オリンピック閉会式でヒンディー語ミススペル | संस्कृतसागर サンスクリット・サーガラ(サンスクリット語の海)埼玉在住サンスクリット語講師

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世界で一番難解と言われる古代インドのサンスクリット語。ヨーガ、アーユル・ヴェーダ、インド思想、インド占星術etc.インド文化に関心を持つ人へ、サンスクリット語の視点を中心に様々な言葉の由来や正書法、雑学について

オリンピック終わりましたね。

昨日の閉会式では東京への引き継ぎをアピールする演出があって、
そのなかに、世界中の言葉で『ありがとう』を書いた映像がありました。

テレビ中継では一瞬だったので気付きませんでしたが、

今朝、新聞に載っていた写真を見たら…



ヒンディー語で「ありがとう」にあたる
ダンニャワード(ダニャワード)

の書き方が間違ってました…

धनयवाद ×(閉会式で映った文字)

धन्यवाद ○

発音は同じか似てるかもしれないけど、
धन्य も、वाद もサンスクリット語に由来する単語で、
धनयじゃ意味をなさない。

日本語で例えれば、
「弟」を「おとおと」と書いたり
あるいは、「神」を「ネ申」と書いたり
するような変な感じがします。

現地語に通じた方々が監修しているでしょうから、
単純なミスなのか、

それとも、最近はこういう書き方に変化しているのでしょうか???

追記

インド人の友達に聞いたら、
やはり、間違った書き方だと言っていました。
धनयवादと書かれていたら
ダナヤワードと読む、と。(ナは曖昧な感じの発音)

ヒンディー語だと二番目の母音aが無声化されるのですが、

dhan[a]yaの二番目の母音aが省略(無声化)されることと、
dhanyaは、発音が違う、

というヒンディー語の音声学的特徴がわかって勉強になりました。

最近はパソコンやスマホの入力補助のおかげで
逆に間違った書き方をしてしまう人が増えた、とも言っていました。

他のインドの方からの情報もあったらよろしくお願いします。