バイクのユーザー車検(第4回)はまたもや壮絶な戦いに。一体何でいつもこんなに苦労するのか…それは | PRYCE16写真日記(~2017)

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このブログも今やすっかり凸凹凸凹ブログに?(笑)

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2年に一度の決戦の日がやって来た。昨年はGWから雪の降りそうな季節までまったくバイクに乗らなかった(そして主にヤネナシ号とのお別れドライブをしていた)ので、猛暑の中バイクに乗るのは2年ぶりとなった。近年めっきり暑さに弱くなったと思っていたが、いざ走り出してしまえばなんとかなるものである。検査ラインには閑古鳥が鳴き、入口の到着するや、即検査が始まってしまった。なのでこの間は暑いのにジャケットを着たままだ。





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本日一番気になっていた音量測定は、95dBという実に可愛いらしい結果となった。それもその筈、バッフルナシでも保安基準の99dBをクリアするマフラーをオーバーホールしたばかりな所に、更にバッフルも装着して臨んだのだ。

せらしキャンセルによるエンジンからの激しいメカノイズを気にしての処置だったのだが、6000回転も回すと流石に排気音の方がうるさくなる。検査員は諸元表を確認する事もなく、自らアクセルをアオり、きっちり6000rpmまで回していた。








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そして本日2番目に気になっていたヘッドライト検査は、この段階で散々なものとなっていた。1回目はまあ仕方ないとしても、テスター屋で調整してもらったにもかかわらず光軸が下向きと出た。だがこれは、テスター屋と検査ラインでは「床」の高さが異なる為、ラインで思いっきり足をついて踏ん張ってしまった為にリヤサスが伸びたものだと判明した。これは前回も一度「×」をくらった。

だが1回目で光量が出ている事を綜合判定員に確認したにもかかわらず、今度は10000cdしか出ていないという。光軸が合ったから焦点が変わったのではないかというような事を言っていたが、とにかくこれで、NC30の持病ともいえる光量不足と今回もまた対峙する事となった。

再びテスター屋に行き、どこまで回せばOKかを確認するが、8000回転以上は違いがない事がOH後始めて6000回転以上回して判った事だった。テスター屋さんにも「バッ直しかない!」と言われ、6年ぶり2度目目となる「泣きながら帰宅」となった。





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あまりにパニクっていた為、壮絶な作業中の写真がほとんどないが、バッテリーから左目のハイビームまでを直結する怪しげなケーブルを作成し、あまり目立たないように引き通した。











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何だかよく判らないが、作業後の壮絶な「和室」の床。通称「フェラーリホーン」のばったモノを友達からもらったものについていた太い線とリレーを使おうとしたのだが、面倒なので直結する事にした。




その後またもやテスター屋に持ち込み計測してもらうと、アイドリングでも基準の12500cdを通り超して、1灯の基準値である15000cdをもクリアしていた。バッ直の効果は絶大である。光軸を再調整してもらい、既に凱旋気分で検査ラインに並ぶと…

ヘッドライトの光り方がヘンな事を一発で見破られてしまった。

ロービーム状態のまま検査ラインに進入してしまったのが敗因だ。ここで検査員や野次馬(?)がわんさか集まってしまい、これでもう今日の車検は終わったと思った。



だがここで、光量不足で悩む世のNC30乗りには極めて朗報とも思える情報を得た。


「2灯車をレーサーのように完全片目化するのはNGだが、ロービームが2灯であればハイビーム(=光軸検査)は1灯でも良い。但し光量が12500cdから15000cdへとハードルがあがるけどね。」


実際には2人の検査員の口から交互に出たものなので、この通りではないのだが、特筆すべきは「レーサーのように」というくだりである。ヘッドライトのついたレーサーなんて、耐久車しかないではないか!それも日本で定期的に放映されているのは鈴鹿8耐位だろう。もしやその世代か?もて隊で8耐ごっこした事とか話とかしたら食いついてくるかな…今日の衣装は青V4Tシャツだったが、赤V4Tシャツにしたら検査なんかそっちのけになるかな…等と、この切羽詰まった状況で色々な事が頭をよぎる程の余裕が出来たのは、後半の「15000cd」の件を既に十分にクリアしていたからだ。何故か左目の暗いボクのNC30だが、右目はちょっとフカせば15000cdをもクリアしている。。これで今度こそ本当に出口が見えた感じがした。

左目の怪しげなバッ直配線を外し、元のコネクターを差し込む前に、ハイビーム側の電線を、近くにいたトラックドライバーの方からペンチを借りて切断。メインハーネスにメスを入れてしまったのはちょっと残念だったが、背に腹は変えられない。その後またもやテスター屋まで車両を持ち込み、状況を説明し、再々々々々々光軸調整を行ってもらい、光量も再確認。1灯になった為に電力に余裕が出来、バッ直ではないもののこちらもまたアイドリングで15000cdをクリアする程。ほんの少し吹かせば充分だ。既に2回検査を受けているのでチャンスはあと1回(6年前は受け放題だった気がするし、2年前はそれを知らずに勝手にラインに入って検査を受け、1回余計に受けた気が…←時効)。慎重に挑戦。バイクを支える足に力を入れると光軸が下がるのでなるべく足を曲げる。エンジンはバカみたいに吹かす必要はまったくないが、それでも4000回転以上を保持する事が望ましい。そして恐怖の判定結果は…


        「○」     !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



今回もまた、ミッションがイカレた状態で母国ブラジルGPで初優勝し、コース上で止まってしまったマシンの中で嗚咽とガッツポーズとをとり続けたセナ(←が何年だったか失念)…のような心境だったが、ややそれを縮小して、右手をスロットルから離し、左手をパッシングスイッチから離した後に2回だけ両腕を天高く掲げてガッツポーズを取った。


過去4回に及んだNC30のドラマティックな車検もこれで修了だ。今後光量で苦労する事は(多分)もうない。





【本日のまとめ】→光量不足に悩むNC30オーナーへ

・2灯車は、それぞれ12500cd必要
  (NC30では難しい。テスター屋さんだけでなく検査官までもがそう言っていた)
・1灯車は15000cd。2灯車を1灯で光量測定する為には、ロービームが両方点灯する必要アリ。
・なので現場で困ったら、暗い方のハイビーム線をニッパーで切断し、1灯で検査を受けるべし。
 (あくまで自己責任でお願いします)



…それにしても、2灯で軽く20000cdを越えるライトがNGで、1灯なら15000cdでOKというのはどういうこと?
(→カンデラは単純に足し算出来ないって事か?→それは光軸が完全に一致しない事を見越してか??)


→2灯点灯でNGで、電球1コを消したらOKなNC30のハイビームって一体…無用のナガモノ?(笑)





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検査ラインを抜け、総合判定を受けた直後。バイクや装備をこの砂漠のオアシスのような木陰に止め、徒歩で書類を出しにゆく。停車状態でがんがんエンジンを回されやや悲鳴を上げながら頑張ったNC30もここでしばしの休息。こんなに格好イイバイクが無造作に停めてあるというのに、車検場は閑古鳥が鳴いていた為、特に注目される事はなかった。






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本日散々苦労した割にはまったく活躍出来なかった怪しげな配線。H4用コネクター代780円という、テスター屋以外では史上最も金のかかった装置だった。みっともないし危ないし(ヒューズを入れているとはいえ、バッ直ラインが出ている)、用が済んだら一刻も早く撤去したい。





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      だからといってそれは検査ライン出口でこれみよがしにやらなければならない事か???(爆)





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まあ結局、こういう事を人前でちょっとやりたかったという事だ。もしももて隊チームに参加していなかったらこんな事は絶対にやらなかっただろう。そしてレーサー(レプリカ)というのは、バラされた姿も極めて美しく、そして極めて日常でである事を改めて感じた。ネイキッドやアメリカンのタイヤが外されていたら「一体何事?!」と思ってしまうが、このバイクならそれもまったく日常であり、それは我が家のガレージですら時々行われている。本当ならトランポで車検場にに乗りつけ、テントを設営して発電機をまわしてウォーマーを巻く…必要はないが、本格シェフ顔負けの料理とかしたら…果たして注意されるか、或いは怒られるかどうかがちょっと興味深い。何故ならバラバラのレーサーの横で、6年間にも渡って我々はそんな事を繰り返して来たからだ。





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 15:32、無事帰着。帰路では何故か両手両足が微妙にツッて、運転には難儀した。これも暑さのせいか…?





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まだ16時前だったが、「祝杯」をあげる事にした。ちょっと飲んだら、HIDを戻したり、右目配線のロービームキャンセルしたりといった事をしようとしていたのだが、夢破れて既にべろべろた。今日は本当ならば午前中にさっさと車検を終え、土日を含めた2.5日旅行に行くつもりだったのだが、もうどうでも良かった。酔った勢いで、まだ陽の当たっていたNC30を見に行ったが、猛烈に格好良かった。一時とはいえ「もういいっ!」なんて思ってしまった自分が恥ずかしかった。





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本日の影の立役者の、バッ直ケーブル。

結局はまったく役に立たないままゴミとなってしまったが、検査員から片目検査の事を聞き出したという点での成果は猛烈なものだ。

結局このケーブルのおかげで、ボクはNC30を嫌いにならずに済んだのだから…







過去のNC30の壮絶な車検記事