皆さま、こんにちは☀️
PS-Customizeの渡邊です。
本日は、メンテ+筐体加工の作業に取り掛かります。
早速ですが、プロードライザの代替に使用するコンデンサはこちら!👇
CELLには...
Panasonic製POSCAP(導電性高分子タンタル固体電解コンデンサ) 2R5TPE330M9
RSXには...
Panasonic製SP-Cap(導電性高分子アルミ電解コンデンサ) EEF-GX0E471R
+αでAWG26のリード線4本
陽極のブリッジ用です。
以下余談です。
POSCAPはタンタルコンデンサの一種ですが、安価なものや中華製のものよりもESRが低く(100kHz 7〜9mΩ)、故障時の安全対策(ポリマー自己修復機能による絶縁化)が講じられています。
SP-Capは、私が知る限りプロードライザの代替に最適なコンデンサです。超低ESR(100kHz 3mΩ)かつ高リプル、長寿命を誇り、安定した周波数特性を持ちます。
プロードライザは、品質はアレですが性能だけ見ればまさにバケモノ(大容量かつ超低ESR、広い周波数帯で低いインピーダンス)で、これの特性を代替コンデンサで模倣するには、高容量コンデンサ(低〜中周波のノイズカット)+低容量のコンデンサ(高周波のノイズカット)を組み合わせる必要があります。
しかしながら、重要なのは高容量コンデンサのESRが低いことです。
低〜中周波ノイズの方が電源ライン与える影響が大きいため、例えば、タンタルコンデンサを使用して修理する場合においては、MLCCなどを追加することよりも、タンタルコンデンサ自体をより低ESRなものにすることのほうが意味があります。
もちほん、CELLやRSXもある程度まではノイズを許容できますが、ただ害があるだけで利はないため、ノイズが少ないに越したことはありません。
低ESRなコンデンサがよいと話をしましたが、陽極のブリッジ(並列化)をすることで、更に全体のESRが下げることができます。例えばコンデンサが1個のときのESRが6mΩならば、その他に影響を与えるものを無視して単純計算すると2個で3mΩ(1/2)、3個で2mΩ(1/3)...となります。
プロードライザ(0E128 1,200μF)は、カタログスペック上でESRが100kHz 1.5〜2mΩ(発表時点では 100kHz 5mΩ)となっています。
これがCELL/RSX毎に4個ずつあるため、単純計算で0.375mΩ(1.5mΩ/個)〜1.25mΩ(5mΩ/個)となります。
プロードライザ1個あたり、代替コンデンサを3〜4個使用すると思いますが、そのESRは4mΩ以下が理想で、用意が難しい場合でも9mΩ以下であることが好ましいです。
なお、PS3の回路では、プロードライザが陽極のブリッジの役割も果たしているため、1つ残っていればリード線の追加は不要です。(私は念のため行っています。)
*プロードライザを全部交換する場合は、必ずブリッジをしてください。
兎にも角にも、プロードライザを交換する際は、以下の三点を念頭に置いて行っていただければと思います。
・できる限り低ESR(≦9mΩが理想)なコンデンサを使用する。
・プロードライザを全部取り外す場合は、必ず陽極のブリッジをする。
・余裕があれば、高周波ノイズの対策
さてさて、話を戻しましょう...笑
プロードライザを取り外しした後👇
残っているはんだを溶かして...
サクッと実装!
私はソルダーレジストを削らない派です笑
続いて、オーバーホールと筐体加工に進みます!
夕方前までには終わるかな...?
2025.3.26 作成
2025.3.26 修正