エラーが記録されるので、この機体もプロードライザの劣化が原因ではないかと推測しました。
RSX側プロードライザをPanasonic製SP-Capに交換したところ、電源が落ちる不具合は解消されました!
A0901001が出ていたため、CELL側のプロードライザはPanasonic製POSCAPに交換!
*参考
CXR714120-304GB 40nm RSX リファービッシュ基板で発生する1002 YLOD
③PS4 CUH-1000AのAPUリボール
いわゆるBLOD(電源が落ちないパターン)で起動しない機体です。基板はSAA-001です。
一部では、CUH-1000および1100系で採用されているAPUのバンプまたははんだボールには問題があると言われており、APUと基板の導通不良でBLODとなるようです。
*APU以外にも原因は存在し、HDDの故障やHDMIコントローラーの故障で発生することもあります。
電源がすぐに落ちるBLODは、ほとんどが12V系無通電(電源ユニットの故障)によるものですので、簡単に修理できます。
PS3とセットで購入した、いわばおまけ的なもののため、最悪壊れるのを覚悟で作業します。
やや不十分ですが、120°C 6時間でプリベーグしたのち、カプトンテープを貼付して...
いざ、取り外し開始!
綺麗に外せました✨
パターン清掃後ですが、基板の膨張やパターン剥がれもなし!
メモリはELPIDA製でしたが、Micronに買収される直前の頃の製品でしょうか...
APU側も綺麗にして...
サクサクっとボールを載せます。
鉛含有の0.55mmにしました。
とりあえずはここまで終わらせて、放置!笑
少し時間が空いてしまったので、実装時にはプリベークから始めないとですね...
APUは、PS3のCELLと同様にSysconと紐付けられているので、APUを壊したらゲームオーバーです。
AliExpressなどで販売されているAPU単体はポン付けでは動作しません。
④公式リファービッシュ基板の失敗品?からRSXを取り外す
公式リファービッシュ基板と思われるものですが、YYYY-MM、40のシールが貼付されていない基板です。
管理コードはNPAi-539で、RSXがCXD5301DGBで2013年の第35週に製造されているので、おそらく2013-10Cだと考えられます。
管理コードは書き換えられた跡がありますので、2回目の修理品の可能性があります。
CELL/RSX/CELL側のプロードライザ1個を交換されている珍しい基板ですが...
残念ながら、CELLとSBを繋ぐ回路周辺(青丸🔵シール部分)が膨張しています笑
分解した時にはこの状態でしたので、メーカーの修理失敗品(そのためYYYY-MM、40のシールは未貼付)なのかもしれません。
ただ、メーカー以外で一度分解された形跡もあったので、闇雲にリフローを試したものなのかもしれません...
(CELL側に追加でフラックスを塗布したような跡も見受けられました。)
ダメ元でエラーログを取得したところ、意外にも2120,2203,1002の複合エラーでしたので、RSX側のプロードライザをPanasonic製SP-Capに交換してみました。
エラーが3034,4441に変わりました笑
過去の例と同様にCELL側のRX4シーケンスで3034となっていました。
前回はサウスブリッジのリフローで直りましたが、この基板は、CELLとサウスブリッジを繋ぐ回路周辺が膨張しているので...いわずもがなそういうことです笑
CELL自体は壊れていないと思いますが、これを修理する場合は、Syscon、NAND、CELLをセットで別の基板に移植する必要があります。
基板は部品取りに回して、生きていると思われるRSXを取り外します。
取り外しの失敗率を下げるため、IHSの殻割りがどうしても必要になります。
IHSを取り外すことにより、危険水域(250℃〜)まで加熱せずともはんだボールが溶けるようになります。
ただ、40nm RSXの接着剤(エポキシ樹脂)は、90/一部の65nmより非常に強力ですので、テコの原理で取り外そうとすると、BGAの損傷やVRAM破壊のリスクがあります。
そこで、今回はVRAMとヒートスプレッダの間に極薄の刃を差し込み、接着剤をカットしていくという方法で殻割りを行いました。
上側2箇所は刃でカットし、下側2箇所は150℃くらいで温めながらヒートスプレッダをゆっくり動かして取り外しました。
昨日の晩から今夜まで約24時間プリベークしたのち、取り外そうと思います...!
SP-Capも取り外さないとなぁ...
ということで、本日はここまで!
ご覧くださいまして、ありがとうございました✨
2025.5.13 作成
2025.5.13 修正