コミックエッセイ「花嫁は元男子」 | Aprikos blogg

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色々ありますが、それでも前を向いて生きようとしているMtFな私の天然ブログです。

こんにちは。(^^)

昨日アップする約束でした記事、今頃になってしまいました。m(__)m


昨晩、今週の疲れを癒す意味で、ラドラーをちびちび楽しみながら、ちぃさんの単行本を読みました。

花嫁は元男子

ちぃさんと旦那さんの馴れ初めや、性別を意識し始め、心と肉体、社会環境とのギャップとどう向き合い、今に至るまでのお話など、大変面白く、そしていろいろ考えさせられた作品でした。

その中でよく出てきているのが、周囲の人たちの持つ概念と、自分とのギャップ差。

それを最初に思い知らされるのが、年齢が上になるにつれ、小さいころは男女関係なく、おままごとをしたり、草野球や泥遊びなどをしたりしていたのがいつの間にやら、男子は男子の遊び、女子は女子の遊びへと変化し、その中でのコミュニティーが形成されていき、同時に深い壁や溝ができていく。

ちぃさんの場合はその変化に気づかなかったようで、女子の方からそれを突き付けられてしまって初めて性別というものを意識する訳なのですが、これって、私も似たような体験をしていますので、思わず「そうそう!」と、頷いてしまいました。

でも、全てのギャップ差はここから始まるのですよね。もちろん、肉体への違和感からという場合もございますし、個人によっていろいろだったり。

ちぃさんも、性への違和感の差についてや、周囲の人の持っている感情など、実際には自分が思っているようなものではなく、とても多様であることを、本の中で指摘していますが、以外に、真面目に見える人ほど、縛られていたりするのですよね、「見えない固定概念・社会的常識」というものに。

これは、何もマジョリティー(心と体の性別に違和感を感じず、恋愛対象も異性だと認識している人たちを主に指す場合がございますが、日本語訳である「多数派」という意味合いから、変な誤解を生みやすい言葉でもあります)だけに限らず、性別違和などを感じている「マイノリティー」側にもあったりするのでとても厄介です。

なぜ、そのような常識があるのか、ずーっと考え続けているのですが、やはり、どこかの時点で誰かに悪魔の囁きのように吹き込まれ、疑うことをしなかったがために、それが当たり前なんだと思い込まされている。今の私の頭ではそう結論付けてしまっています。しかも、その常識と思っていることを他の人たちも共有し、社会で生きるためのツール(礼儀・作法・法律など)とリンクしていると、もうそれがこの世界のルールだと思い込んでしまう。

さらに厄介にしてしまっているのが、「コンプレックス」というもので、「自分は、格好や心こそ女性(男性)だけど、体は男性(女性)だから、好きになった人に迷惑をかけてしまう…」などと思い込み、その結果、恋愛などから自分を遠ざけてしまったりしてしまいます。これは私もそうですので、人のことは言えません。(^^;;

結局、そういったものが絡み合って、自分を「生きづらく」させているのは事実で、その中でもがいている間は、世の中、救いがたく見えてきてしまうのですよね…死んだ方がいいのかなとか、マイナスな感情だらけになったり、こんな世の中全部ぶっ壊してやる!と、破壊的・排他的な感情に蝕まれることもあったりと、「常識とか正義とか、いったい何なのさ?平和でのんびり、穏やかに過ごしたいだけなのに何が間違っているの?」と、世界の中心で思わず問いかけてしまいたくなったり(って、私だけでしょうか?(^^;; )。

アドラー先生に言わせますと、「人は誰かを差別したり、不幸にしたり、またはその反対の立場になることで、社会的に優位に立ち、誰かを支配したいという欲求を持っている。」という事らしいのですが、性別違和とか、どうにもならない問題ですし。なので、つい、アドラー先生に反論してしまいたくもなりますが、他者は変えられなくても、自分は変えられるのは確かで、現に、ちぃさんは、男性として社会人として過ごしたりと、肉体や戸籍上の性別の人間として生きようとしますが、やはり無理が出てきて、結局、自分のあるがままの声に従ってようやっと自分を取り戻していく…

いろいろ長い文章を書いてしまいましたが(をい)ゞ(^^;;
結局、「ちぃさんだから好きになった」という感情があふれている旦那さんが、小難しい考え方とか思いっきり吹き飛ばしているのを見ていますと、前を向いて歩き続けていれば、目の前に壁や扉が立ちはだかる瞬間というものがあって、それを避けて進むか、乗り越える、もしくは開けて進むか、その違いだけのような気がいたします。でも、その行動の違いで結果は大きく異なるのですから、生きるって、幸せになることって本当に奥深いなと思ったりしています。

と、結論。この本はお薦めです。興味がございましたら是非。(^^)/


花嫁は元男子。/ちぃ
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ただ、不満があるとすれば、宮崎県だけでしょうか?最近、エッセイ4コマ本などが軒並み本屋さんのコーナーから消滅してきているのですよね…人気俳優を主役にしたテレビドラマの原作本とかは、大きなスペースを取って平積み状態にして売り込みをかけているのに、本当に私個人がお勧めしたくなるような本は何故か本屋さんに置いていない。なんとも。(--;;


あぷりこっと
次はサイン会(をい)ゞ(^^;;