皆さまこんばんは🌙
PS-Customizeの渡邊です。
本日は、BD(Blu-ray Disc)ドライブのお話です!
かなりマニアック&文字がびっしりです笑
それでは早速...👇
CECH-2100系までのPS3は、BDドライブにも基板が存在します。この基板は、メイン基板と紐付けられており、故障などで別のPS3から移植しようとしても、単に交換するだけでは機能しません。
交換後も正常に動作させるためには、FSM(ファクトリーサービスモード)に入ってドライブの再紐付けを行う必要があります。
ここでいうドライブの再紐付けは、CFWを用いて行う方法で、公式が行っていた方法とは若干異なります。
で、ここからが本題なのですが...👇
CFWによる再紐付けは正規の方法ではないためか、この方法を用いてCECHA00,B00でBD-400→BD-410に交換すると、SACDを読み込まなくなる(厳密には読み込むもののXMBに表示されなくなる)ことが判りました。
ちなみに、BD-400→BD-400に交換した場合は問題ありませんでした。
また、リファービッシュ品など、Sony公式によってBD-410に交換されたものは、SACDも動作します。
ここで疑問なのが、「BD-400→BD-400に交換した場合はSACDも機能する」という点です。
基板同士の紐付けはEID Root Keyを用いて行っていますが、再紐付け時は、メイン基板とBD基板間でこのキーを一致させる処理(書き換え)をしています。
再紐付けを行った後にSACDが読み込めなくなることを考えると、ここのプロセスで何らかの問題が発生していると思われます。
ここで、BD-400とBD-410の違いを見てみましょう。
BD-400のピックアップレンズは、KES-400Aという単眼のものが採用されています。
対して、BD-410はKES-410Aが採用されています。
(例外として、H00の初期ロットに搭載されているBD-410はKES-400Aが採用されています。)
続いて、CFWでBDドライブ基板に書き込まれている情報を見てみましょう。
こちらはCECHA00 オリジナル機(BD-400搭載)の情報です。
なぜかBD-Laserの欄が、"0x01(KES-410, No SACD)"となっていますが、BD-400を搭載しているCECHA00です。
ちなみに、CECHB00ではMoboの欄が、"0x02(COK-002, Rev 2)、BD-Laserの欄は、"0x04(KES-400, SACD)となっていました。
そしてこちらが、CECHA00 公式リファービッシュ機(BD-410搭載)の情報です。
BD-Laserの欄が、"0x3D(未知)"となっています。
BD-410ですが、SACDを再生できます。
そして、CFWによる再紐付けをしたとき、BDドライブをBD-400→410に交換してもこの情報は変わりませんでした。
つまり、書き込まれているレーザーの値でSACDの読み込み可否を判断している可能性があります。
(そうであるならば、BD-Laserの欄にSACD,No SACDの表記があるのも頷けます。)
H00やL00などでもこの値を書き換えることでSACDに対応させることができるのかも...?
以上のことから推測すると、
・BD-400→BD-400なら、どちらもピックアップレンズがKES-400Aのため、SACDが読み込める。
→交換前後の型番が一致しているので、BDドライブ情報が変わらなくても問題ない。
・BD-400→BD-410では、ピックアップレンズの型番が変わるので、SACDが読めない。
→交換前後で型番が変わるため、書き込まれたBDドライブ情報と一致しない。
読み込まないのは、SACDの暗号化関係なのかな?とも思いましたが、型番が変わらなければ問題なく読み込むので、BDドライブ情報の不一致が原因である可能性は高いです。
ということは、KES-410AのBD-410に載せ替える場合は、BD-Laserの値を"0x3D"に書き換えなければならないのでしょうか。
lv1やEEPROM、NANDのダンプを見てみましたが、Target IDと思われる値以外は見つけられませんでした。
ここまで書いたことはあくまでも仮説ですが、KES-400AのBD-410を紐付けてSACDが読み込めるのであれば、ほぼ間違いないでしょう。
なお、SACDに対応しているのが国内版ではCECHA00,B00のみですので、H00以降の機種で再紐付けをする場合は特に問題ありません。
かなり技術的な話になってしまいましたが...以上です!
ご覧くださいまして、ありがとうございました✨
2025.4.3 作成