以前、修理のご依頼でお預かりしたCECH-3000A。
ディスクの読み込み不良と異音が見受けられるとのことでした。

動作確認時は、一部読み込めないディスクがあったものの、異音はしませんでした。
原因の特定のため分解してみると…


なんと、バッグ・クロージャ―(食パンの袋を留めるプラスチック器具)がドライブ内に入っていました。異音の原因はこれのようです。
なお、読み込み不良については、ピックアップレンズの交換にて修理しました。

このバッグ・クロージャーについては、依頼者さまに確認したところ、「どうやら子どもが入れたようだ」とのことでした。

なんともクスッとしてしまう原因ではありますが、仮に金属製のものだった場合は、電気系統がショートしたり、ドライブ内のプラスチック製ギアの折損なども起こりえます。
スロットイン式のドライブは、中に物が入ってしまうと、分解せずに取り出すのは困難になりますので、お子さまのイタズラにはご注意ください...!

 

☆余談
この機体の基板(KTE-001)には、ELPIDA(JAPAN)製のXDR DRAMが搭載されていました。

MicronによるELPIDA(旧NEC日立メモリ)の吸収合併が完了したのは2013年の夏、CECH-3000シリーズの発売は2011年の秋ですので、このXDR DRAMはELPIDA終期の製品です。

最終型番のCECH-4300Cの基板(XDR DRAM)や28nm RSX D5305xのVRAMでも見られます。

現在だと、KIOXIA(旧東芝メモリ)製のNANDフラッシュメモリでJAPANの刻印をみることができます。SSDやUSBメモリに採用されており、一般向けでは唯一の日本製だと思います。

過去には、富士通や三菱もDRAMを生産していきましたが、2000年代以降は衰退していきました。
直近だとRapidusが新たに誕生しましたが、日本の半導体産業の復活の第一歩となってほしいですね。

 

 

※ホームページに掲載した記事の移植です。

2024.8.12 作成

2025.3.14 修正